私が、今、感じているこの思い。
それは、たった二十六文字で表記出来る程度のものなのだと、ただ
溜息をついてしまいたい。
(山田詠美 「AtoZ」)
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ご存知でしたか?
恋の始まりは、まるで交通事故を目撃したときのような accident 衝撃を受け、恋が終わる
ときにはボディバックの口を閉じるような音 zip! がすることを。
大好きな小説の主人公に(心の中で)なりすました経験、誰にでもきっと一度くらいはあるでし
ょう。
「読書」ではなく、ページをめくるたびに思いがけず疑似体験をしてしまう臨場感を与えてくれる。
有名無名ウマヘタ問わず、そんな物語こそワタクシにとっては良質な傑作だと常々思っていま
す。
- A2Z (講談社文庫)/山田 詠美
- ¥490
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第一版発行、2000年11月11日。
初めて手に取ったその日から今日まで、幾度この本のページをめくったことでしょう。
カバーの田辺ヒロシ氏のイラストも永遠に傍らに置いておきたくなるような美しさです。
気が付けば、憧れだった主人公女性(出版社勤務)の年齢にいつのまにか近づいていました。
彼女とワタクシの「できばえ」の比較はあえてしませんが・・・。
たかが恋愛小説とあなどるなかれ。お気づきのとおり、英語のお勉強だってできるのだ!!
さしずめ、ワタクシの現ステージは yearn を通り過ぎ、occasional 待ちといったところ!?
さて、皆様はいかほどでしょうか?
ワタクシがこの物語を好ましいと思うのは、きっと現実でもよくある(かもしれない)ことを、あくま
で格好よく、下品にならずに描いているからでしょう。
作者特有の軽妙さゆえ、好き嫌いはあるかもしれませんが、ご興味あればぜひ。
「この小説、おもしろいじゃん」という感性をお持ちの男子諸君とはフィーリングが合いそうだなぁ。
ちなみに、ワタクシのささやかな夢はこの物語に出てくるように、好ましい殿方から誕生日プレ
ゼントにバカラの「エキノックス」 を頂戴することであります。
単なるお酒好きの欲望ともいいます。
※追記: すこぶるデキる、良いメガネ(男子)が登場します!
【二十六文字が教えてくれる、極上の恋愛みたいなもの ☆☆☆☆】