0500 ヒストリエ 岩明均 | あなたの隣のマンガさん。(Ver.5)

0500 ヒストリエ 岩明均

★★★
アレキサンダー大王の
書記官エウメネス
その波乱に満ちた生涯

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)/岩明 均

¥560
Amazon.co.jp



さすがの岩明均さん
落ち着いていながら
縮こまることなく書き上げられた
壮大なエンターテイメントです
恐ろしい謎や
ビシバシアクションといった
”若い” 派手さを
全く出すことなしに
淡々と
実にサッパリ
物語を展開させるところは
これまでの岩明作品と変わらず
ともすれば冷酷とも映る
冷めた視点に
ぞくっとしてしまう魅力は健在です

このマンガさん
あくまでワタシ個人の見解と断りつつ
大それたことを云わせてもらいますと
現在連載中のモノで
最高の物語構成力を持つ
マンガさんのひとつだと思います
プロットにおいて比類がない
時間軸を切り替えながら展開しますが
過去における大小のエピソードが
単体でエウメネスを語るに
充分な物語として成立しておりながら
未来のエピソードと密接に
繋がる伏線でもある
語られない空白の時間ですら
その間のキャラクターの生活が香る
その上で
だからそこにつながる訳かと
充分な納得をもって
現在と過去が交錯する

冒頭にインパクトを狙った
大きく悲劇的なシーンを読者に見せ
疑問をいだかせておいて場面転換
さかのぼること何年前・・・などと
何故その悲劇が起こったのか
理由説明で引っ張る本編が始まる
という様な
ボンビャクのマンガさんとは
雲泥の差です
格が違います
未だ連載中で
結末まで余談を許しませんが
とにかく今のところ
ひのうち所のない筋運びです
(未完で終わるんじゃ・・・
なんて恐ろしい噂も立っていますが)
「本」という存在が大好きで
かつ
このマンガさんを未読という方
大変羨ましいです
展開を全く知らない状態で
既刊の一気読みができるのですから

「読書体験」
という単語を
久々に思い起こしてくれる一流の
マンガさんです




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