今騒がれているギリシャ問題は、今年に初め
て起きた問題ではなくて、2009年にすでに
起きていた問題の延長線上にあります。
事の発端は2009年秋にギリシャの財政赤
字が名目GDP(国内総生産)比で見たとき、
それまで公表されていた3.7%ではなくて
本当は12.5%だと発覚した(バレた)ことに
始まっています。
その数字は後に13.6%に修正されるほど
ヒドイ数字 だったわけです。
何がヒドイかというと、そもそもユーロに加盟
するには「財政赤字をGDP比率で3%以内、
公的債務残高を同じく60%以内に抑える
必要がある」・・・という条件があるのですが、
最初からギリシャは数字をごまかしてユーロ
に加盟していた経緯があった!ということです。
ユーロ加盟にはそうした条件をクリアしていな
ければいけないので、極端な話その条件を満
たしていない日本はユーロに加盟したくてもで
きません。
本来ならギリシャも加盟できなかったはずな
のに、当時の政権がそれを隠してEUをダマ
して加盟していたわけですからやはりヒドイ
ことだと思います。
政府が最重要な国の財政数字を偽装して
いたことがもうすでにアウト! だと思うの
ですが、結局そのことを蒸し返しても始まら
ない・・・ということで当時そのままユーロ圏
に残ることとなり・・・今日に至り・・・問題が
再燃した!・・・という流れです。
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ところで、記憶に新しいところでは、2004
(平成16)年8月13日から29日まで、
ギリシャのアテネで第28回オリンピックが
開催されました。
オリンピック開催には何かとお金がかかるも
ので、アテネオリンピックでは約140億ドル
(当時1ドル≒110円なので約1兆5100億
円)という多額のお金が動いたそうです。
これは莫大な金額で、これがその後のギリシャ
財政の悪化に大きな影響を与えたのかもしれ
ません。
日本も2020年にオリンピックが控えていて、
新国立競技場の建設費用の問題など多額の
出費が懸念されているところです。
お金をかけるのは良いとしても、それを後世
の負の遺産として迷惑をかけることは現役世
代の責任として制限してもらわないと困りま
すね。
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ギリシャにおける一人当たりの年金受給額は
日本円にして約11万円/月のようです。
現役世代の所得に対して(=所得代替率)
見た場合に約79.6%に相当するそうです。
つまり、退職して働かなくなっても現役時代
の約8割の収入を得られるわけです(逆に計
算すると10割=14万円ほどで1か月生活
できる!)。
これがきちんと機能するのであれば、とても
生活しやすい手厚い保護の仕組みなのです
が、キチンと機能しないのであれば財政に
多大なる負担を強いる悪制度と化します。
ちなみに、ドイツは55.3%、スウェーデンも
55.3%で、アメリカで44.8%、フランスで
71.4%だそうです(フランスもけっこう高い
ですね)。
日本は約48%とされています。
(この割合から見ると、日本人は現役時代の
収入の半分を貯金にまわして残り半分のお金
で生活できるようにしておかないと年金だけで
は生活できないことになります。 )
いずれにしても現役時代の約80%もの年金
がもらえるという制度は、今現在のギリシャの
経済力から見ると極めて高いわけで、これが
財政破綻を呼びこむ大きな要因になっている
と言えます。
ぬるま湯に浸かってきた国民にとっては確か
に、緊縮!・・・と急に言われても心構えができ
ていないので急転換には抵抗を覚える人も多
いと思います。
ただ、井の中の蛙状態から自分たちが置か
れている状況を全体観から適切に把握し、
未来に向かって自助努力をしていくことが
大切だと思います。
また、こうしたことを「他山の石」として学び、
今のうちに改善・改良を加えるべきことは
手を打っていくことが他国の政治家の責務
だと思います。
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