花火と金魚とあなたの横顔 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。



また来年も・・・

一緒に花火見れるといいね。

本当にそう思ったんだよ。




花火あなたの横顔




蝉の鳴き声が煩いほど耳に入ってきて。
少し動いただけでも汗ばむ躰がうっとおしい。
だらーんとして冷たいモノだけをただ、ただ求めるそんな季節。
毛利探偵事務所の自宅の電話が鳴り響いた。

TRRRR

TRRRR

「はい、毛利です。」

「あっ蘭か?俺だけど・・・・。」

「新一?どうしたの?」

「・・・・あのさ、無理だったらいいんだけどさ・・・。」

「何よ?はっきりいいなさいよ。」

「だから・・・その・・・明日の花火大会は・・・もう行くヤツ決まってる・・よな?」

夏休みの中盤。
突然掛かってきた幼馴染からの電話。
それは提無津川で毎年行われる花火大会の誘いだった。


「えっ?・・・・まだ決まってないけど。」

「ホントか?」

「うん。」


その新一の問い掛けに蘭は淋しくなった。

きゅっと胸が締まる。


だって・・・あの花火大会は・・・・。


「だったらさ、一緒にいかねーか?ホラっ、他の奴誘ったんだけど、皆、他の予定とか他に行く人がいるってヤツばっかでさ。」

「・・・・・・。」

「蘭?」

「あ、うん。いいよ、一緒に行こう。」

「じゃぁ、明日6時30分頃いつもの角んとこで待ち合わせな。」

「うん、わかった、じゃあ明日。」


新一からの電話を切ってから蘭は部屋に戻ってベッドに寝転んだ。
しばらく天井と見詰め合ってから、はぁっとため息をついて。


「なんで他に誘ってるのよ・・・・・馬鹿。」



去年の花火大会も蘭は新一と一緒だった。
一昨年の花火大会も。
その前の花火大会も。
小さな頃からずっとあの花火大会だけは。


いつもいつも同じだった。

花火大会の一番最後にあがる花火を見た時に必ず、どちらかが一言。


“来年もまた一緒に行こう”


それは去年も同様で。


約束したのに。


蘭はあの約束は新一にとってそれほど重要なものではないのかと悲しくなった。

いつだって、新一と一緒の花火大会は蘭にとって特別で。

毎年果たされるあの約束が嬉しかった。


ただの幼馴染では簡単に約束を取り付ける事は難しくて。
例えその場の流れで言っていたとしても約束をする事が出来る事は蘭にとっては本当に絶好のチャンスでもあって。
でもその約束でさえ、新一にはそんなたいしたことでもないのかと思うと辛い。


ずっと前から大好きな幼馴染だったけれど。


今年の春から新一は蘭にとってまた前の大好きとは違う大切な・・・大切な人になった。


だから本当は今年の花火大会はとても楽しみだったのだ。
でも自分から連絡する勇気がなくて、約束という自信があっても中々行動に移せなくて。
自分にもどかしさを感じていた。

そして花火大会を明日に控えた今日、鳴り響いた電話に嬉しさを隠せなかったのはいうまでもない。

でもそれは新一の一言を聞いて一気に消えてしまった。


明日、自分は笑えるのか。
こんな風に思いつめたまま行ったら、新一に嫌な思いをさせてしまうのではないか。
でも蘭には花火大会に行かないという事だけは出来なかった。


翌日、蘭は今年夏休みが始まってすぐ、母の英理が買ってくれた浴衣を着ていた。


新しいモノを身に纏うと正直心が弾む。
蘭は小五郎のもとへ浴衣姿を見せに行く。
青の強い紺生地に和を思い浮かばせる美しい紅色の花が散りばめられたその浴衣はとても蘭の白い肌に引き立てられいっそうに美しく映えた。
アップされた髪も浴衣姿に絶妙に合っていて、浴衣を纏った蘭は素晴らしいものだった。


「お父さん!見て、新しい浴衣。」

「んぁ?・・・そんなモンどうしたんだ?」

「こないだお母さんが買ってくれたの。」

「・・・あーあーそりゃぁ良かったな。」

「何よその態度!!・・あっもう時間だ。じゃぁお父さん花火大会行ってくるからね。」

「またあの探偵坊主とじゃねーだろうな?」

「そうだけど。」


蘭がそう言いながら事務所のドアノブを掴むと。


「おい、蘭!アイツになんかされたらすぐ言えよ?蘭になんかしやっがたらただじゃおかねーぞ。」

「・・・なんかって何よ?」

「なんかってのは・・その・・・あれだよ・・・あの・・。」


口篭もる小五郎を見て。


「新一がそんな事する訳ないでしょ?・・・・行ってきます!!」

「ばっ!!男を甘く見るなっっておい!!蘭!!」


小五郎が呼び止めた頃には蘭はもうすでに事務所を出た後だった。


新一との約束の場へ向かう途中、他の花火大会に行くのであろう家族連れやカップルを目にした。
浴衣を着た彼女の手を取って嬉しそうにしている男の人。
その甘い雰囲気に蘭は羨ましくなった。


カランコロン。
カランコロン。


下駄の音が夏の夜を感じさせる。


約束のいつもの角まで着いて新一の後ろ姿を見つけて、名前を呼んだ。


「新一!」


声に気づいてその背中はゆっくりこちらを向いた。


「よぉ、らーーー・・・・・・・。」


新一は蘭を見るなり声を失った。


毎年の事だから予想はしていたが、蘭の浴衣姿が想像以上に可愛らしく見惚れてしまったのだ。


「新一?どうかした?」

「あっべっ別になんでも・・・・浴衣新しいの買ったのか?」

「うん、お母さんが買ってくれたんだ、似合う?」

「にっ似合ってんじゃねーの?」


蘭を凝視できなくてソッポを向いて言った一言は蘭にはあまりいいように聞こえなかったようで。


「何よ、別に無理して言わなくてもいいわよ。」


蘭は剥れて先に歩き出した。


「あっ待てよ!剥れんなよ、・・・・その・・似合ってるからさ。」


「ほ・・・んとう?」


「本当。」


「・・・ありがとう。」


そう言って少し頬を染めて嬉しそうにはにかんで笑う蘭はいつもよりもっと可愛らしくて。
実際問題新一は理性を保つのに必死だった。


男を甘く見るなの小五郎の言葉もまんざら嘘ではないようだ。


堤無津川に着くと早くも沢山の観覧者が訪れていた。
また河川敷には出店も出ていて賑やかである。


「今年はいつもより混んでるなぁ。」

「そうだね。」

「これじゃーあの場所も人多いかもな。」

「でも、あの場所はあんま人に知られてないもん、大丈夫だよ。」

「だといいな・・・どうするもう行くか?それとも少し出店見てくか?」

「うーん、出店見たい!あっ新一夕飯は?」

「まだ食ってねー。」

「じゃぁ、なんか買おうよ、私も何も食べてないから。」


蘭がそう言うと二人は並んだ出店を見ようと人ごみの中へと入っていった。


「すんげー人、蘭はぐれるなよ?」

「うっうん。」


と言っても蘭は前を歩く新一の背中を追うので精一杯だった。
おまけに慣れない下駄と浴衣で思うように歩けない。

その時。





ドーーーン!!!





一発目の花火が上がった。


音に驚いて立ち止まって暗くなった空を見上げると。
花火大会の最初を彩る見事な花火がキラキラと花咲いていた。
それがゆっくりと微かに散っていくのを見届けてから。


「綺麗だね、新一。」


いくら待っても返事は返ってこない。


視線を下ろして前を見る・・・・・が。


新一の姿はそこにはなかった。





「嘘!?」





二人は逸れてしまった。


辺りを見回しても新一の姿は目に入ってこない。


蘭はどうしていいのかわからず、取りあえず人ごみを避けて出店の脇に出た。


どうしよう。
私、携帯もってないし。
新一どこに行っちゃったんだろう。
新一・・・・。


新一・・・・。


ふと脇にある出店に目をやった。
そこは金魚すくい。
蘭はそれを見て3年前の事を思い出した。


3年前の花火大会ー・・・・

3年前のこの日も蘭は新一とここへ足を運んでいた。
蘭はあの頃からちょっとだけ新一を“男の人”として意識するようになっていた。
小学生の時から中学に上がる頃はやっぱり“恋愛”とか“異性”とかそういうのを意識しやすくなっていて。
蘭も新一を好きだという事に微かに気づき出していた。
そんな中行った花火大会。
どこかお互いギクシャクしていた印象が蘇る。

「わー綺麗、ねっ新一。」

「まーな・・・。」

「・・・・そっけない。・・・あっ金魚すくい、ちょっと見ていい?」

蘭はそのまま一人で金魚すくいの前まで行って金魚を眺めていた。
お店の人にやるかい?と言われても頭を横に振って、家じゃ飼えないから・・と言ってただ、黙って見ていた。

しかしその時すでに、新一はいなくなっていた。
蘭はそれに一向に気づかない。
たくさんの金魚が狭い水槽の中で泳ぎ回る。
何故かその時の蘭はそれから目が離せなかった。
でもはっとして後ろを振り向いて新一の姿を目に入れようとした時にはすでに遅し。

「新一?・・・しんっ・・・・。」

いくら目で周りを探しても新一はいない。
蘭はこの時もどうしていいかわからずその場に座ったまま泣き出してしまった。

「新一っ・・しん・・いちぃ。」

新一と二人で花火を見ていた時は花火の大きい音なんか気にならなかったのに・・・。
一人になった途端、花火の音がやけに耳に響いて。
それがなんだか怖くなって。
ついには周りの人達の会話さえも・・・・・どんどんその音は大きさを増していく。

「しんっ・・・しんいち。」





「蘭!?」





「えっ?」

急に名前を呼ばれ蘭ははっとして顔を上げる。
そこには探していたあの人。

「どうしたんだよ?」

「しっ新一・・・どこにいたのよぉーー?」

「あん?そこの店で飲みモノ買ってたんだよ。ホラおまえのも。」

新一は隣の店を指差し蘭に買ったジュースを渡した。

「えっとな・・・隣!?」

「何泣いてんだよ?」

「なっなんでもないわよっ!!」

蘭は隣にいたのにいなくなってしまったのだと勝手に勘違いしした事に恥ずかしさが隠し切れず赤くなった顔をジュースの缶で冷やした。
その時ちょっとだけ蘭は、

自分にはこの人がいないとだめだということが頭を過っていた気がしていた。

ずっと、一緒にいたい・・いて欲しい。
また一緒に花火が見たい。


そしてまた3年経った今、はぐれてしまった私達。


また金魚すくいの前に座って。

「お姉ちゃんやるのかい?」

「やりたいんですけど・・・家じゃ・・・・飼えないから。」


蘭はだんだん視界がぼやけてきた事に気づいた。

水槽の中の金魚。
すくわれる事を望んでいるヤツなんか一匹もいない。
悠々と泳いでるわけじゃない、本当は逃げ回ってるだけ。
きっとあの時の蘭はこの光景が悲しくて。
目が離せなかったのだろう。
この中には恋人同士の金魚がいるのかもしれない。

もし、片方がすくわれてしまったら、どうするんだろう。
金魚だって生き物で。
自由に行きたいはず。
それなのに人間の娯楽に使われてしまうなんて。
もし人間がそのように扱われたら一体どう思う?

残酷すぎる。
可哀想。
一緒にいさせてあげて。
ずっと一緒にいさせてあげてよ。



あの時の蘭もそんな事を考えていたのだろうか。



金魚の水槽の中の水に夜空に浮かぶ花火が映し出されていた。




「彼女~一人?どうしたの?」


「え?」


蘭が金魚すくいの前で俯いていると、大学生位の数人の男達が蘭に声をかけてきた。


「良かったら一緒に回ろうよ。」

「連れがいるんで。」

「えー?だって置いてっちゃったんでしょ?そんな奴ほっといてさぁ、絶対楽しいって。」


男が蘭の腕を掴もうとした時。


ガシッ


「へ?」


男とは違う人物の腕が後ろから蘭の腕を引っ張った。


「・・・・え、あ・・・・新一。」


振り向いた先にいたのはいかにも目つきの悪い新一。
新一は蘭の腕を引いて自分の後ろにした。


「は?お前何?」

「コイツの連れです、悪いけど他当たって貰えます?」

「なっなんだよ、男付きかよ。」


新一の目つきに怯んだのか男達はそう言い残してその場を去っていった。


「たくっ・・油断のすきもねぇ。」


ぶつぶつと言っている新一に蘭が話し掛ける。


「・・・どこ、行ってたのよぉ。」

「オメェが勝手にはぐれたんだろ?相変わらずトロイよな。」

「なっ!?何よその言い方、大体新一がどんどん進んじゃうからいけないのよ!!」

「助けて貰っといてんな事いえんのか?」

「別に助けてなんて言ってないじゃない。」

「ーーーーーーーー・・・っ!!」


何故二人はこうなってしまうのか。
周りの人達も何事だと二人に視線を寄せる。
花火の大きな音が何度も何度も耳に入ってくる。
そして続く沈黙。




「・・・・・・置いてったのは悪かったよ、でもそれなりに心配したんだぜ?」


新一が急に声のトーンを下げて告げた一言に蘭は気まずさを覚えた。


「ごめん、私も言い過ぎた。・・・助けてくれてありがとう。」

「ん・・・・。」


そのまま新一は蘭の腕を引いたまま歩き出した。


「新一・・・!」

「ん?」

「腕・・・・。」

「あっ悪い。」


そう言って新一が蘭の腕から自分の手を離そうとした時。


「ちっ違うの、そうじゃなくて・・・えと、このままじゃ歩きづらいなって・・でも放したらまたはぐれちゃうかもしれないでしょう?だから・・・その。」


新一は何も言わずただ蘭から語られる一言をよく聞いた。


「横で・・・・手を繋いで歩いてもいい?」


ドーン。


また一段に大きな花火が二人の上に花を咲かせた。


蘭がそう言うと新一は黙ったまま蘭の手と自分の手を握らせた。


「・・・そろそろ、あの場所行くか?」

「うん。」


二人の言うあの場所というのは。

小さな頃二人で発見した花火を見るに絶好の場所。
人にあまり知られていないようで、静かに絶景を楽しめる穴場だ。


そこに着くと、やはり人は全くいなく静かであった。

しんとした場所に花火の音がなんともいえなく響き渡る。


「やっぱりここから見る花火が一番綺麗だね。」

「そうだな。」


そのまま二人は手を繋いだまま黙って花火を眺めていた。
途中ちらっと蘭が新一の横顔を盗み見た。
毎年必ず行われるその行動。


また、少し新一が男の子っぽくなった。
また、少し蘭の知らない新一がいる。
でも、不覚にもその横顔が毎年毎年かっこよくて。


蘭はいつも花火よりも見惚れてしまっていた。

そして、また来年もこの横顔を見れたらな・・・新しい新一を見れたらな・・と思うのだ。


「・・・・あれ?」

「あっ!?やっぱり!!」


二人の背後から数人の会話が聞こえてきて、二人はそっと振り向いた。
そして新一はその人物達を確認するなりゲッと顔を顰める。


「工藤!!お前毛利との約束があったから俺たちの誘い断ったんだな?」

「なんて冷たい男だ・・・・自分だけ幸せ一杯・・・。」

「ていうか毛利浴衣似合いすぎる!!おまえこの後襲う気だろ!?」

「きゃー工藤君たら最低!!」


そこにいたのは新一と蘭のクラスメイトの男子達。
そのクラスメイトの言葉を聞いて蘭は疑問を持つ。


「えっ?坂本君達は他に予定とか行く人がいるから新一の誘いを断ったんじゃないの?」

「は?とんでもない!!コイツは俺たちの誘いを冷たく断りました!!」

「先約があるって言ってました!!」

「おいおいおい・・・工藤君~これはどういう事かなぁ?」

「・・・・・・・。」


新一の肩に腕をかける坂本。
新一は知らないフリをしているようだ。


「・・・・ていうかさぁ、お前ら俺達の前でも手、放さないって・・・いつのまに二人の関係は進んでたんだ?」


その坂本の台詞を聞くなり顔を一気に赤くさせ、勢いよく手を放す二人。


「ちがっ違うのこれ・・これはね?」

「そうだよ、ただ、蘭がはぐれないようにだな・・。」

「工藤・・・・俺達にはそんな口実不要だぜ。」

「大丈夫!!二人の関係を今更ばらそうなんて奴いやしねーよっ!てかすでにおまえら公認の仲だもんなーーーー。」

「なーーーーーvv」


口を揃えて言うクラスメイト達に新一と蘭はこの場から逃げだす事しか思い浮かばなかった。


「あっ逃げた!!」

「追え、追えーーーーー!!このカメラに決定的瞬間を収めるんだーー。」

「獲物は近くにいるはず!皆相手は何しろ日本警察の救世主・・・一筋縄じゃいかないぜっ。」

「おーーーーーーー!!!」


意味のわからない盛り上がりを見せたクラスメイト達は騒ぐだけ騒いで出店の方へと去って行った。


垣根の影に身を潜めていた新一と蘭はそっと顔を出し、その場に彼らがいない事を確かめると立ち上がって一息ついた。


「たく・・・よりによってアイツラと会うとは・・・・。」


また新一がブツブツと言い始める。


「ねっ?先約って・・・私の事?」

「・・・・・・。」


先ほどの坂本達との会話のやり取りで浮かんだ疑問の答えを求める。

それが気になってしょうがないのだ。


「・・・・そうだよ、悪いか!?だって、去年もお前言ってたじゃねーか。」

「うん?」

「・・・・っまた来年も行こうねって・・・約束破ったーとか後で言われたら厄介だからな。」


顔を赤くして言い訳のように必死に言う新一が可愛くて蘭は思わず笑ってしまった。

でも、新一が約束を覚えてくれていた事が嬉しくて。


嬉しくて。
嬉しくて。



ヒュウーーーーーー・・・・



「ねぇ、新一?」

「なっ何だよ。」





「また来年も一緒に花火見れるといいね。」





ドン、ドン、ドォン!!!





何発もの色とりどりの花火が夜空に咲いては消えた。


「・・・・そうだな。」


しばらくして夜空に光が灯されなくなり、花火大会の終了を伝えた。

なんとなくしんとした夜空は切ない。


出店の方に戻ると溢れ返っていた人ごみはポツンと残すだけで、出店は少しずつ片付けを始めていた。


カランコロン。
カランコロン。


カラン・・・・・。


新一の耳に可愛らしく届いていたその音は急に止まってしまった。
何事だ?と新一が隣を見ると。


蘭は金魚すくいの店の前で立ち止まっていた。


「やりたいのか?」


新一がそう言うと蘭はゆっくり首を振った。


「家じゃ飼えないし・・・、それに邪魔したくないもの。」

「邪魔って、なんの?」





「ねぇ、新一は将来あの金魚すくいの水槽まるごと買い取れる?」


「・・・水槽まる・・・ごと・・・・・・・はぁ?」




また来年も。



夜空に輝く花火と。


どうか心は穏やかに泳ぐ金魚たち。



そしてあなたの横顔をー・・・・・・・




Fin



:::後書き


なつかしーーー!!

2005年夏の暑中お見舞い小説でした。
暑中お見舞いって・・・・

季節はずれすぎるーーーー!!

まぁ、再録だからいいっすよね。



最後の蘭ちゃんの台詞の意味はー・・・

ご想像にお任せします!


しかし・・・また出てるぜ坂本のやつ。

ちょっと出すぎじゃね?



2005.08.03 作品


2010.11.04 kako



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