愛媛県を走る「伊予灘ものがたり」は、地元の人から手を振ってもらえるなどの歓迎を受けている。その中でも、最も規模が大きいのは、大洲城での「歓迎はたふり」だ。これについて、今回は書いていく。
【1】「歓迎はたふり」とは?
4本の「伊予灘ものがたり」のうち、八幡浜発着の「八幡浜編」と「道後編」は、大洲城が見える橋を渡る。橋を渡る列車に向かって、旗を振るのが大洲城の「歓迎はたふり」なのだ。
上の写真では、橋を通過した時のもの。城の左の方に、何人かいるのだが、分かるだろうか。分かりにくいので、もっと拡大すると、こうなる↓。この時は9人の人が、旗を振っているのが分かる。
【2】距離は遠い
近くの相手になら手を振ればよいのだが、列車から城までの距離は約500mある。その間に視界を遮るものは何もないとはいっても、500mはかなりの距離だ。手を振っても、なかなか気づいてもらえない。
そこで、武士の戦場でも使われたような旗を振るのである。それも、2~3人でなく、10人くらいだと、ハッキリ分かるし、歓迎の気持ちも伝わる。
【3】観光客が旗を振る
地元の人が列車に手を振るのは定番だが、大洲城は異なる。何と観光客が旗を振るのだ。土曜日・休日を中心とした運行日の、午後3:16頃(下り)、午後4:25頃(上り)に、大洲城の近くの鉄橋を渡る「伊予灘ものがたり」に振るのである。
大洲城に観光で訪れた観光客に、大洲城の職員の方が「伊予灘ものがたりに向かって旗を振って歓迎しませんか?」と呼びかける。それに応じた観光客が、旗を振るという仕組みである。
観光客が応じてくれなければ、職員だけ3人ほどで旗を振ることになる。反対に人数が多い日もあり、お盆には希望者が多くて、旗が足りなくなったこともあったそうだ。
「観光はたふり」は、印象に残りやすい参加型のイベントと言えそうだ。
【4】振りたくなった
私は「伊予灘ものがたり」に乗車したのは、今回までで5日間、のべ11回になる。その間、何度も大洲城から旗を振ってもらった。
何度も旗を振ってもらうと、今度は自分も旗を振りたくなった。そこで、今回は大洲城に行って「歓迎はたふり」をすることにした。
15:16に「八幡浜編」に向けて旗を振り、その後に伊予大洲駅から「道後編」に乗って松山に戻るスケジュールだ。
そこで、伊予大洲で折り返す「伊予灘ものがたり」を、武者姿で歓迎しに来た大洲城の職員の方に「旗を振りに行きますよ!」と宣言して、行くことにした。
【5】大洲城
大洲城までは、伊予大洲駅から歩いて行った。
博物館にもなっていて、入場料は大人500円。
大洲城の売店には、「伊予灘ものがたり」のグッズも販売している。見覚えのあるグッズが並んでいた。
大洲城の詳しい案内は、こちらへ↓。
http://www.ozucastle.jp/hatafuri.html
【6】初めは閑散と
約15分前には来てほしいと書いてあったので、大洲城の見学を25分前までに済ませ、14:50に「歓迎はたふり」の会場となる大洲城本丸の前で待機。
10分前の15:05には、ノリの良い愛媛県民のご夫婦と私の3人だった。職員の方も含めて6人だから、大きく旗を振らなきゃな・・・と思っていた。
すると・・・・
3~4分前の直前に、城の見学を終えた人が、ドッと参戦。観光客だけで14人に達した。これは盛り上がる。よしっ!
【7】いざ「はたふり」へ
旗の振り方を説明してもらい、軽く練習。合図に合わせて、ひだり~みぎ~ひだり~みぎ~と振る。難しくは無い。
いよいよ「伊予灘ものがたり」がやってきた。橋を、ゆっくりゆっくりと渡っている。「はたふり」が分かるように、時速10kmでのんびりと橋を渡ってくれる。
何せ「伊予灘ものがたり」は、ゆっくり走るので、「はたふり」は2分近くかかる。その間「はたふり」を続けるのは、体力を使う。張り切って降り始めた人も、疲れてくる。
私も必死に旗を振ったので、振っている間に写真を撮る余裕は無かった。
【8】「はたふり」の後
「はたふり」をした観光客で、記念撮影を行った。参加型イベントだから、記念写真が定番なのだ。
映りが良い記念写真が、大洲城ホームページに乗っているのでどうぞ。(8/30の記念写真に載っています。)
私も後姿を、ひとりで撮ってもらった。