あなたのベットの横には、必ずブランデーとグラスが置いてあった。
その反対の横には、私が、ほとんどいつも居た。
あなたほど仕事に対して真摯な姿勢で、たとえ一瞬でも狂ったようにのめり込む人を知らない。
その狂気の時間のあとは、眠るために、あなたにはお酒が必要だった。
私も常に傍に居たのに、お酒にはおよばなかったのだろう。
今もきっとあなたの枕元には、ブランデーの香りが漂っているのだと思う。
私はもうとっくに居ないのに、ね。
悔しいな~。
もし、私の横であなたがお酒で唇を潤すことをやめていたら?
どうなっていただろう、私とあなた。
もしかして、まだあなたの横に私が眠っていたかもよ。
その場所にいる自信を得た私が、あなたを守っていたかもよ。