探しものは何ですか?





10数年ほどずーーーーーーーっと探し続けていた曲をやっとやっと発見した。

それはもう、運命の恋人に会ったかのような瞬間だったのだ。



遡ること高校時代。

シチュエーションは、実家のTVの前。

以前から綴っているとおり、当時はMTVをかじりついてみているような娘だった。


そんなある日の偶然の出来事だったのだ。


イージーリスニングに近かったため、ほんの一度しか見ることのなかったPV。

しかし、その音と一瞬だけ目視した画面が今の今まで脳裏から離れることがなかった。

うっかり左下のクレジットを見なかったために唄っているアーティストをみすみす見逃し

てしまったのだ。


時は戻らない。

それ以降、一切見かけぬまま私はそれなりの大人になってしまった。



High Road Easy



シャウトしていた人が放ったひとこと。


ハイ・ロード・イージー。



当時はインターネットも普及していない時代、検索などする術もなかった。

男か女かもわからなかった。


大人になってからも、ふとした瞬間に情景を思い出していた。

それぐらい当時強烈だったのだと思う。

PVはモノクロだった。それは覚えている。


その時のイメージから勝手に「これはきっとソニック・ユースだ!」と思っていたので、

勘違いをしたまま’Sonic Youth’ ’High Road Easy'ととぎれとぎれの単語をインター

ネットの検索エンジンに叩き込む。


しかし、ヒットしない。


High Road Easyという曲名じゃないのか!?

そもそも、ソニック・ユースが間違っているのか!?



・・・・そう、ソニック・ユースなんかじゃなかったのだ。

思い込みとは恐ろしい。思い込みで10数年の月日が流れていた。


きっかけはYouTubeだった。

マイ・ケミカル・ロマンスやなつかしのガンズなどのPVをたらたらと見ていた時。


「もしかして、超マニアックな音楽オタクが投稿してるんじゃないの!?」


そう閃いた。そしてたった2つのおぼろげなキーワードを入力する。



そして、でた・・・・


モノクロのPV。

髪を振り乱してシャウトする姿。

私の好きな、カッティングのかんじ。



「High Road Easy」 曲名は間違っていなかった。


アーティストは女だった。Sass Jordan という。

そういえば、この名前聞いたことある。



サス・ジョーダンはカナダ出身である。

なかなかの歌いっぷりであるが、全米マーケットではブレイクしなかったようだ。

どうやら’女であること’が当時のネックになっていたようだ。


しかしかのエディ・ヴァン・ヘイレンは「彼女が女でなければうちのリードボーカルに雇う

ところだった」と言葉を残している。


複雑・・・それでもシェリル・クロウはブレイクしたのにな。

ジャニス・ジョップリンショックが抜けなかったのだろうか?


男の気持ちは昔も今もよくわからぬ。



ともかく、小さくちいさく、ひとりで幻の恋人(女だったけど)に巡り合うことができた。


これはもう、文明に感謝するべきだ!

ソニック・ユースなんて勘違いも若気の至りなのである。


巻き添えにするわけではないが、PC環境が整っている方はぜひともYouTubeでこの

感動?を味わっていただきたい。

今聴いても相当格好いいです。バックのドラムは・・・たぶん有名な人。


日本人でここまでシャウトできる女性ボーカリストは・・・あまり見たことない。

夏木マリ様の’ジビエ・ドゥ・マリ’あたりに頑張ってもらうしかない。

(あ、でも彼女はジャニス・ジョップリンのコピーでした・・・)

もしくは、もしも今、私がバンドを組んでいたら・・・絶対コピってる。

たかが音楽、されど音楽。


念ずれば、かなう。

そんなプチ体験をヒッソリしてみちゃったのだ。