ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

 

【原題】REBEL IN THE RYE/アメリカ(2017年)

【監督・脚本・製作】ダニー・ストロング

【出演】ニコラス・ホルト,ケヴィン・スペイシー,ゾーイ・ドゥイッチ,ホープ・デイヴィス,ヴィクター・ガーバー,サラ・ポールソン,他

【あらすじ】1939年、コロンビア大学に編入した作家志望のサリンジャー(ニコラス・ホルト)は、自分の作風を確立するために試行錯誤していた。恩師の指導の下で執筆した短編を出版社に売り込むがことごとく断られ、ようやくニューヨーカー誌に掲載が決まった矢先、太平洋戦争開戦により掲載は見送られてしまう。そして招集され戦地へ赴いた彼は、交際中の恋人が結婚することを知る。

(シネマトゥデイより引用)

 

「ライ麦畑でつかまえて」の著者J・D・サリンジャーの半生を描いた伝記ドラマ。生誕100年ということで彼にまつわる映画がつくられているんですよね。

前にも書いたかもしれませんが、「ライ麦畑~」を読んだのが若い頃ではなく、10年くらい前で、読むには年をとり過ぎていたのか、それ程印象に残ってません。この映画を観たのはニコラス・ホルト君目当てなんですよ(^-^;

名作を生みだしたにもかかわらず、その後隠遁生活を送った伝説の作家J・D・サリンジャー。その謎に満ちた半生と小説の誕生秘話が描かれています。

1939年ニューヨーク。父との確執がありながら、小説家の道を選んだサリンジャー。コロンビア大学で恩師ウィット・バーネットと出会い、紆余曲折ありながらも書き続け、作家としての第一歩を踏み出します。

そんな中、第二次世界大戦が勃発。戦地に赴いている間に恋人とも破局。帰還を果たしますが、前線での経験によるトラウマに苦しむことに…

サリンジャーにとって溢れる言葉をつむぐことは生きることだったんでしょうね。「ライ麦畑でつかまえて」が出版されるまでの経緯や、出版後の反響の大きさなど、関連作を観て少しは知っていたけれど、改めてすごかったんだと。新たな苦悩も生まれ、謎だと思われているサリンジャーの行動も少し分かった気がします。

ちょっと違うかもしれませんが、『ライ麦畑を探して』『ライ麦畑で出会えたら』でも、サリンジャーを訪ねる若者たちが描かれていますが、物語の主人公ホールデンに心酔する若者がそういう行動をとることが社会現象化していたのかもしれませんね。

2010年1月に91歳で亡くなったJ・D・サリンジャー。彼は自分に嘘なく暮らしたのだろうと思います。物語を書くこと、それがある限り決してひとりぼっちではなかったのではないかな。

サリンジャーのファンはもっと違う楽しみ方もできるんでしょうね。でも、そんなに知らなくても一小説家の苦悩、書籍が出版されるまでなど興味深いので、尻込みしなくても大丈夫かと思います?

 

(画像はすべてお借りしました)

 

ニコラス・ホルト君、サリンジャーの役とても良かったです。ずっと彼が映し出されるからファンには堪らないですね♪ 私はファンとまでは言えないかもしれないけど、『アバウト・ア・ボーイ』の時の少年を『シングルマン』で観た時の衝撃は忘れません。こんなにイケメンに育ってと(笑) アクション映画等は観てないんですが、この映画でますます実力派なところをみせてくれてます。

そして恩師役のケヴィン・スペイシーはやはり上手い。あんな事件さえ起こさなければこれからももっと活躍の場があったのに…

編集者を演じるサラ・ポールソンは『ミスター・ガラス』とはまた違った顔をみせてくれてますし、ルーシー・ボーイントンもサリンジャーの妻役で出てます。また夫とすれ違ってしまう役ですが(^^;)

まだ公開して1週間ですが、週末から上映回数も減りそう。今日はレディースデイですが結構がらがらでした。

映画を観てから小説を読むとまた違った味わいがあるかもと、本を探してるんですが見つからないです(・_・;)