ディフェンド・ユー。 Lesson1 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。

<>ディフェンド・ー。 <>lesson1




「あっ毛利先輩だ!」
「今日も綺麗ー。」
「本当、かっこいいよね。」

帝丹高校のグラウンドを歩く私。
また、こそこそ誰か話してる。
うんざりする。
こんな自分なんかに憧れを抱かれることが嫌でしょうがない。
他人に興味を示す暇があるなら自分を磨けばいい。

それに私は羨ましがられるような女じゃない。

・・・別にどうでもいいけれど。


いい子ってどんな子の事?

頭のいい子?
校則をきちんと守る子?
言葉遣いの綺麗な子?
優しい子?
綺麗な子?
思いやりのある子?


どんなに最高級の優等生だとしても。
必要とされてなければ。
嫌われてしまえば・・・・。



きっと、いい子なんて意味ないんだよ。




だってみんな敵だから。




今日は天気が良くて、春の陽気が優しくて気分が良かった。




けれど昇降口に近づいた時アイツがいるのに気づいた。

最低。
朝から会うなんて。

目が合う。
一瞬で逸らす。


「おい、毛利。スカート短かすぎ。」
「・・・・普通ですけど。」

何事もなかったかのようにソイツの前を通り抜けようとしたけど腕を捕まれた。

「ちょっと、セクハラっ!」
「お前なぁーー。とにかく今日は制服指導日だからキチンとしてもらわないと困るんだよ!」
「スカート短いからってなんの迷惑もかけてないじゃない。ほっといて。」

無理矢理捕まれた腕を振り払ってその場から逃げ出した。

苦手なんだ。
あの人は。

何でも見透かしたような顔して。

誰にでも優しくて。
何でもできる。
容姿もかっこよくて、生徒からも人気で。
みんなから好かれてて。
きっと幸せに包まれてる。

そんな奴。

だから・・・・・嫌い。





なんか一気に気分悪くなった。
授業めんどくさい。


サボろう。


蘭は教室とは逆の方向へ向った。






3年B組ー・・・


「毛利。」

「・・・・・・・もうりーーーー?」


出席を取っていると返答のないその名前。
おいおい。
さっき会ったばっかだろう。
得意のさぼりかよ。

「吉原・・・・・」

諦めて、次の生徒を呼ぶ。

3年B組、毛利蘭。
制服はキチンと着ない、授業はさぼる、欠席・遅刻の常習犯。
けれども成績は学年一位。
全国模試も上位。
そのため問題児としてもそこまで邪険に扱えないその存在に学校は頭を悩ませている。

数年前はとても大人しく真面目な優等生だったらしい。
それがある日を境に変わってしまったと聞く。

原因は未だに分かっていないらしい。

周りの先生は彼女自身が誰にも関わりを求めないのだからコチラから関わる必要はないと言うが、
本当にそうなのだろうか。

俺がこの学校に就いてから数日経った頃に見てしまった。






半年前ー・・・・

誰もいないはずの放課後の教室で一人机に突っ伏していた少女。
その少女は肩を震わせていた。

泣いている?

あの席は確か・・・・



「・・・・もう・・り・・・さん?」


静かに声をかけると少女はばっと顔を上げた。
その少女が毛利であることを確認する。
毛利の頬には大粒の涙が零れ落ちていた。

「どうした・・・・・・・うわっ!!」

声をかけようと近づこうとした瞬間、毛利は鞄を持ちすごい勢いで教室から出て行った。



それから毛利は俺から避けるようになった。
俺も無理に毛利にあの日のことを問うことはしなかったがあの日から彼女のことが気になってしょうがない。

あの涙の理由は何だったのか。



きっと、何か抱えていることは一目瞭然だった。
けれど、必死に素行を悪くして周りを敵にしようとする彼女の真意が気になる。
何か原因があるのならば、俺が担任として彼女にしてやれることは何がある?




さて。
探しにいくか。


HRを終え教室を後にして習慣になりつつある“毛利探し"。


といっても彼女がサボるときに隠れる場所はいつも決まってる。
そしてそれが俺にバレても変わることがないことにどこか安心した。
心から信用されてないわけではないようだ。
だから、尚更ほっとこうとは思えない。






ギィー・・・・


そっと屋上のドアを開く。


ドアを開いたすぐ目の前に長い髪をなびかせた彼女の後姿があった。


バタン


とドアを閉める。


「・・・・まだ戻らない。」

毛利は俺の存在に気づいているのか前を見たままそう告げた。

「好きにしろ。」


毛利の隣に行き、一緒に空を見上げた。


「先生・・・いい加減私のことなんてほっとけばいいのに。」
「・・・・・・・。」
「そろそろうんざりしてるでしょ?」
「・・・・・・・。」
「時間の無駄、私の相手にしてる間に他の生徒の進路のこと考えてあげたら。」
「・・・・・・・。」
「・・・・ちょっと、聞いてる?」


あぁ、いい天気だ。


「なぁ、毛利ー・・・お前って優しいなぁ。」
「・・・・・はぁ?」

毛利は予想外の返答が返ってきたことに驚いている。
まじまじと毛利の顔を見る。
コイツ可愛い顔してるよなー。

ってそういうことじゃない。

「だってさ、他の奴の進路考えてやれとか・・・・すげー思いやり溢れる一言だよな、先生は感動だよ。」
「・・・・殴るよ?」

毛利の冷たい一言ももう慣れたものだ。
そういえば空手の有段者って聞いたかも。

少し危険かもしれない。





チャイムが鳴り出し一時間目の始まりを告げる。

「おっ、時間だ。よし、行くか。・・・毛利も一人が嫌なら俺が一緒に教室まで行ってやろうか?」

少しからかってやろうと思って言ったら。


「ばっ馬鹿!そんなのいらない!」

顔を赤くして屋上から出て行った。
まさかこんな一言に照れるとは思わなかった。
その後教室を覗くと毛利が珍しく授業を受けていた。
俺の視線に気づいた毛利は慌てて視線をそらした。
その仕草に思わず笑ってしまった。


根はいい子のままだから、無理して悪ぶっても隠しきれていない。
そんな彼女は俺にとって可愛らしいものだった。
いつか、見たことのない笑顔を自分にも向けてくれるだろうか。



もっと彼女について知りたい。
そう思ったらあることを思いついた。


ーーー昼食の時間。


また屋上に向う。
片手には今日の昼食の入ったビニール袋。


「お、いたいた!」

弁当を膝の上に置き空を見上げてる毛利がいた。
ちなみに他に屋上には誰もいない。
屋上は基本立ち入り禁止となっているが毛利は合鍵を作ってしまったらしい。
またそのことを知ってるのは俺だけだ。


「よ!」
「・・・・なんでくるの?」
「一緒に昼飯くおーと思って。」
「迷惑、離れて。」
「冷たいな、おい。」

俺は渋々毛利から少し離れた所に腰を下ろした。

「・・・・・毛利。もしかしてその弁当ってお前の手作り?」
「・・・・・・だったら何。」
「すげー!!お前料理も出来るんだな。」
「別にすごくない。」
「いやすげー!うまそー!」

気づけばまた毛利の隣にまで寄っていた。
見事なその弁当に釘付けになっていたら毛利はその弁当を俺の前に動かした。

「へ?」
「あげる。お腹すいてないから。」
「まじで!?」
「そのかわり責任もってまずくても全部食べてよね。」
「残すわけねーって!久しぶりの手料理だ。ラッキー。」

一番気になっていた卵焼を口に入れる。

「うめー!」
「・・・・・・本当?」
「本当!すげぇーうまい。」
「良かった。」

次の瞬間、毛利は初めて笑った。

驚いた。

すっげぇ無邪気で・・・こんな顔して笑うんだって感激した。

素直に嬉しかった。

「お前さー絶対笑ってる方が可愛いよ。」
「・・・・・・・・・。」

俺のその一言に毛利は頬を染めた。

「先生さ・・・・モテるでしょ。」

「あん?なんだよ、急に。」

「別に?ただ女慣れっていうか女の扱いうまそうだからさ。」

「そーかー?そんなつもりないけど。」


意外な毛利の発言に驚く。

てか、俺って毛利からそんな風に思われてるのか・・・。


なんか複雑だ。


そんなことを考えながら次は何を食べようと弁当のおかずを眺めていると・・・


「先生って一人暮らし?」
「ん?・・・そーだけど。」
「家事は得意?」
「いや、なさけねーけど全く。」
「ふーん。」

なんだ?

「彼女は?」
「はっ?・・・・・いねーけど。」

毛利どうしたんだ。
こんなこと聞いてくるなんて毛利らしくない。

「先生。」
「?」

「先生なんかにこんなこと頼みたくないけど・・・・・」
「先生なんかって何だよ!俺はお前の担任なんだから・・・もっと頼れよ。」


いつもと違う毛利の様子に疑問を持ちながら毛利の口から出る“頼みごと”ってやつを待つ。










「先生のとこに居候させてくれない?」





「・・・・・・・・・・・・は?」




いやいやいや。
どうした毛利。
だって、お前俺のこと苦手にしてただろ?
てか生徒を居候って教師としてどうなの?
しかも女生徒・・・・え?


「もちろんただでとは言わない!毎日、お弁当作る!他の家事全般もあたしが受け持つ。ね?悪い条件じゃないでしょ?・・・・お願い、頼っていいんでしょ?」
「いや・・・それは・・・お前自分が何言ってるかわかってるのか?」
「わかってるよ。」

初めて毛利の笑った顔が見れて。
初めて俺のこと頼ってくれてる。
けれど・・・・まさかこんな。






「・・・・・・・家に帰りたくない。」




「・・・・毛利?」



毛利に目線を向けると毛利の瞳からはあの時と同じ大粒の涙が零れていた。
何かに怯えたようで。





「先生・・・・お願い。」







自分達の立場はわかってる。
数分前までの俺ならきっと頷いてなかった。
けれど、あの時と同じ彼女の泣き顔を見てしまったら。

一人の人間として。
男として。
彼女を受け止めてやりたくなった。



「・・・・分かった。」







毛利。

やっぱり、お前には笑った顔のほうが似合ってると思うんだ。


だから。

俺はお前のために禁忌をおかしてやる。
そう決めた。










NEXT>>


:::後書き


何やらパラレル率高いですねー。

スミマセン、こんなんばっかで。

こちら3年B組新一先生掲載作品です。

こちらも更新停滞していました・・・・;

どんだけいいかげんなんだkako↓

蘭ちゃんのイメージぶち壊しています。
なんかそこまで蘭ちゃんに恋愛感情は持ってない新一先生を書いてみたくなってこんな展開になっていました。

久しぶりに読み直してみたけど・・・・やっぱり無理のあるお話ですね。
でも今一番創作意欲わいてます!!


生徒×先生っていうのkakoのツボみたいです。笑

楽しんで書いていこうと思います!!
2008.04.21 作品


2010.06.14 kako



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