人は何に感動するのか? | ギター奏法における主観的観測、、ともろもろ!

ギター奏法における主観的観測、、ともろもろ!

数年、ギタリストとして、講師として感じた事や経験に基づく、ごく主観的なギター奏法についての考えや
ギターにまつわるいろんな事についてのブログです。
たまにはギターには関係ない事も...。

音質、歌い方、その次にメロディ、コード、リズム。

私が思う「人の心が音楽によって動かされる要素」の順、です。

例えば同じ歌をある人が歌うとすごく感動するのにある人が歌うと何も思わない。
別に音痴とかそういうことではなく。
これはざらにある話です。
だとすれば何が違うか?

「声」と「歌い方」でしょう。

おそらく人の心を揺さぶる事のできる人は他の歌を歌ってもなんらかの揺さぶりをするのではないか?と思います。

歌い方、の中に実はその人のリズムや音のスピードも入ると思います。

で、これらをあまり考えずに音楽をやるのは無意味とまではいきませんが、そこを最も大切なものとして追求していくことが大事なのだと思います。

ギターでいうならば、何を弾くか?ではなく「どう弾くか?」と「音質」です。
バコ・デ・ルシアのギターにどうしてこんなに心を揺さぶられるのか?
彼がフラメンコをやっているから、ではないと思います。
あの音とあの音の鋭さなどに私は激しく心を揺さぶられる。

思うにジャズやってる人ってそれ以外の事をつい追いかけてしまうように思います。
音質の前にフレーズだったり。
ビブラートもあまりかけないし。
まあ、それがジャズといってしまえばそれまで、ですが。

これはジャズばかりでなく。
速さだけを追いかける速弾きメタルの人。
これが悪いとは思わない。
私もギター弾きとして速弾きは大好きですし、追求したい気持ちもわかる。

でも...。

それ以外にあまり私はそそられない。

世界一速く弾ける人間は世界一人を感動させるギター弾きと同じではない、と思う。
同じであったとしたら素晴らしいことです。
でもおそらく同じである確率は低い。
速く弾く場合、音質は粒立ち以外にはあまり意味を持たないと思うからです。
音の粒立ち、で人は感動しません。
良い音だなあ、とは思うと思いますが。

だからといって泣きのチョーキング?
これも私には泣ける要素ではありません。

演歌を聴いてだいぶジーンとする歳になりました。
でも演歌のあのコブシにはあまり感動しない。
演歌はやはり歌詞と歌い方、だと思います。
舟歌聴いて八代亜紀さん、良いなあと思うのはやはり歌詞とあの人の歌い回しです。
歌い回し、にコブシは含まれるかもしれませんがそれが歌い方のすべてではない。
ちょっとした音の切り方や音のスピード、微妙な音程加減。

これってギターでも同じだと思いませんか?

ロベン・フォードのギターにどうして心揺さぶられるのか?
彼のトーンと歌い回し、が全てだと思う。

そう考えるとなぜジョン・スコフィールドのギターに感動するか?わかるような気がします。
あの音と歌い回し、です。
歌い回しの中にはリズムも入りますね。
あの独特の後乗りフレーズはたまりません。

そう考えるとブルースの大御所と言われる人達はやはり凄い!
B.Bやフレディ・キング、T・ボーン、レイ・ヴォーン。
そう考えるとまだジョン・メイヤーは甘ちゃんかな。

ジェフ・ベックは音質と歌い回しだけでやってるような人、です。
ぞくぞくします。
ジミヘンも同じ。
あのLittle wingのイントロだけで鳥肌ものです。

歪み過ぎだとあまり感動しない気がするのは私だけ?
クリーンが良い、ということではないけどクランチくらいまででしょうか?
あの微妙な歪み加減はピッキングによるところが大きく、それに激しく萌えます。
歪み過ぎると強さしか伝わらない。
強いだけで良いならずっとフォルテで良いってことです。
そんなのは音楽じゃない。
フォルテで行ってストン落とす、そこに人は感動する。
音の強弱、も大事な要素ですね。

ここに書いたのは音程がずれていて良い、とかリズムが悪くて良いということではありません。
ある程度の加減はありますがそういう最低限度のことはクリアした上、の話です。

まずは練習あるのみ、ですがそれだけじゃダメ、ということだと思います。