0301 おおきく振りかぶって ひぐちアサ | あなたの隣のマンガさん。(Ver.5)

0301 おおきく振りかぶって ひぐちアサ

★★★
暗い、卑屈、弱気な軟投派エース。
自信過剰オレ様系キャッチャー。
背は低いけど超絶スポーツ万能の4番。
野球を知らないけど頭脳派指導員。
新設された野球部の
これまた新人カントクは
若くてキレイな巨乳カントク・・・
知ってる人も知らない人も
野球が当社比10倍面白くなる
本格青春野球マンガ!

おおきく振りかぶって (1)/ひぐち アサ

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月並みな言葉で申し訳ありませんが
ホントにおもしろいです
どれくらいかと言いますと
初めて一巻だけ触れた方ならきっと
うおーーー続きを買わねばーー!
ってなると思いますし
既刊一通り買った方ならきっと
続きを早く出さんかい!
ってなると思います

過剰感がたまらないですね
「へうげもの」の山田芳裕さんが
肉体的な過剰表現の匠とすると
このマンガさんは
精神的な過剰表現の匠
といったところでしょうか
マドレーヌを紅茶に浸して食べる
時間の引き延ばし感覚です
なんでこの場面でこの選手は
この様な動きを選択したのか?
その動きに対して
対峙するあの選手は
あの様に思って行動したところ
まんまとこの選手の術中にはまった!
といったような事を
ひとつひとつ丁寧に拾い上げている訳です
ここがホントに新しさの肝です
これまでのスポーツマンガというのは
超強力なピッチャーが今
投げましたーーー!
それに対する主人公、
こんな凄い球
打てるのか
どうだ
来る
来た!
ついにバットを、
振ったーーーー!
どうなる!?
次号、乞うご期待!
ってな感じで
場面場面の動きの成否で
読者を引き込む訳です
ところがこのマンガさんは
動きの意思を解説することに
非常に重きをおいています
これは上質なミステリ小説を読む感覚に
似ているかもしれません
ここまで一つ一つの動きに対し
何故こうしたのかあるいはするのかを
丁寧に解剖するスポーツマンガさんは
ワタシが記憶する限りありませんね
ワタシは野球をやりませんが
かつて野球少年だった友人に
”ホントにここまで考えてるの?”
と尋ねたところ
”あそこまで複雑に考えてるわけ
ないじゃん
でも
ああ、わかるわかるって思うよなぁ”
とのこと
これってとんでもないことです
プレーヤーの無意識の意識を
ロジカルに表現することに
成功しているんですから
野球を知ってる人も知らない人も
むしろ知らない人にこそ
読んでもらいたいマンガさんです



「失われた時を求めて」という
マルセル・プルーストの小説
紅茶に浸したマドレーヌを食べて
過去を思い出す有名な冒頭



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ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)/ひぐち アサ

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へうげもの(1) (モーニングKC (1487))/山田 芳裕

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