Strawberry Cake 2 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。




頭の中の整理がつかないまま、




君と食べたケーキは何故だか懐かしく感じたんだ。




不思議だな。



君の記憶なんて私の中には全くないっていうのに、まるでずっと昔に君と一緒に食べた事があるような。



それを聞いたら君は笑うかな。



でもね、そのケーキは今までで一番美味しく思えたんだよ。



trawberry Cake 2







:::




一体これはどんな状況だろう。
何も分からないまま、いつもは一人分の夕飯を二人分作って。
二人分の食器を出して。
二人分の夕飯をテーブルに並べる。

そしていつも前に誰もいない眺めの中に、

見覚えのない人物がニコニコと腰掛け、手を合わせ「いただきます。」と口にしている。

その人物はフォークにハンバーグをさして大きく頬張る。



ねぇ、君は誰?




「うっめぇー!」




その突然の声に思わず肩が跳ねる。

あぁ、そうだ。


今彼は現実に目の前に存在しているのだった。



先程、困惑していると海外にいる両親からの電話が入った。

思わずどういうことだと声を荒げてしまうとつい数十分前に彼が言った通りの説明が返ってきた。

いくらなんでもいいかげんすぎるのでは・・・と問いただすが「彼は中学生と思えないほどしっかりしている、どこぞの大人より大人らしく神士だ。正直女の蘭を一人にさせておくよりはずっとましだと思う」という母親からの言葉に驚く。

またあの小五郎も彼のことを大分買っている程なのだから安心していいとまで言うのだ。

あの法曹界のクイーンと呼ばれる母親に元刑事でもある探偵の父親が認めるなんてどんな人間なのか。

ましてやまだ中学生。

しかし今ここで蘭がどうあがいたとしても彼を強制で送り返す力なんてあるはずもなく、

結局蘭の脳内で解決、納得されるはずもないままその電話は終了してしまった。


とにかく彼が今日からここに住むという話は確かなようだ。


蘭はまじまじと新一を見つめた。



「・・・・・どうしたの?食わないの?」



「えっ・・・・あ・・・たっ食べるよ!」



声を掛けられて驚いて新一から目を逸らしフォークに手をかける。





自分が作ったハンバーグを一口、口に入れる。



口内に肉汁が広がる。

お手製のソースとハンバーグの相性が絶妙で、我ながら美味しく出来たと思う。





「蘭、本当に料理うまいんだな。」




なんの抵抗もなく呼び捨てにされた名前。

先程の自己紹介では彼は自分よりも年下のはずだったが・・・・

まぁ、今はそんなことどうでも良い。



「・・・・・あっありがとう・・・・・。」



「・・・まだ納得いかないの?」



「・・・・へ?」



「さっきから眉間に皺よせてすっごい怖い顔してこっち見てるからさ。」



「え・・・やだ・・・・ちがっ!」



思いもしないその言葉に驚いて咄嗟に眉間を両手で隠す。

彼はそんな私の様子に一度声を出して笑ってからふーっと息を一つ吐いて少しだけ真面目な表情で話始めた。


「まぁ、突然のことで頭おいつかないと思うけど・・・・ただ俺は受験が終わるまでの居場所が欲しいだけだからさ・・・まぁこうやって夕飯とかはねだるようになっちゃうけどそれ以外についてはほぼいないと思ってくれて構わないから。」


「いないって・・・・そんな・・・・。」



無理に決まってるとは声が出てこない。



「普通に明日からこっちの中学にも編入する事になってるからさ・・・顔合わすのも朝と夜だけだし・・・。」



「・・・・・・・・・。」



「・・・・・迷惑な話だってことはわかってる・・・・でもどうしてもこっちの高校に行きたいんだ・・・・だから協力して下さい!」



突然頭を下げられて戸惑う。

けれど、今の彼の発言にはなんの偽りもなくて、強い覚悟を感じて。

本当に彼は何か求めるものがあるのだと感じて。


それを奪う権利が自分にあるのだろうか・・・・?





そして気付いたら頷いていた。





「あっ・・・・・こんな所でよければ・・・。」




自然と口から漏れた言葉に一瞬驚く。

けれど何故だか悪い気はしなかった。



何も知らない少年なのに。

何故か平気に受け入れる自分がいる。



何故だろう。





「本当に!?・・・・・ありがとな、蘭!」




満面の笑みの彼は最初に会った時の大人びた表情とはうってかわって何だか年相応の可愛らしい少年に見えてホッとした。




「・・・・・・・。」


「・・・・・・・?」



そう思ったのもつかの間。

彼はまた表情が強張る。



「・・・・・てかさ・・・・蘭は全然覚えてない・・・・のか?」


「え?」



そういえば・・・

幼い頃彼の両親と自分の両親は友人でよく彼の家に遊びに行っていたと話ていたっけ。

必死に記憶をたどるがどうも思いだせない。



「ごっごめん・・・・・思いだせないみたい・・・・。」




おそるおそる声をかけると目の前の少年はふと切なげに笑った。



「そっか・・・・まぁだいぶ昔の事だし無理もないよな。」



しょうがない、とまたハンバーグを食べ始める新一を見て蘭は一度考えてから質問をしてみることにした。



「・・・・・その・・・えと・・・しっ・・・新一君は覚えてるの?」



「え?・・・・あぁ・・・・・まぁ俺もそんなはっきりとした記憶じゃないから・・・。」



「そうなんだ・・・・。」



まるで何もかも覚えているという口調だったのに今度は曖昧に答えた新一に疑問を感じる。

けれどその疑問に深く追求したところで何かが変わるわけでもなく蘭はそのまま話題を変える事にした。



「・・・・ねぇ・・・新一君はどこの高校受けるつもりなの?」


「・・・・・・・帝丹だよ。」


「えっ?」


「・・・・何?」


「あっ・・・私も帝丹だから・・・・。」


「知ってるよ。」


「へ?」


「蘭が行ってるから・・・・行きたいんだ。」


「・・・・・・・しっ新一君?」



ちょっとまって。


彼は何を言っている?


私がいるから・・・・私と同じ高校に行きたい?



えっ・・・・それがこっちにきた理由?



いやいや・・・・ただ知ってる人がいる高校がいいってだけだよね。



その・・・だから・・・・




なんで・・・・そんな目で見るのよ。





ぐちゃぐちゃ頭の中で考えていると彼の目と自分の目がぶつかった。

どうして。


そんな真剣なの?



碧い瞳に吸い込まれそうで怖くなった。





「・・・・・・・・なんつって。」





「・・・・・・・・は?」





「まー知り合いがいるってのもいいし・・・・昔、ある人と約束したんだよね・・・同じ高校に行こうって・・・・その人が今帝丹だからさ。」




少しおちゃらけた後、フォークを一定のリズムで口に運びながら話す新一の言葉に蘭はパーっと表情を明るくする。



「えっ・・・それってもしかして好きな子??」



「・・・・・・?」



「好きな人との約束のために日本に帰ってくるなんてロマンチック―!!」



蘭は思いもしない乙女心をくすぐられ掌を組んで興奮したようにしゃべりだす。



「相手の子って何年生なの?私の知ってる子かなー・・・もしかして近所の子・・・・・・って・・・・・ごっごめん・・・別に女の子だとは限らないよね・・・・やだ・・・・私ってば・・・・・。」



ふと呆然とした新一に気付いて一気に我に帰った蘭は顔を赤くさせて謝罪する。



「くっ・・・・・ハハハ!!!」



するとそのコロコロと変わる蘭の表情を見て新一が軽快に笑って見せた。

蘭はそのまま身体を小さくさせる。



はっ恥ずかしい・・・・・。



そう思った時だった。




「・・・・クク・・・・いや・・・・女の子だよ。」



「え?」



「蘭が思ってる通り・・・・好きな子との約束だよ。」



「・・・・・・・・っ。」




少し笑いが残った声で断言した。




「あっ・・・・やっぱり・・・そうなんだ。」



「うん・・・・すっげー好きな子。」



今度は少し真剣で、その表情にちょっとだけ胸が跳ねた。


まるで自分に向かって告げられたかのように錯覚して蘭は顔が熱くなったのを必死に隠した。






気付けば新一のハンバーグは完食されていた。




:::




「ー・・・・ふぅ。」



あれから食事を終えた蘭達は風呂を済ませ寝るだけとなった。

新一にはとりあえず小五郎の部屋を貸し与えた。



今朝は早くて疲れたといって新一は蘭よりも早く眠りについた。



閉まったドアを見届けて自分も部屋へと入る。




電気を消してベッドに入り、思わずため息が出た。



突然色んな事が起こりすぎた。



とんとんとここまできてしまったがまだまだ頭の中はパニックだ。



あの新一という少年と自分は本当にこのまま一つ屋根の下で暮らしていくのだろうか・・・。




色々と考えているうちに蘭の瞼が重くなってくる。




「・・・・・今日は疲れちゃった・・・・後のことは明日考えよう・・・・・。」





そう言って蘭はそのまま夢の中へと堕ちていったー・・・・






:::





カチカチ・・・



時計の秒針の音が暗闇に響く。



すーすー



蘭の寝息が小さく漏れる。




キィー・・・・






微かな音と共にドアが静かに開く。




その隙間から部屋の中へと侵入してくる足。




それは誰のものなのか。







「・・・・・・・ん。」




蘭がコチラに寝返る。

それを確認すると、ギシッと音を立ててその人物はベッドに手をつく。



そしてそのまま蘭の顔に影が落ちる。




「・・・・・・・っ。」





蘭とその人物の唇が重なりあったのだ。



何度も角度を変えて繰り返される行為。

酸素を奪うその行為はしだいに蘭を夢の中から現実へと引き戻していくー・・・




「ー・・・・・ん・・・・・・・んん・・・・!」




うっすらと開いた視界に映ったのはー・・・




あの少年だった。





「ー・・・・・・なっ・・・・!?」




一瞬で眠気が引き驚いて起き上がる。




「あ・・・・起きたのか。」





「なっ・・・・え・・・・?今・・・・何?」




蘭の思考はうまく働かない。

何が起きた?




「・・・・何って・・・キス。」




「っ・・・・そうじゃなくて・・・・なっなんで!?」




「・・・・なんでだと思う?」




食事をしていた時の無邪気な少年の表情はそこにはなかった。



ただ大人びた。

自信たっぷりな。


妖艶な笑みを浮かべる彼がいたのだ。






「・・・・じっくり考えろよ。」







その言葉の後、窓から差し込む月の光に照らされた彼の腕が再び蘭へと伸びてきた。










NEXT >>





:::あとがき



随分お待たせしてしまった話の続きついに解禁!?


きゃーーー!


ない!

これ・・・ないわ。


だめです。

スランプのようです。

話が無理矢理すぎる。



でもこういう展開好きなんだよなー・・・・。


3話はもう少し構成練ってきます!




2011.01.15 kako


2012.05.04 修正




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