9/24 疾走クレヨン1周年記念ワンマンライブ「1ちゃいになりまちた」 | もうね。なにがなんやら

9/24 疾走クレヨン1周年記念ワンマンライブ「1ちゃいになりまちた」

今回は2023年9月24日に行われた、疾走クレヨン『1周年記念ワンマンライブ「1ちゃいになりまちた」』についてレポートしたいと思います。



◯基本情報

今回の主役、疾走クレヨンは2022年6月結成の6人組グループです。Task have Funと同じ事務所に所属しており後発であることから妹分にあたるようです。6月結成なのでライブタイトルにある1周年にしては少しオーバーしていますが、元々8月に開催予定だったものが台風の影響で延期したためでもあります。ライブ会場となったのは東京キネマ倶楽部。時間は15:00からの1回公演。席種は3つに分かれており、最前指定エリアへの入場が可となるA、一般のB、撮影可の2階席となっていました。会場には折りたたみ椅子が置かれ座ることができましたが、基本ライブ中は立っての観覧となっていました。お客さんの数はざっと250~300といったところかと思います。

◯ライブ概要

ライブは15:00、黄色のなっぱちゃんの影ナレからスタート。ライブはアンコールも含めて17曲となっていました。セットリストは以下の通り。

 

9/24 疾走クレヨン 1周年記念ワンマンライブ

「1ちゃいになりまちた」 セットリスト

01.Look at me

02.Lucky Drops

03.Hotchocolate

MC

04.マーメイドのANSWER

05.ビビディバビ!

MC 

06.夜明けBrand New Days(ベイビーレイズJAPAN)

07.だいしきゅーだいしゅき(femme fatale)

08.なないろ(私立恵比寿中学)

09.ココ☆ナツ-ZZ ver-(ももいろクローバーZ)

MC

10.パラレルワールド

11.シークレットハート

MC

12.ホッテストサマータイム!!!!!!

13.colorful

14. RUN!

15.夢見たアルカディア

アンコール

en1.Hotchocolate

en2.ホッテストサマータイム!!!!!!

 

疾走クレヨンはオリジナル曲を11曲持っており、そこにカバー曲を4曲追加、アンコールは2曲をもう一度で合計17曲という構成となっていました。終了は16:30なので公演時間はおおよそ1時間30分でした。6~9曲目がカバー曲コーナーとなっており、6曲目と9曲目はメンバー全員でのパフォーマンスでしたが、7曲目が齋藤結愛ちゃんと和田あずさちゃんの二人、8曲目は入れ替わって残りの4人のメンバーでのパフォーマンスでした。構成としてはアンコールを含めて全体を6つのブロックに分けており、それぞれのブロックは少ないところで2曲、多くても4曲となっております。曲と曲の間にも暗転を挟み、一旦空気が落ち着いた後に次の曲という流れになっており、構成としてはグループ名に「疾走」とあるものの、疾走感はあまりありませんでした。その分、1曲1曲丁寧に仕上げられた高品質なパフォーマンスという印象が強かったです。またこの東京キネマ俱楽部の特徴である客席から向かって左側にあるサイドステージは7曲目で4人が登場した際に使用されたのみで、それ以外では使用されませんでした。この点からもあまり突飛なことはせず、堅実な印象を受けました。

○個別の感想

1曲目「Look at me」は前半部分、Aメロからサビに至るまでソロパートで構成されているのが特徴的。個々の歌唱レベルの高さを示すような曲ですね。後半は2番のBメロから少しずつユニゾンで歌われる場面も増え、最後は全員によるユニゾンで歌われており、厚みのある仕上がりとなっています。1曲を通して変化が加えられていて飽きさせない良い曲ですね。2曲目「Lucky Drops」は1番のBメロの最後からサビの前半のほとんどを水野七葉ちゃんが一人で歌い切るというちょっと変わったパート割をしています。息継ぎのタイミングが難しそうで、普通なら3人くらいで歌っても良さそうなところ、ギリギリを攻めている感が面白い曲ですね。3曲目「Hotchocolate」はアンコール1曲目にも歌われており、現時点で疾走クレヨンの代表曲なのでしょう。前半は静かに入っていき、段々勢いにのっていく妙味のある展開でノリが良く、とても良い曲ですね。低い声から高い声まで求められるものも無理がなく、このメンバーだからこその1曲だと思います。最初の第1ブロックはこの3曲で終了、疾走クレヨンのエッセンスが詰まったブロックでした。

 

MC、自己紹介の後の第2ブロックはちょっと暗めな曲が2曲並んでいました。「ビビディバビ!」はタイトルからすると何だか明るそうな印象を受けますが、格好いい曲。サビ後半にある、力感を前面に出した手を振り上げる振り付けはシンプルで真似しやすくありますが、少しウケを狙いすぎな感じがします。Task have Funの「3WD」が振りコピしやすいダンスで会場の一体感を作り上げたという前例があり、その2発目を狙っているようで、ちょっとどうかなと思いました。カラフルな衣装にも合っていないですし、ステージも暗く格好いいダンスをしてるっぽいもののあまり見えず、やりたいことと実際がちぐはぐしている気がしました。今回のワンマンはカバー曲コーナーもありながら持ち歌を外すわけにはいかないでしょうし、現状ではなかなか扱いの難しい曲なのかなという印象です。

 

続くカバー曲コーナーですが1曲目はベイビーレイズJAPANの「夜明けBrand New Days」。知っている方も多く、会場は沸いていました。自分たちの持ち歌ではないものの、そこはしっかりとした実力で歌いこなされていたと思います。ただ一つ前のブロックでは暗めの曲調ながら、声の可愛さはそのままでそれが疾走クレヨンの味かなと思っていたのですが、この「夜明けBrand New Days」では可愛さを抑え、かなりオリジナルに寄せていたように思います。ものまねとしては上手いのかも知れませんが、私が見たいと思うものではありませんでした。せっかくのワンマンライブだから普段と違った何かを見せようというサービス精神の現れなのかも知れませんが、ちょっと違うかなという印象です。以降の3曲は私自身オリジナル曲を知らないということもあるのですが、疾走クレヨンの可愛い声が活きていたように思います。

 

カバー曲コーナーが終わりますと、ライブも後半戦。ただメンバーに疲労感はなく、ますます加速していく感じでした。10曲目「パラレルワールド」は盛り上がりをかなり重視した感じで、タオルを回したくなるような気分を上げる曲でした。続く「シークレットハート」も序盤から高い声で歌われており、終始ハイテンションな感じ。ただこのブロックはこの2曲で終了。この後MCを挟んで4曲が続くのですが、この勢いのままでもう少し続いても良かったのではないかなと思いました。MCを挟んでの12曲目が「ホッテストサマータイム!!!!!!」。こちらもアンコールで歌われており、「Hotchocolate」と並んで疾走クレヨンの代表曲なのかなと思いました。イントロからノリの良さが際立ちますが、サビの始まりでもう一度勢いを作りなおしになる感じがちょっと気になりました。Youtubeで公開されているMVではそんな印象を受けないのですが、実際に見ると不思議とそんな感じに見えます。15曲目「夢見たアルカディア」もサビの唐突さがちょっと違和感ありますね。一方、このブロック一番良いなと思ったのは13曲目「colorful」です。ダンスが全体的に上品できれいだなと思いました。歌詞も色がふんだんに盛り込まれており、グループ名からくるイメージに一番ぴったりな気がしました。

○まとめ

通しての印象としては今回のライブ、メンバーの実力を存分に示されていたと思います。歌もダンスも現時点で相当高いレベルにあるだろうと思います。結成から1年でここまで到達されるグループと言うのは他になかなか無いのではないでしょうか。ただ上にも書いたとおり、ブロックが細かく区切られており、勢いがなかなか出ない感じを受けました。この点グループ名「疾走」から受けるイメージとは異なるかなという印象です。もう一方の「クレヨン」の方も、歌詞にはあまり色を感じさせる内容ではなく、こちらも少しイメージと異なるかなと言った印象です。メンバーは実力が高いので、見せ方が変わればもっと違う印象になるかなと思います。その辺りは2年目以降の伸びしろでしょう。東名阪ツアーも予定されており、今後も積極的に活動されていくようなので、どこかで見る機会があれば是非一度見て確認して頂ければと思います。以上です。