外貨投資の重要性はいろんなところで語られているけれども、その中で外貨建MMFというのは一番の商品ではないかなあって思っています。


でも恐らく外貨商品の代表選手といえば「外貨定期預金」になるんでしょうね。まあどこの国に預けても日本よりは金利高いし安全性も期待できるし。


でも、どう考えても資金が1年なり3年なり拘束される点と、為替差益への課税(雑所得)が行われるいうのはちょっといただけませんな。外貨投資の意義は円資産のリスクヘッジだと思うので、その最大の恩恵である為替差益が削られるってのは大きなデメリットだと思う。


それではプロフィールからいってみよう!


【選手プロフィール】
選手名:外貨建MMF(マネー・マーケット・ファンド)ちなみに日本のMMFはマネー・マネージメント・ファンド。商品の性格は同じだが、なぜか呼び名だけは違う。(トリビア?)各証券会社で各国通貨建のMMFが購入可能。


【選手タイプ】
時に果敢な攻撃参加も見せる外人DF


【選手特性】
そもそもMMFとは公社債投信の一種なのだが、株式には一切投資されず、安全性は比較的高い言われる。というより実際はその性格上、安全第一の運用で元本割れは許されない商品だった。「だった」というのは、実は過去に一度、多くのMMFが大コケしたことがある。


時は2001年、後にエンロン・ショックと言われたエネルギー会社「エンロン」の突然の破綻により、この社債を組み入れていたファンド軒並み“有り得ない”元本割れを起こした。実際、この責任を取って辞任した証券会社のお偉いさんは数知れず、結果この事件以降、各社のMMFはさらにディフェンシブな運用になっていった。


話がそれたけど、つまり価格変動リスクはそれだけ小さいということなのでやはりDF向き。とはいえリスク・リターンのブレが小さいわけではない。この投信の生死を左右するたった一つの要素『為替』がリスク・リターンの全てを握っているのだ。


ただ、先にも述べたとおり、外貨建MMFの購入は円資産のリスクヘッジを第一目標とすべきであると思うし、その点では目先の為替損得はあまり重要でないと思う。


もし為替でのリターンを積極的に狙っていくのならば、FX(外国為替保証金取引)の方がコストも安いし、レバレッジ(てこの原理)も効かせられるのでよっぽどいい。もちろんレバレッジを効かせばその分リスクも高くなるが。


さて、外貨建てMMFの大きなメリットとして、為替差益が非課税であるということだと思う。外貨預金では為替差益は雑所得で課税対象となるからだ。これは大きいと思う。金銭的なこともさることながら、金額によっては確定申告も必要になるケースがあるので、一般のサラリーマンの方には面倒くさいのではないか。


なんにせよ、この商品の場合は最大の選択事項は、どこの証券会社にするかではなく、どの通貨建てにするかということであることは間違いない(エンロンショックでどこも同じ様な運用なので・・・)。米ドル、ユーロ、NZドル、豪ドル・・・選択肢は様々であり、思案のしどころですな。


もちろんリスク分散の観点から言えば、何も1カ国だけに限定する必要も無いので、いろいろ検討して頂ければと思います。


選手タイプとしてまとめると、円安に振れたときの効果は絶大なのでDFでも攻撃力は高い。しかしあんまり上がりすぎると、カウンター(為替差損)を喰らって失点なんてこともあるので長いスパンで雇ってあげたい選手だと思う。