またお会いしましたね《2》 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 普通列車のグリーンアテンダントさんから「またお会いしましたね」と声をかけられた話、今回は2回目だ。

 

 私は2008年に、初めてグリーン定期券を買った。この時は、曜日によって少し違うが、基本的には、朝7時台の列車に乗り、夜21時ごろまで仕事をする生活だった。

 却って面倒だったのは、週3日くらい昼間に4時間くらい空き時間ができることだった。

 初めは、上野の美術館を一通り制覇したり、ヨドバシカメラなどの量販店を隅々まで探検したり、御茶ノ水の本屋で時間をつぶしたり、喫茶店でのんびりしたりして楽しんだ。ところが2か月たつと、することがなくなり、喫茶店でのんびり時間をつぶすのが苦痛になってきた。

 そんな時に、普通列車グリーン車に定期券があると知ったのだった。何しろ値段が高くて、グリーン定期券の購入には躊躇したが、「昼間の空き時間の行動範囲が広がる」「元々鉄道マニアだから乗っているだけで楽しそう」との考えに背中をひと押しされて、決断した。

  

 グリーン定期券の利用を始めて気づいたのは、車内販売が始まっていたことだ。大幅割引の「データイムグリーン回数券」があったころは、何度も利用したが、当時と違って車掌がグリーン券をチェックしに回るのではなく、アテンダントさんが担当することに変わったのだ。

 グリーン車の車内販売は、コーヒーもお茶も駅の自動販売機より10円高くて、品数も限られている。グリーン定期券を利用し始めたころは、飲みたければ自動販売機を使っていた。

 ところが、アテンダントさんは、2階部分に2~3人しか乗っていない空いている状態でも、重いカゴを持って「車内販売でございま~す」と笑顔で回ってくるのである。頑張っているなと感じて、つい何か買いたくなってしまう。


 ある日のこと。午前中の混雑していた上り列車で、車内販売で綺麗なアテンダントさんから、缶コーヒーを買って飲んだ。そして、ひと仕事したあと、昼過ぎのガラ空きの時間帯にも乗った。その列車でも、カゴを持って笑顔で巡回してきたアテンダントさんがいた。

 私は、頑張ってる人がガラ空きの車内を回っていると、買いたくなる性格だ。この時も、「車内販売でございま~す」との声がしたから、雑誌を読んでいたが、呼び止めようとして、アテンダントさんの方を見た。

 すると、こちらが呼び止める前に、アテンダントさんに、こう言われた。

「またお会いしましたね」

 缶コーヒーを朝の上りで買ったアテンダントさんだった。

 実はアテンダントさんは、身だしなみ・髪型を接客向けにしているため、印象がかなり似ている。誰から買ったかなんて、なかなか区別できない。

 客の立場からすれば、アテンダントさんは大勢の客を相手にしているのだから、いちいち顔までは覚えている訳がないと思っていた。似ている客と人違いするのも、みっともない。しかし、このアテンダントさんは、しっかり覚えていたのである。もともと、何度も車内販売を利用していた客だから、覚えてくれていたらしい。


 客観的に見れば、「何度も乗って何してんだ、この客は?」と不審に思われただろう。ただ、笑顔で接してもらって助かった。

 このアテンダントさんの列車に、次に乗車した時は、「あ、どうも。また乗ってます。」「今日もご乗車いただきありがとうございます」などと挨拶するくらいになった。

 「ごぶさた」などと挨拶をしているうちに、7年近くたった。前にも書いたが、携帯電話がかかってきてデッキで話していたら注意されて「すみません」と謝ったこともあったっけ。

 7年近くもグリーン車に乗ってきたから、このアテンダントさんから車内販売の品を買った回数は、50回を超えた。


 私はグリーン定期券の期限が終わって、現在は普通車利用なのだが、今晩帰宅に乗った列車に、このアテンダントさんが乗務していた。ホームを移動している時に気づいてSuicaで速攻でグリーン券を買い、乗車した。

 車内で買ったビールは、実に美味かった。