
太平洋戦争直前の1941年。列強犇めき合う上海を舞台に、ある殺人事件の裏に隠された巨大な陰謀に挑むアメリカ人諜報部員の姿を描く。
構想10年、制作費約50000000ドル、ジョン・キューザック、チョウ・ユンファ、そして渡辺謙氏と、日米中のビッグスター揃い踏みでも話題となった、まさに近年類稀なる歴史超大作ともいうべき本作。
結論から書いてしまおう。
超つまんねぇ(笑)。
金かかってるのは分かるし、ものすごく細部にこだわって作られているのも認める。役者の芝居も素晴らしい。が、それでも全然面白くない。この手の映画にしては上映時間104分と若干短めなのが唯一の救いで、もう10分長かったら、確実に寝オチしていた。
まず、ジョン演じる諜報部員の親友であり、同じく米諜報部員だった男を殺した真犯人を追いつつ、彼が掴んだ世界を震撼させかねない重要な情報を探るというメインストーリーが非常に退屈。
短い尺の中にやりたい事をこれでもかっ!と詰め込んだせいか、国籍入り乱れたムダに多い登場人物が、やれどこどこの誰々とできてただの、やれ実は誰々はスパイでしただの、やれ本当は何々でしただの、もうゴッチャゴチャ。サスペンスとしてはそれほど悪くないにせよ、途中から何してんのか、目的はなんだったのかよく分からなくなり、気がつきゃ「犯人?ああ、そういやそんなの捜してたね」てな具合に。
展開上の抑揚もほとんどなく、要所要所に挿入される銃撃戦も、カタコトの日本兵のおかげで台無し。なぜ主要人物の国籍にはこだわったのに、謙さんと菊池凜子以外の日本人キャストはあんなに適当なのか。「オイ、ショコノキシャマー、ウゴクニァー」なんてのが誇り高き日本軍がいたら、当時なら銃殺モノに違いあるまい。白けるより先に笑えてしまう。
また、それだけ大風呂敷広げた挙句、最期のオチがまるで昼ドラ並のコンパクトさ。「結局、人ってな愛の前には無力なのさ」みたいな感じで、キレイにまとめたつもりなんかもしれんが、観てるこっちはただただ唖然とするばかり。
多分、これとほとんど同じ内容で大阪ヤクザか何かの話しを撮っても、なんら違和感がないと思われる。
そもそも舞台となった年代を考えれば、「世界を震撼云々」の正体ぐらい、簡単に推理できてしまうのはいかがなもんか。せめて「実はあの歴史的事件の裏には、こんな秘話があったんよ」的な何かがあれば、もう少し評価も変わったものを、結局、安直な「責任は誰にある?」話しに落とされている気がする。
近代史、サスペンス、ラブストーリー、ついでにチョウ・ユンファお得意のガンアクションと、ともすれば一粒で4つも5つも美味しい作品になり得たものを…。全ての要素がまったく噛み合わずに自壊してしまった、典型的な作品といえる。
海外ではどう評価されるか分からないが、本作を好きだという日本人はそんなにいないんじゃないかと察する。それでも、やはり謙さんをはじめ役者陣の芝居
そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、
☆☆★★★++
謙さんに免じて、オマケの星2つプラスプラス!!
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