2009年10月25日 日経
【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米大統領が新型インフルエンザを深刻な自然災害などに準ずる国家非常事態に指定する宣言に署名した。米ホワイトハウスが24日、発表した。連邦政府の規制を緩和し、保健当局が機動的なインフル対策を実行できるようにする。大統領は署名した文書の中で「国家を挙げて備えてきたが、新型インフルエンザの大流行が進行している」と事態を深刻視した。
国家非常事態はハリケーンや洪水などの自然災害への対応で指定してきた例が多いが、新型インフルでは初めて。米国では新型インフルによる死者が23日に1000人を突破し、ワクチンの調達確保など対策強化が必要な状況になっている。
米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は23日の記者会見で入院患者が2万人を超え「感染者の数は増え続ける」と語った。ワクチンの量に関しては「想定していた量に到底追いついていない」と懸念を表明した。(01:22)