皆様このお話ではお久しぶりでございます。
と、あらゆるお話にてお久しぶりを顕にしているやもと思うワタクシですが………
冬到来、ですかねぇ未だ暖かな陽射しを感じるものの風は確かな寒さを告げる。
こんな季節の夜闇は深くとても美しいモノ……
星がその輝きを鮮明に空へと印す、そんな季節でございます。
と、戯言はここまでにして。
さてはてストップさせていたこのお話。完結も近そうな気が私はしておりますが……え?もう完結かって?いやぁそこはホラ!この二人だから流れが激流だろうとそれは仕方ないない知らないないっ(待て
それでは参りましょうっ!現実世界じゃぎゅ様がソロでも動き出したね勿論っこのお話はリンクしてるよ兄さん居るのはそれまたココじゃあ御愛嬌っ(オイ)
この二人の行く末ちこっと気になるわぁだってまだまだえっちぃ場面もナイじゃない!?なーんて言って下さる仔犬と強気兄さんのアラン場面もそろそろ見たい!!言ってくださる寒さで暖を求める方はどぞっ!!
俺はあの時何を言って……アイツはどう、答えたんだろう?
酔いの回る身体を持て余したまま。
ただボンヤリと、窓から見える月をイェソンは見つめていた。
【好きの方程式20】
ソロでの活動が決まり、キュヒョンは忙しい毎日を送っている。それは仕方のない事で……そんな彼の活躍を、当然自分も応援している。
だがその分互いを感じる時間は減っていく訳で……
一人眠れぬ夜を過ごすイェソンは、彼の秘蔵のワインへと無断で手を出した。それは遥か昔へと置き去りのまま忘却された記憶へと、想いを馳せる為……
『僕ね?一人の活動が、増えると思うんです。』
そんな風に囁かれて。
柔らかいキスを受けたのは、確か一週間前の事。
それは本当に突然で。だけれど必然的な事だったのだろう確かに彼の歌声は世界を魅了するに値するモノ。
だから自分は、それに無理だけはするなよと。ただそれだけを告げて、その温かい唇を静かに受け止めた。その時思い出した記憶が、今も胸へと深く巣食う。失いたくはナイと……世界を魅了するあの声を、このまま潰えさせたくナイのだと。
あの時、あの失われた筈の……あの空へと願った………
(……………空………?)
不意に浮かんだ言葉に、イェソンは仄かな疑問を感じた。自分は今、何を思い出した?そのビジョンは前に見た二度の霧がかった映像と同じモノ。一度目は酷く酔い、相手へと無闇にキスを求めた時……
そして二度目は………一週間前の、あの柔らかなキスを受けた時………
この記憶は………もしかすると………
思い出しそうで霧がかったままの頭に苛立って、アルコールの回った身体をソファへとユルリ横たえさせる。
消えてしまっていた筈のその記憶を、拾う為に………
深く落ち入る意識と共に、その記憶を辿るべく。イェソンは瞳を静かに閉じていった…………
『何処に行くんです?』
訝しげに聞いてくる相手へと、軽く笑って応える自分。その姿は少し……ではナイだろう。
かなり酒を身体へと流し込んだ、陽気な自分の姿が映し出される。
これは………夢か………?
第三者的に見つめるその先には、ユッタリと足を進めながら。ユラユラと揺れる自分の背が映り込む。
『僕、まだ外出禁止中なんですけど。』
ムスリ言い募る相手には目もくれないまま。
自分は鼻歌を歌うのだ………その時間がまるで……とても大切なモノなのだと告げるように……
『ほら着いた………これ位の散歩なら、怒られないだろ?』
やっと足を止めて振り返った自分はとても嬉しそうな顔をしていて。
そんな笑顔を、もしかすると自分は初めて見たかもしれない。
どんな場面で見せる笑顔よりも……
バカみたいに嬉しそうに微笑む、自分。
『ここの空、他とは違う形をしてるだろ?』
『………そうですか?僕には宿舎の窓から見る空と、全く変わらな』
『違うだろ?この空たち………』
よく見てみろと。そんな風に言う自分はまるで子供の様だった。酔った人間とはこう意味不明な行動をよく起こす。だから仕方のない事だろうと、キュヒョンも早々諦めたらしい。
『そうですね………とても空が広くて、綺麗だ。』
『だろ?だから此処は俺の、大切な場所。』
気に入っただろ?
そんな風に振り向いた自分は、やっぱり満面の笑みを浮かべていて。
『俺はこの空たちに、礼をしなきゃならない。』
『………………は?』
小さく首を傾げて見せて。
そう言った自分にキュヒョンは、訝しげな目線を向けている。だけれどそれすら意に返さないのだ、この時の自分は………
それは恐らく、それだけ嬉しい事があったと…………
そんな心からの、想いのせい。
『俺はこの空と星達に、願いを込めた。』
「…………ん…………………ヒョン…………?」
『もしお前の瞳を、開いてくれるなら……』
「起きて下さい…………ヒョン……」
『お前のあの声を、またもう一度聞けるなら………』
「ヒョン………風邪、引きます。」
『俺はもう何も、要らないから……愛してるから……』
だから………
「起きないと、キスしちゃいま」
「『だから俺のココに………返して欲しい………』」
「……………………え……」
夢と現実の区別なんて、つかない。
それは意味の判らない熱に浮かされた、戯言に近い言葉だったのかもしれない………
だけれどあの時。
「ヒョン………?」
あの時。確かにあの空へと、願ったのだ彼の存在を。
「……………お前が居なくなるなんて……許さない…」
そうだあの空へと切に願い、叶ったならば……
自分はもう、他に何も要らないと。
「愛してるから…………お前が戻って、来れるなら…………」
俺は…………この声すらも、失くしたって………構わないから。
「『だから……………だから、返してくれ………』」
「……………思い出したんですね………あの時の、【あの言葉達】を………」
酔って虚ろな瞳には、切なげに揺れる瞳が映し出される。
自分の声を失ったって構わない………
それ位の代償でこの存在が。
この大切な存在が、この場所へと戻ってこれるならば。自分は喜んで、それを差し出すから。
「『だからソレを叶えてくれたこの空達に……星達に……………伝えたかった。』」
「…………『何を、ですか………?』」
それは忘れ去られた筈の、消された記憶。
その記憶が今、鮮明に………思い出される………
「『この空が……星達が俺の想いを叶えてくれたから………もう俺は……他に何も……………要らない。』」
「……………」
いつの間にか自分を見つめていた静かな瞳が先を促す様に揺らめく。動かない唇を、言葉を紡げと緩やかに撫でていく。
酒へと身を投じたのは、予感があったから。
あの時の自分を拾えるその力を、与えてくれると思ったから。そしてそれを拾う時期が来たのだと………
そう、感じたから。
「『お前と一緒に此処で、伝えたかったんだ………』」
「『何を………ですか………?』」
「『空に、ありがとう………って……』」
「……………」
俺の願いを叶えてくれたこの夜空に。
「『此処でお前に、おかえり………って。』」
灯りの点いていない薄闇の中。
思い出された過去の記憶と、今の想い………
その全てを、今目の前にいる人物へとただ一言。
「『おかえり………俺の大切な、キュヒョナ………』」
そう言って。夢から覚めた現実で、目の前の相手へと焦点を合わせる。
視界が霞み始めたのはきっと、過去の自分の想いが痛かったから。その言葉によって、目前のこの相手の心を拘束してしまった事への……痛みから。
なのにそれでもその言葉で……思い出したアノ言葉で、この目の前の相手があの時と同じ様に瞳いっぱいに水分を溜め込んで………笑顔をそっと向けてくれたから……
その首筋へと腕を伸ばせば、想いを読み取った様に近寄るその身体………
「『ただいま…………ジョンウニヒョン……』」
あの時あの瞬間に。
響いたあの震える声と同じ響きへと。
イェソンはあの日心からの笑みを乗せて告げた言葉を今は一筋の涙へと変えて。
「『もう何処にも、行くな………』」
静かに静かに熱を帯びた唇を、深い想いと共に近付けた。
※久し振りなのにいつの間にやら進んでおりますこの二人っ(ボヤボヤしてられないww
やー……兄さんやっと!!思い出した模様でございます過去の自分とご対面!
といった所でしょうか?
しかしまさか泥酔状態での言葉だったとはねぇ……
人は酔うと本音がポロポロ見え隠れ……(は?
さてはて。次は………やっと甘い時間がこの二人へも、訪れるやも………?
続きます。