幻の遺稿を探せ! | office894のブログ

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土門拳賞受賞写真家故砂守勝巳の軌跡を辿ります

よく、
「砂守さんの遺稿はあるんですか?」
と質問される。

あれは確か2006年位だったか
沖縄の父の家にあてもなくだらだらと滞在していた
いつもの夏のヒトコマ。

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「お父さん、文章を書いたんだ。お父さんが死んだら探してお母さんと読んで笑ってくれよ~。」
「お父さん、遺書を書いたんだ。お父さんが死んだらここにいれとくからな~。鍵はこれ。」

なんだか変な父だな。と思った。
そういえば少し痩せてるし、
夜、桜坂に飲みに行く時だって一杯飲んでは店を替え、5.6軒はしごして回る。
最後の方は酔って訳がわからなくなっているので
通りかかった店のドアをバタンと開け放しては
走って逃げていた。
いたずらをしている“桜坂の寿Ree”である。

そんな飲み方を毎晩しているのかと思うと
心配になった。

当時の会話を鮮明に覚えていたので
遺稿を探してみようと思った。

父はきままに一人暮らしを楽しんでいたので
亡くなった後は
まず最初に現地に赴き、引っ越し荷物をつくるところから
遺品の整理が始まった。

多趣味な父の荷物は
膨大だった。

琉球新報社で一年間にわたり〈レンズ眼〉というコラムと写真の連載をしていたのだが
それとおぼしきフロッピーと、
   “レンズ眼NEW”
とかいてあるフロッピーがでてきた。
NEWとはなんぞや?
新聞には掲載されなかったother原稿の意???


父の言う“書いた文章”とはこれのこと?

ワープロも出て来た。
しかし電源コードが見つからない。

なかなか目的地に辿り着けないのが宝探しの面白いところだ。


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