僕が見たもの。::快青 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。




この空を飛べたのなら


この空を支配出来たのなら


この空を愛せたのなら



僕はこの空を越えて君のもとへとんでいくだろう




:::



本日、快晴。


気分上々。


中々の一日の始まりだ。



そんな中、君は憂鬱に横を歩く。



「あんだー、やる気のねぇ顔しやがって。」


「・・・・・。」



何よー!と怒った声が返ってくると数秒待ったがいくら待っても

そんなものが返ってくることはなかった。


思い通りにいかないことに腹が立ち、足を止め青子の顔の前に

わざと手をかざし大袈裟に左右に振ってみた。



「・・・・・へ?」



「やっと気付きやがったな?俺様のこと無視するなんていい度胸してるじゃねーか。」



「あっ、ごめん・・・・青子、ボーっとしてた。」



「けっ、それ以上ボーッとしてたら赤ん坊以下じゃねーか。」



「そんな言い方ないでしょー?・・・・考え事してたの!」



やっと返事が返ってくることに安堵するがそれはやっぱりいつもと比べると

少し気が抜けている。



「考え事ってなんだよ?」



「快斗みたいなお子様は考えもしないことよ。」



「あんだとー!?」



さっきまでとはまた代わって、ツンと顔を背けてきやがる。



一体なんだってんだよ、このアマは。



「おい、青子!てめー調子乗るなよ!」



そう言って俺は青子の腕を掴む。



その瞬間。




「やっ・・・やだ!」




バッ




すごい勢いで振り払われる腕。



呆然と振り払われた腕と青子に交互に視線を送る。



青子は俺の腕を振り払った方の掌を握り締めながら固まったように佇んでいた。



「・・・・おい、なんだよ、今の。」



「あっ・・・ちが・・・・ごめ・・・・・。」



「俺、何かしたのかよ?」



「そうじゃなくて・・・・あの・・・・ごめんなさい。」



「なっ・・・・おい、青子!!」



青子はそのまま逃げだすように走り出してしまった。




全くもって状況が理解できない。


俺が何かしたというのだろうか。


心当たりがなく首を傾げることしか出来ない。



追いかけようにも、理由もわからないのでどうしようもない。



多分、悪化するだけだ。


そう思った。




こんなこと、今までにあっただろうか。




子どもの頃からいつも一緒で。

まるで兄妹のように育ってきて。

家族も同然で。



そりゃ成長するにつれ男女の差があるのはもちろんの話だが、

とくにお互い離れるなんてこと考えたことはなかった。

それだけ一緒にいることが当たり前なのだから。



そうであるからこそ、こんなに相手を拒否するかのような行為は初めてであった。



ケンカをしたわけでもない。

何かしてしまったわけではない。




ただ、大きな嘘はついている。



しかし、それがバレたということはまずない。



それにそんな反応ではなかったと思う。




心なしか青子の顔は赤かった。

もしかして体調が悪いのだろうか・・・。



それなら納得がいくかもしれない。


幼い頃から我慢をしてしまう奴だったから。



俺に気付かれたくなかったのかもしれない。



それなのならば追いかけなければいけない。



体調が悪いまま学校に行かせて倒れてしまってからでは遅い。





ただ・・・・少し戸惑った君の顔は初めて見る表情で、少しだけ胸が高鳴ったのは

その時の自分にはうまく理解出来ていなかった。





単純な思考が働き、脳から「走れ」と命令が下る。





:::





「青子!!」



駅の改札付近で追いついて名前を呼ぶ。


通勤ラッシュのため人が多い。


当然同じ高校の制服を来た奴もチラチラ目につくがそんなことはどうでもよかった。



「・・・・快斗・・・・。」



人ごみを掻き分けて青子の元へ向かう。


近付く俺に合わせて、微かに後方へ後ずさる青子の動きに苛立ちが増す。


とうとうホームの一角に追いつめた。


青子は俯いてこちらを見ない。




「おい、お前・・・・体調よくないのか?」



「・・・・・え?」



俺の言葉に驚いたように顔を上げる青子と目があう。



目が微かに潤んでいた。



やっぱり顔が赤い気がする。



「・・・・顔、赤いぞ、熱あんのか?」



額に触れて熱をはかろうと手を伸ばす。


するとー・・・



「やっ!!」



教科書や参考書のつまった鞄が青子の前に飛び出した。


俺の手はその鞄に触れて、冷たい温度が伝わってきた。



「・・・・・・・いいかげんにしろよ!なんなんだ、おめーさっきから!」



「・・・ちがう!・・・あの・・・・熱なんてないよ・・・元気!青子元気だから!!」



鞄越しに不機嫌な声を届けるがやっぱり本人の顔は拝めそうにもない。


思い通りにいかないその状況に何かが音を立ててきれた気がした。




ガバッ




「じゃーなんだってんだよ!!話す時位、ちゃんと目ー見ろよ!」



無理矢理鞄をはぎ取って顔を向けさせた。



え?



思わず鞄にかけていた手を離す。






目の前にいたのは。






今には泣きそうなくらい目を潤ませて顔を赤くした青子がいた。





「・・・・・・青子?」



「・・・・っ・・・やだ・・・見ないで。」



「なんで、そんな顔してんだ・・・・?」




普段見ることのない彼女のその表情にどうしていいかわからない。



けれどまたどこかで胸のはずみを感じていた。




「・・・何でもない・・・何でもないから・・・・お願いだからこっち見ないで・・・・・?」



消えてしまいそうな声が耳に届く。




こんな弱々しい青子は初めてだった。




何がこうさせてる?




「・・・・・・・。」




互いに沈黙が続く。


見つめ合う二人。







ー・・・するとホームに自分たちが乗車する車両の到着した。




「あっ・・・・ほら・・・電車出ちゃう・・・早く乗らなきゃ。」



「あっ・・・・あぁ・・・・。」




先程まであんなに触れることを拒んでいたくせに簡単に背中触れてきて

電車に乗るよう促される。



頭が追いつかなくてされるがままになる俺。




しかし、車内はすでにすごい混雑状態であと一人が乗れるか乗れないかのスペースしかない。



「おい、乗れねーよ・・・・次のに乗ろうぜっー・・・・うわ!」



無理だと後ろから押す青子に告げたが無理矢理押し込まれた。



「何すんだっー・・・・・・え?」



押し込まれてから青子に振り返る。

しかし青子が乗るのを待つことなく扉が閉まる。



「おい、青子!?」



電車はそのまま動きだす。



青子は手を振って俺を見送る。



なんだよ、なんなんだよ、これ?



扉にはりついて青子を見続ける。



しかし次第にそれも見えなくなる。




BBBBB




ポケットに入れておいた携帯が震えたので急いで確認すると




TO 快斗


ごめんね、青子忘れ物したから

後から行くね。

また学校で。


青子



そう書かれたメールが一件。



こんな嘘が俺に通じるとでも思っているのか。



でも、今は信じるしかない・・・何故かそう思った。



「一緒にいさせてくんねーのかよ・・・・・・。」





悔しげな一言が窓から見上げた空にとんでいく。



やっぱり晴天。




青々と広がっていた。





:::




メールが送信されたのを確認すると力なく携帯を閉じた。



そのままホームに蹲る。





「・・・・・・・ごめんね・・・・ごめんね、快斗。」




膝を抱えて力をこめる。


制服に皺が寄るのがわかったけれどそんなことどうでもよくて。



とにかく今の状況から逃げ出したかった。








つい最近。



気付いてしまった。






彼が大切だということに。




それは言葉にするととてつもなく切ないもので。



今まで気付かなかったことがおかしいくらいで。




とにかく胸がはりさけそうで一杯だった。




彼に触れられてしまったら、もう心臓がもたないのだ。



今まで、あんなに簡単に触れ合っていたというのに。



あの青い瞳に見つめられると苦しくて仕方がない。




いつから?



いつからこんなに変わっていた?



気付いたら最後。



これからどうすればいいのか全くわからない。



このまま自分はこの想いを隠しとおせるのだろうか。







「・・・・・・・・・・・・好き・・・・・快斗・・・・・好き。」







自然と口から零れるその言葉。



次から次へと溢れてしまう。



今度君と目を合わせたら言ってしまいそうで怖い。






だから、今は逃げるしかない。




逃げるしかないのだ・・・。






ふと、空を見上げる。





「・・・・・いい天気・・・・・。」





雲ひとつない青々した空は美しすぎて。

自然と笑みがこぼれた。




それと同時に頬に生ぬるいものが伝った。



「くるしっ・・・・くるしいーよぉ・・・・。」


そう叫んでも・・・・




誰も返事は返してくれない。






この空を飛べたのなら


この空を支配出来たのなら


この空を愛せたのなら



私はこの空を越えて君のもとへとんでいくでしょう








彼女は知らない。



彼は知らない。






この数日後。






あの青い空を越えて互いの想いが通じ合うことを。









僕がたもの。



(あの時の彼女は最高に魅力的で、僕の全てを奪ったんだー・・・・)









:::あとがき



いやー・・・どうしたもんでしょう。



片想いの君へ贈る。

の快青バージョンみたいな?



とくに言いたいことはありません。


今の私の手が頭が勝手に動いて出来た一作です。


うまくは言えないけど、多分何か詰まっている。



・・・といいなぁって思ってます。




2010.12.30 kako 

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