中学生になって初めて英語にふれる生徒のレッスンは本当に大変だ。

 

なぜって

日本語は英語話者が外国語を学ぶ際、アラビア語、中国語、韓国語と並ぶSuper-hard language (激ムズ言語)に指定されているそうだ。

https://www.state.gov/foreign-language-training/

 

ならば逆もまたしかり。 頼るものが無ければ容易に習得できるはずがない。

 

英語には動詞が2種類あること。

それぞれ別のやりかたで文の要素を組み立てなければならないこと。

主語に合わせたbe動詞変化。

人称理解や代名詞の使い分け。

文字や発音の苦労、単語暗記は言わずもがな。

知らないことだらけのオンパレードだ。

 

ひとつのセンテンスをつくるにはこれだけのことを全て

きちんとマスターしておかねばならないのに

「早くそれらを一瞬でこなすようになりなさい」 なんて

中一にはかなりの重荷だろう。

 

中一の1学期はそんなこんなで、すったもんだでレッスンが終わる。

慣れるのにとにかく時間がかかる。 

 

 

当然だが、英語ネイティブは文の要素等を考えて英語を話さない。

思考するのと口にだすのは同時進行だ。

意味の塊(フレーズ)丸ごとが、生きていく中で記憶されていくものだ。

だから言語習得の方法は、おそらくそれが一番自然。

 

be動詞変化の連呼や代名詞表でねじ伏せる様にドリルなどで覚えさせても

知的好奇心の塊のような十代前半の人達には無味乾燥でつまらないだろう。

つまらないと脳の働きは圧倒的に鈍くなる。

 

3月の中学入学直前になって保護者がようやく焦りだし、

放出される心配オーラが子供を包んでしまう。 それが一番良くないことだ。

親の心配が潜在意識レベルで子に伝わり、未知のことへの恐怖が募る。

 

好奇心をもって英語を始めさせるべきなのに反対に子供は恐怖心でいっぱいになる。

「何かとんでもなく難しいものをやらされるらしい」と。

恐怖が募れば脳はそれを受け付けなくなる。

まだ始めてもいないのに自分には無理だと強く思い込んでしまい、

また一人英語嫌いが出来上がる。

可愛そうなことに生真面目な子供ほど深刻になってしまうようだ。

 

脳が何か新しいことをたっぷりと吸収するためには

やらされるから、やりたいへのシフト・チェンジが絶対に必要だ。

 

事が複雑になる前にどうか早く子供を教室に連れてきて!と例年春になると思う。

中学生になる前に遊びを通してセンテンスに触れさせておくこと。

沢山の英語センテンスを聴いて発話して体で吸収してきた子供たちは全員、

中一の壁を難なく乗り越えていく。

 

Be動詞変化や3単元のルールだって、英語にふれる時間を積み上げてきた子供らは

口(反射)が脳(思考)より速く反応する。

She walk to school. では発音してどこか落ち着かない、気持ちが悪い感覚を覚える。

She walks to school. ああ、これだ。耳と口にしっくり馴染む。 なぜだか分からないけれど。

それは、今までゲームで何十回も言い慣れてきたからに他ならない。

肌感覚で感じるのだ。

感じるのが先。理屈(文法)は後でいいではないか。

 

英語学習スタートのタイミングを遅らせないように。

転ばぬ先のフォニックス・クラス。