グリーンゾーン
相変わらず余震が続いて落ち着かない毎日です。これでは心も身体も元気になりませんよね。でも、こんな時だからこそ、自らを律する強い精神と他人を思い遣る優しい心を併せ持っていなければならないと思います。
今朝の原発事故レベルの上方修正の報道で、海外から日本への渡航自粛や在日外国人の脱出に拍車が掛かることは間違いないでしょう。
その番組のコメンテーターが、「海外の過熱報道ではないか」と恨めしそうに言いましたが、考えてみれば、外国人が警戒するのは当然のことです。
むしろ、今回の震災に対して海外から寄せられた多くの支援に対して心から感謝し、その上で、日本を去っていく外国人に「落ち着いたらまた来てください」と送り出してあげるのが日本人の礼節ではないでしょうか。
昨日プロ野球が開幕しました。甲子園も地方球場も、どこもみな白熱したいい試合でした。間もなく東京ディズニーリゾートも開園するそうです。海外の報道を論ずる前に、国内の風評被害を何とか食い止めることが先決です。
都内にある福島や宮城のアンテナショップを訪れるのもよし、ネットで東北の野菜を取り寄せるのも協力の一つです。今日は都内のあちこちで、東北や北関東の野菜市が開かれ、多くの人で賑わったそうです。
それにしても、国の報道は相変わらずばらばらで収拾が付きません。いっそのこと池上彰氏に政府のスポークスマンをやっていただければ、国民はずっと安心するのではないでしょうか。とにかく、放射能の危険度と緊急性が正確に国民に伝わっていません。
例えば、一般人が1年間に浴びてよいのは1ミリシーベルトまでとされています。
一方、人間の発がん率に若干の影響を与えるとされる上限値は100ミリシーベルトであり、妊婦や乳幼児ならその半量の50ミリシーベルトまでなら安全とされています。
つまりこの1~50ミリシーベルトが放射能被曝のグリーンゾーン(安全域)なのですが、どうも国民には伝わってないようです。
先日大問題になった野菜や水の○○ベクレルも、上記のグリーンゾーンで言えば最も低く安全なレベルとして決められた数値です。
ところが、某官房長官は「現時点で人体に影響はないが」と表現してしまいました。この結果国民は、「今は大丈夫でも将来はがんになる可能性が・・・」と想像したのです。無理もないことです。
将来の危険性に含みを持たせるなら、上記のグリーンゾーンの50ミリシーベルトに近いレベルで初めて発言すべきです。
「この程度のレベルの水を飲み続けても健康被害は起こりませんが、念には念を入れて乳児のみ摂取制限とします」
と言うべきでした。
一方、今回、原発の半径30km圏外で年間積算20ミリシーベルトに達する可能性のある地域が計画的避難の対象と発表されました。住み慣れた土地を離れざるを得ない住民の心情は察して余りありますが、少なくともこの値は上記で示したグリーンゾーンの半分に至らないように余裕を持たせた数字でもあります。
そこで、
「1年住んでも問題ないが、2年以上は健康被害の危険性が生じる」
と説明すれば、住民により分かりやすいのではないでしょうか。
さて、人間の不安な気持ちは病気の「気」につながっています。
不安が続けば免疫機能が低下し、感染症もがんも、ありとあらゆる病気が間違いなく増えます。
でも心が安定すれば人間は元気になり、末期のがんを小康状態に持っていくことさえ可能です。
ちなみに、お年寄りが大好きなラドン温泉もラジウム温泉も、若い女性が好む岩盤浴も、それぞれ微量の放射能が検出されます。それが健康に良いのか疑問視する研究者もいますが、余り意味のない議論です。たとえ微量の放射線が影響すると仮定しても、それをはるかに上回る幸福感が得られるからです。
大震災の極限状況の中でも、人間を元気にしてくれるのはやはり人間です。
人と人が支え合うことで、お互いが元気になる、これが人間の大きな特性です。
皆の心が一つになれば、道は必ず開きます。日本は再び立ち上がるでしょう。