0301 おれはキャプテン コージィ城倉 | あなたの隣のマンガさん。(Ver.5)

0301 おれはキャプテン コージィ城倉

★★☆
監督の思いつきで
キャプテンに抜擢されてしまった
無気力部員の主人公 カズマサが
独自の方法論で野球部を強くしてゆく
青春野球部ドラマ

おれはキャプテン(1) (少年マガジンコミックス)/コージィ 城倉

¥440
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このマンガさん
使い古された言い回しですが
”まるで教科書のような”
マンガさんです
慣用句的な意味としてだけでなく
ホント
「マンガの描き方入門講座」なんてハウトゥー本に
載ってるんじゃないかってほど
作者さんによるこれまでのマンガさんからは想像できない
抑えられた筆致で淡々と
古めかしくすら感じられる絵柄で描かれてあります
しかしそのためか
隅々までコントロールがいきわたり
”俺はもう絶対に無理はしない フンガーッ!!”
という作者さんの余裕の鼻息が感じられます

ところが物語は教科書通りとはいきません
老成の極み
無理やり熱くなることもなく
かといって冷めてもいない
一見
枯れた味わいのストーリー展開ですが
そもそも物語の展開を
事前に考えてないんじゃないかと思えるほど
定石を微妙に外してくる
功罪は置くとして
筋書きのないドラマを
フィクションでやってしまおうという
試みを感じます

主人公たちが工夫によって
試合に臨むという王道
しかしそれが
友情・努力・勝利じゃあないトコロが
いいんです
主人公カズマサ、部員に傍若無人です
体育会型努力を憎んでます
試合は結構負けます(勝ち抜いてないじゃん・・・)
こんな風にクセがあって
小憎たらしい
でもやっぱり憎めない
そんな魅力にあふれる主人公
最近あまり見かけない気がします

さて冒頭の筋書きのないフィクションドラマ
野球漫画の巨匠
水島新司さんは
先の展開を自分でも知らずに描いてるといいますが
おそらくコージィさんは
意図的に作ってないんだと思います
(あくまでワタシの妄想ですよ)
そこで生まれるメリットの一つが
読者に先を読ませないことです
漫画さんも数をこなして読んでますと
ある程度一般的な物語の
展開のパターンが読めてきます
物語の基本形といいますか
王道の型がある
”フラグがたった”なんて呼ばれているものも
こうしたものの一つなんですが
とにかく
事前に伏線を張ってようが張ってまいが
話の流れから
次はこう来るという定石があり
余程の天才的、奇抜な物語や
ヘタッピマンガさんじゃない限り
普通はここを大きく外さず
物語を作ってしまう
筆を滑らしてしまう
はい
そこで全く先を考えず
その場その場で作っちゃうというわけですね
(ワタシの妄想ですよ?)

本当のところ
作者さんがどのように作っているのか
全くわかりませんが
少なくともいえること

このマンガさん
先が読めません



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