今思うと、手術がダメだったけど終わって、家でリフレッシュしていた2週間が
一番心が安らかな日々だったかもしれません。
臓器取っていなかったから、家に帰った頃はもう、お腹も痛く無かったし
ちょっと屈むのが苦労なくらいで、20年間やり続けている、スーパファミコンを
いつも通りやって、猫と遊んで、時間をつぶしてたから、あまり考え込まなかったし。

でも、平和は長くは続きませんでした。リフレッシュが終わると、
癒着を無くすのと、ガンを小さくする為に、抗ガン剤が始まりました。
私は卵巣癌の標準治療であるTC療法(タキソール&パラプラチン)という抗ガン剤でした。
開腹手術で、それが一番効果があるという、検査結果も出てやったハズです。

怖いので、ネットで自分の病気については、調べてませんでした。
髪の毛が抜ける・吐き気と倦怠感が酷くなる くらいの予備知識しか
持ってませんでした。
なので、一回目の投与の時、それほどひどい吐き気も無く、倦怠感も
我慢できたので、(わりと楽?)なんて、甘い事を考えていました。

が、2回、3回と進むうち、とんでもない!!と実感してきました。
私の病院の方針なのか、この強い抗ガン剤を月に2回づつ打つのですが
4回目の頃はもう、通院するのもやっと、入院してもほとんど何も食べられず、
吐き気が収まる日が、月のうちのたった、4・5日でした。
体重は10キロ近く落ち、病院食はフルーツしか受け付けず、売店の野菜サンドを
買いに行くのが、やっと。5・6回目の頃は売店までも行けず、
5・6日の入院のうち、1回だけ旦那が来てくれて、差し入れを持って来てくれるのが
ホント、唯一の栄養補給だったかも。(1回の入院が5・6日だった)
(栄養ゼリーとかは少しは食べたけど)
本当にこの抗ガン剤はキツかった。。
髪の毛が抜ける悲しさなんて、吐き気に比べれば私にとっては些細な事でした。
(でも、ケア帽子は何枚か用意したけれど)

この時期に辛かった事が、もう1つありました。
18年一緒に住んで居た飼い猫が、急速に衰えて行き、私の体調の悪さから
ろくな看病が出来なかった事です。
私が定期的に入院すると、真夜中に玄関先で私を待つ態勢で
じっとお座りをして、いつ帰るのか待っていたそうです。
今、思い出してもいじらしくて涙が出ます。動物は一途です。
私が何回目かの退院をした翌日、苦しみながらも、静かに息を引き取りました。
まるで私の姿を見てから逝こうって、決めていたみたいに思えます。