ワタミの渡邉美樹氏が、起業する前に会計事務所に半年間アルバイトしていたのは有名な話です。
昨年、税理士向けの講演会で、その渡邉美樹氏が、
「財務数値で最も重視しているのは、(ライブドアのような)時価総額ではなく、
EBITDAと債務償還年数、そして自己資本率です」
と語っていたのがとても印象的でした。
資金繰りで苦労した渡邉氏ならではの見解です。
EBITDAとは、earnings before interest, taxes, depreciation, and amortization
の頭文字で、償却前経常利益などと訳されたりします。
一般的に、数式にすれば、
EBITDA=経常利益(営業利益の場合もある)+減価償却費
となります。
これは、会社の「借金を返す力」を現しています。
また、債務償還年数とは、総借入額 ÷ EBITDA
でして、
「今の利益状態で、借入を返すのに何年かかるか?」
を示します。
ちなみに、銀行はEBITDAの20倍を超えての貸し出しは、まず行いません。
例えば、EBITDAが1000万円なら、借り入れできるのはせいぜい1憶5000万円までということになります。
ところで、借金返済を猶予するモラトリアム法案は、こうした財務的な指標を全く無視したところで行われています。
これは、あくまで非常時の手段です。
非常時でなくなれば、いつかは消える法律ですので、早めに財務が健全化するように心がけたいものです。
その健全化を一番端的に表すのがEBITDAと、債務償還年数、そして自己資本率であるというわけです。