では急いでフリープロトコル解析を。
http://www.isuresults.com/results/wc2011/wc2011_Men_FS_Scores.pdf
今回の男子世界選手権で印象に残ったことは、4回転を跳ぶ選手が増えたということです。
特に認定はされなかったものの、2種類のクワド(4S・4T)を跳んでくれたレイノルズ選手、挑戦する姿が素敵でした^^
各選手の4回転のGOEを比較してみましょう。
チャン選手の単独4Tはクリーンとは言えなかったので、コンビネーションの方のGOEを反映させます。
(ただし、4Tと3TのどちらのGOEなのか疑問が残ってしまいますけれどもね)
チャン選手 4T-3T 2.43
チャン選手 4T 1.29
小塚選手 4T 2.29
ガチンスキー選手 4T 1.71
ジュベール選手 4T 2.57
ブレジナ選手 4T 2.14
フェルナンデス選手 4T 0.43
ブラッドレー選手 4T 0.71
ペレン選手 4T 2.14
1位 チャン選手。
冒頭の4Tに減点が無く、1.29点の加点が付いています。
が、どう見ても着氷が・・・・。
どう見てもSPの方が良い出来だったと思います。
SPの4T-3Tの加点が1.89点。
それより少し下がっただけのGOEとは、これいかに??
100歩譲って、+要件と相殺して、加点が1.0未満ならば理解しやすいのですけれども。
うーん、選手によっては、このような着氷で-1がすぐ付く気がするんですけどね。
私の邪推ですかね?
ガチンスキー選手のGOEと比較すると、付き過ぎだと感じる方が多いのでは無いでしょうか?
私もその一人ですけれども。
(ガチンスキー選手の4Tはクリーンでした。)
着氷でちょっとだけ詰まったり、揺れたりするとGOEをすぐに引かれるというイメージだったのですが、
彼には当てはまらないような気がしてしまいました。ふ・し・ぎ~~~~~~~~☆
ガコンッ!!
・・・・・・・。
では、綺麗に跳んだクワドコンボ。加点が凄いことになっています。2.43点のGOEですね。
ただし、単独ですがクワドはやっぱりジュベール選手の方が加点が多いです。
さて、PCSが高すぎるのは言うまでもなく。
SPで13点も2位との差が付くと、見る方もゲンナリと言うか
「PCSってもともとは下克上が出来るようにする為のものじゃなかったのか?」という
新採点システムに関する原点部分を思い出します。
10.00を出しているジャッジが2人いますし、9点台も多いですね。
最低点は8.75点。ちょっとコレはねえ・・・・。
アクセルでも着氷ミスがあったのですから、PE(技の実施点)で10.00はどうなんでしょ?
他の選手が7点台後半~8点台、または8点台後半なのに対して、ですよ?
見ている方が白けてしまいます。
だけでなく、PCSとGOEに守られた選手になってしまうのは
チャン選手にとって良くない気がしますね。
試合の後に、「300点を出すつもりでいた」と発言したチャン選手。
この発言の受け取り方は色々あるでしょうが、私はナイスファイトだと受け取ることにしました。
2位と13点も差がついてしまうと
プログラム構成難度を低めにしようと考えるのが一般的です。
それなのに2本のクワドを入れて来たことは、素直に賞賛に値することだと思います。
なので余計にチャン選手がPCSとGOEで守られることに抵抗を感じますね。
だいたい、PCSの比重が得点において高すぎるのですよ。
今シーズン、ルール改正でTESエレメンツが減ったので、余計にPCSの比重が高まりましたしね。
・・・でも、チャン選手、相変わらずアクセル苦手なのね・・・ボソッ
ガコンッ!!
はいはい><
PCSとGOEは元々不思議なものですから、次にいきましょう、次!!
2位 小塚選手
もう日本人の台乗りは無理なのか、と思った時にやってくれましたね!
気迫が物凄かったことと、個人的には・・ですが、首の振り方が変わったような気がします。
イーグルの最中での首振りというのは、バランスを取ることから考えて凄く難しいことです。
今までどうしてもその振り方に固さがあった気が。
それが吹っ切れたような思い切りの良い振り方になってました。振り付けだから、首を振るというのでは無く
自分の動きにした感じです。イーグルの終盤での首振りではなく、途中であれだけ思い切りよく
首を振るのは選手と言えども怖いことじゃないでしょうか?ビックリしました。
TESが98,53とTESでは最高の点数が出ています。
プログラム構成の難度としては、4回転コンボがあるチャン選手の方が上なのですが、よーく
見てみて下さい。
後半に小塚選手は、チャン選手よりも難しいことをやっています。
後半3連続ジャンプが
チャン選手 3Lz-1Lo-3S(これは今期から3連続ジャンプとして認められるようになったコンボ) 12.97
小塚選手 3A-2T-2Lo 14.44
後半のコンビネーションジャンプ
チャン選手 2A-2T 5.67
小塚選手 3Lz-3T 12.51
チャン選手が3AでステップアウトしてGOEにマイナスが付いたことも考え合わせると、チャン選手に取ってのネックはやっぱり「トリプルアクセル」なのですね
私は個人的に、男子のプログラムでダブルアクセルっていうものは見たくないんですが・・・ゴホゴホ。
このダブルアクセルのコンボを、トリプルアクセルにすることは無理なのでしょう。
4回転を2回も入れているのだから、仕方が無いことかもしれませんが。
それにしても、PCSの差が9点もある・・・。下克上など起こるわけないじゃないですか(苦笑)
何でも「目線が合うと0.2や0.5くらいPCSを上乗せしてあげたくなる」とジャッジが言ってましたが、9点以上もPCSを上げるとなると、何回、目線を合わせなきゃならないんでしょうね?
・・・・ガコンッ!!(タライの静かなツッコミ直撃)
・・・・。(ここは甘んじて受けましょう)
何にせよ、小塚選手の、静かな闘志、物凄く感動しました。
銀メダル、おめでとうございます!
なお、個人的にですがソチオリンピックの2シーズン前くらいからPCSの点数の出方の変更がある予感がします。
ソチでは、今のところガチンスキー選手とチャン選手、(プルシェンコ選手が復帰したら、プルシェンコ選手も)の戦いになるでしょう。
そこに日本勢がどれだけ食い込めるか。
チャン選手が絶対王者でいられるのは、いつまでなのか。気になるところです。
ガチンスキー選手
ロシアではガチンスキー選手の銅メダルに狂喜乱舞していることでしょうね。
何しろ、長い間ロシアシングル男子は低迷していましたから。
ガチンスキー選手のジャンプは、軸が細い、高さのあるタイプのジャンプ。
今回、ジャンプミスもチラホラありましたが、クリーンに跳んだ4Tまで
ジャンプに対するGOEがイマイチ低めなのは、幅が出るタイプで無いことが関係しているの
かもしれません。
が、もう少し加点が出ても良い気がします。
ガチンスキー選手のこれからの伸び具合にもよるでしょうが、ルール改正でロシアが狙って来るとしたら
この辺りかもしれませんね?
PCSが小塚選手でさえ9点台がチラホラあったのに対し、今までの実績が少ないガチンスキー選手のPCSときたら、、、、。トータルで77.86ですよ。チャン選手のPCS合計が91.52ということを考えると、勝負にならない・・・今現在は勝負にならない・・・基礎点でジャンプ2~3個分くらいの差ですよ。
ただ、彼はミーシンコーチに師事しているだけあって、振り付けが凄く独特で個性があります。
プルシェンコ選手のようなカリスマ性は、まだありませんが・・・ジャンプが安定し、繋ぎを増やし、風格が身に付けば、恐らくかなりのカリスマ性が期待できます。ダンス部分も上手ですしね。これからに期待しましょう^^
高橋選手。
もう何も言うことはありません。ソチまで続行してくれるようですし。
今大会で一番感動したのが彼の演技です。
人を感動させるのは点数ではない、ということを改めて知らせて貰えた演技でした。
地元開催のはずだった世界選手権が延期になり、どれほど調整に苦労したことでしょう。
それがあのアクシデント・・・。
でも、最後まで投げ出さない演技姿勢は、人の心を打つのに十分だったと思います。
最高得点が何さっ!!ぺっ!!!
ガコンガコンガコンガコンッ!!(タライのレフェリーストップ)
う、うるさーーーいっ><
やかましーいっ!!><
フィギュアスケートが好きでいる限り、私が意見を変えることは無いでしょう。
得点よりも人の心を打つもの。
それがフィギュアスケートには存在しているのです。
織田選手
織田選手はですね・・・プロトコルを見る気にならないのですが;; 気の毒で;;
ただPCSを見ると、2位だったSPの時よりもPCSが上がっていますね。
SSは8.29の高得点が。
高橋選手のSSが8.50点ですから、かなり肉薄しています。
小塚選手のSSは8.39点。
チャン選手のSSは9.25点。
いくら何でも、チャン選手から2番目にSSが高い高橋選手までの差が開きすぎですね。
織田選手のミスを考えると、何とも言いようのない気持ちになりますが
アスリートは前向きで無ければ一流になれないでしょう。
なので織田選手もまた立ち直って、来年の世界選手権に向けて踏み出してくれると思います。
・・・お父さん、どこまでツメが 甘いんだ(575)
ガコンガコンガコンガコンッ!!!
ひぃー><
ごめんなさいごめんなさい、ちょっと言ってみたかっただけです!><
全然笑えないしっ!!!><
ごめんなさーーーーーいっ><
一番辛いのは織田選手自身のはず。
これ以上の言及は避けたいと思います。
何にしても、色々波乱があった印象的な大会でした。
ありがとう、選手の皆さん!!^^
特に日本人選手3人とも、凄く頑張ってくれたと思います!^^