確実に朝だった。


ずっと店内にいるのだから、空が白んでいく過程など分かるはずもない。




スタイル・カウンシルの曲が流れる。


「これって、’とくダネ!’のオープニング曲だよね!?」


タイムリーにその時代を過ごさなかった私には、今なお廃れない80'sの曲の数々がかえっ

て新鮮に聴こえる。

ワインをたらふく飲んだので、さすがに酔いも眠気とともに心地よく回っていた。



10席あまりのワインバーで過ごす夜と朝の狭間。週末だけに許される時間の遣い方。

少し前にオープンしたこのお店では手作りのピザも頂ける。

客単価2~3,000円。なんと商売っ気のないお店だろう。

人に紹介したい。しかし、紹介したくない。



そして、ふと聞き覚えのあるイントロが流れる。



It's been 7 hours and 13 days since u took your love away



「君が愛を連れ去ってしまってから、もう13日と7時間経つ」。



あぁ、私が大好きな歌だ。

久しぶりに耳にした。


そもそものきっかけは、マイケル・ジャクソンの歌なども入っている、とあるチャリティー

アルバム。それも10年ぐらい前の話だ。


この歌は一番最後に入っていたような記憶がある。もう手元にないから全てが朧だ。


チャリティーアルバムに悲恋の歌を入れるか!?

世界はLOVE&PEACE、WE ARE ALL ONEじゃないのか!!!???


秘かに心に思っていた。


しかし、この歌はとてもヒットした。元々はプリンスが作詞作曲・歌唱している。



心血・魂込めて歌うのはシンニード・オコナー

スキンヘッドが勇ましい女性シンガーだ。メッセージ性の強い楽曲ばかりである。



自宅に戻り、久々にベストアルバムを取り出した。

が、残念ながら私はこの曲以外ほぼ知らない。


それでも、この1曲だけを聴くためにこの1枚を購入してもいいと思わせるドラマが潜む。



「Nothing compares 2 U」


日本語タイトルは愛の哀しみ’、直訳は「君と比べるものなど何もない」




あなたと比べるものなど、今のところ思い浮かばない。



そういう情愛を、私は忘れたままでいるのかもしれない。






「So Far・・・the best of sinead o'connor」



It's been 7 hours and 13 days since u took your love away

I go out every night and sleep all day

Since u took your love away

Since you've been gone I can do whatever I want

I can see whom ever I choose

Eat my dinner in a fancy restaurant

But nothing, nothing can take away these blues

Nothing compares, Nothing compares 2 u

I went 2 the doctor, guess what he told me

"Try to have fun no matter what u do"

But He's a fool

Nothing compares, Nothing compares 2 u