タイトルを見て、何となく、ベタな内容なのかな…と思いますが、まあその通り。ある女性が、これまでの生活を見つめなおすために、1600キロを歩き通す。それも砂漠あり、山道あり、雪の草原あり。距離を聞いただけで、もうバカげた行為に思えてくる。これをやろうと考える人たちが以外にも多いことに驚く。アメリカは広いなあと感じさせる。美しい自然の中に身を置き、もう一度、これまでの行いを反省して、新しい自分に生まれ変われる感じがするのだろう。
いわゆる、自分探しの旅のようなものだ。

この前読んだ”大放言”の中には、「自分探しをするバカ」という部分があり、興味深い。
環境を変えれば、自分が見つかるのか?これまで、二十数年生きてきて、見つからなかったものが、外国を放浪することで見つかるのか?…と厳しい指摘もある。

このアメリカ西部の放浪の旅は、あくまでも歩く。そして、野宿だ。過酷で危険な感じだ。
大きな荷物を持ち、フラフラになりながら歩く。取説を読みながら料理をする。何度もテント設営に失敗する。それでも、誰も助けてくれない。何でも自分で解決していかなければならない。砂漠で水が無くなる。泥水から何とか飲用水を確保していく。サバイバルのテクニックも磨かかれる。何日も人と会話することもなく…小動物に出会えば、何となく話したくなる。これ程、人が恋しいと思ったこともないだろう。途中、途中でいろいろな人達と出会う。その出会いが彼女にとって本当に貴重な体験になったことを伺わせる。ある祖母と孫の二人組に会い、会話をかわし、その子の歌を聴く。何か、感じる世界があったのだろうか、その後、号泣する。

母親の口ずさむ”コンドルは飛んでいく”のメロディーが何とも哀愁がある。どんなに境遇が悲惨な感じでも、明るくいつも笑い声の絶えない家庭の中心が母親だった。母親を喪失した悲しみを紛らわすために…だんだん人生を見失い。自暴自棄になっていった。麻薬に手を出し、誰とでも〇EXする。夫婦の仲は、醒めていく。弟とも疎遠になっていく。どこかで、自分を変えないと…もう後戻りできないぎりぎりの状態だったのだろう。どこで、この放浪の旅を思いついたのだろうか。思いついた時点で、彼女は、変わろうとしているということだ。何かきっかけがあったと思うのだが…詳しくはわからない。まあ、いい、とにかく、この旅を通して、少しづつ自分自身を取り戻していく感じなのだ。


1600キロを歩ききった後には、何があるのだろうか。何か違った世界が見えてきたのだろうか。
結論までは、描かれず…あとは、視聴者任せということか…

最後、エンドロールの中で、実際に踏破した人の写真が何枚も流れていたけど…以外にもきれいな人だったな。本を出版しているので、それなりに人生が変わったのだろうと感じる。

まあ、映画は、ある意味、地味な感じ。たんたんとした感じで、賛否両論ありそうだけど。

人生を見つめ直すためのはじめの一歩かな。何かのきっかけになるといいかな。












霧あらすじ(ムビーウオーカーより拝借)キラキラ

シェリル(リース・ウィザースプーン)は、スタートしてすぐに“バカなことをした”と後悔していた。今日から1人で、砂漠と山道が続く1600キロの“パシフィック・クレスト・トレイル”を歩くのだが、詰め込み過ぎた巨大なバックパックにふらつき、テントを張るのに何度も失敗。その上、コンロの燃料を間違えたせいで、冷たい粥しか食べられない。この旅を思い立った時、彼女は最低な日々を送っていた。どんなに辛い境遇でも、いつも人生を楽しんでいた母(ローラ・ダーン)の死に耐えられず、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れる毎日。遂に結婚生活も破綻した。このままでは残りの人生も台無しだ。母が誇りに思ってくれた自分を取り戻すために、一から出直すと決めたのだ。だが、この道は人生よりも厳しかった。極寒の雪山や酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、食べ物も底を尽くなど、命の危険にさらされながら、自分と向き合うシェリル。果たして彼女が、1600キロの道のりを越えて目にしたものとは……?