4/25 THE ORGANICS 1st OnemanLive"トーキョードープシティ" | もうね。なにがなんやら

4/25 THE ORGANICS 1st OnemanLive"トーキョードープシティ"

今回は4/25に行われた、THE ORGANICS 1st OnemanLive"トーキョードープシティ"@渋谷aubeについてレポートを書いていきたいと思います。

○イベント概要

いつもはライブの主役であるTHE ORGANICSの大まかな情報を書いていくのですが、ネット上を検索してもあまり情報がなく、詳細は不明です。いただいたフライヤーにはest2021と記載されているので、恐らくグループの結成は2021年なのかなと思います。現在メンバーは三人ですが、この4/25のワンマンライブで那流ちゃんが新加入、それまでは茉夏ちゃん、小麦ちゃんの二人で活動されていたようです。グループのコンセプトは公式ツイッターの名前欄にもある通りChill&Jazzy HipHop Idolになるかと思います。分かりやすいのはHipHopという点。先に書いてしまうと今回のライブで歌われた全曲、正確な定義は分かりませんがヒップホップ・ミュージックの様式にのっとった曲になっていたと思います。私が興味惹かれたのはその直後にあるIdolの部分。あくまでもアイドルであるということが宣言されています。実はこの4/25の3日前まで私はTHE ORGANICSのことを知りませんでした。東京女子流の新*定期ライブの帰りに、この時点では加入前だった那流ちゃんからフライヤーを頂き初めて知りました。見るからにヒップホップシンガーといった雰囲気だったのですが、アイドルだということなので、そのアイドル性が気になり、見に行ってきた次第です。

 

ライブは渋谷aubeで行われました。渋谷aubeはスターラウンジやミルキーウェイ等が入る雑居ビルの5Fになります。開演は19:30から。全てスタンディングとなっておりステージにあまり高さは無かったのですが、観覧には特に支障はありませんでした。開演直前にざっと数えた限りでお客さんは40人ほどといったところ。私は前方で見たのですが、周囲の人とはある程度間隔をとって快適に見ることが出来ました。ライブ中は声を出してもOK、写真撮影を行っている方もいたのですが、特にアナウンスが無かったので関係者なのかはよく分かりませんでした。



○ライブ概要

ライブは予定時刻より5分遅れ、19:35からスタートしました。それではまずセットリストから。

 

THE ORGANICS 1st OnemanLive"トーキョードープシティ"

@渋谷aube セットリスト

Moonbeams -SE-

01.ドープトーキョー

02.Bitter&Sweet

03.can't go back

MC

04.grayscale

05.明晰夢

06.lark

MC

07.Chill The Sunset

08.Still in love

09.loop

MC

10.トロイメライ

11.day

12.蚊取線香

MC

13.New Life

14.alive

15.Lv.1

 

終了は20:50でしたので公演時間は約1時間15分でした。ライブ終了後、若干アンコールが起こましたが、アンコールはありませんでした。全体で15曲なのですが、驚くことに15曲中7曲がこの日初披露とのことでした。ここまで新曲をずらりと並べたライブというのは初めてですね。セットリストを見ていただければ一目瞭然ですが、同じ曲が1曲もありません。今回のワンマンライブにかける意気込みが伝わってきますね。各ブロックは3曲ずつで構成されており、公式ツイート

によると4曲目と10曲目のあとにskitという間がありました。曲と曲の間にある煽りというか語りのことらしく、アイドルのライブでもたまにありますが、セットリストの中に設定されているのは独特ですね。ただ各ブロックが3曲と少なく、skitの入る位置も各ブロックの1曲目の後なので、さっきMCがあったのになと思いました。



○感想

曲は前述の通り、全てヒップホップ・ミュージックの様式を取られていたと思います。聞いた限りではいずれの曲も比較的ゆったりとしたリズムで、言葉を目いっぱい詰め込む感じではありませんでした。ヒップホップ・ミュージック≒ラップのイメージですと、韻を踏む歌詞が多いのかなと思っていましたが、THE ORGANICSはあまり韻を踏むようにはなっていなかったように思います。ボーカルは声を張り上げるようなことはなく、自然体といった感じ。曲調はどちらかというと落ち着いていて憂いを帯びた感じで、Jazzyというよりはbluesyなんじゃないかなと感じました。今回のライブを見る前、イメージしていたのはlyrical schoolやライムベリーなのですが、楽曲の前半部分これを専門用語でヴァースというんですね、ここをあまり抑揚をつけない感じのラップで、後半これもフックというそうですが、こちらをメロディアスに歌われる感じは963に近いかなと思いました。ただ963、といっても「夢?幻?ドロップス」を聞いたくらいなんですが、は可愛い高い声で歌われるのでヒップホップアイドルと言われてもなるほどと思いますが、THE ORGANICSは低めの声で格好良く歌われるので、どの辺にアイドル性を持つのかは正直分かりませんでした。楽曲、歌唱に加え、衣装等もやはりアイドル然とはしていないので、女性ヒップホップグループと言わず、あえてヒップホップアイドルと言うのか、これはあと数回見ないと分からないのかも知れませんね。

 

先に名前を挙げたlyrical schoolやライムベリーにしても、私は対バンライブやリリースイベントで見たくらいなので、1時間超となるヒップホップアイドルのワンマンライブを見たのは今回が初めてになります。そのためヒップホップ・ミュージックを一度にこれだけ聞いたのは初めてになります。最初は曲ごとの違いがあまり分からなかったので、第3ブロックの始めあたりはちょっと飽きがきていました。しかしその後の第4ブロック、10~12曲目はフックの部分のメロディがとても良く、気分が一新され最後まで楽しめました。正確に言うと最もメロディアスに感じたのは9曲目の「loop」で、これを含めた9~12曲目までが一番良かったかなと思います。ちなみに10~12曲目はこの日初披露されたそうなので、そういった辺りも関係しているのかも知れません。

 

第3ブロックあたりで飽きがきたのはメロデイに変化を感じなかったということもありますが、歌詞が聞き取り難かったというのも大きかったです。メンバーの声量は小さいと思わなかったのですが、それ以上にカラオケの音が大きすぎたように感じます。この影響で特にヴァースの部分の歌詞が聞き取りにくかったです。それでも一生懸命聞いてはいたのですが、途中のMCで曲のタイトルを聞いて、そういうことを歌っていたのと驚いた曲がいくつかありました。この中では12曲目の「蚊取線香」にびっくりしましたね。これはメンバーのMC中に語られていたところですが歌詞をとても大事にしていることは伝わってきたものの、それに比してメンバーの声を上書きするようなこのカラオケの大きさはちょっとどうかなと思いました。リズムと雰囲気を楽しめれば良いというなら、これもありかなと思いますが、メンバーが作詞した曲も多数あるということなので、それが聞けないのはもったいないと思いました。

 

今回新メンバーとして加わった那流ちゃん、私は彼女きっかけで今回のライブを見させていただいたので、やはりライブ中は彼女に注目していました。フライヤーを頂いた時にも色々聞かせていただいたのですが、元々は別の仕事をされていたということもありアイドルとしての活動は初めてということでしたが、私の目からするとステージ上の振る舞いも堂々としており、初めてとはとても思えないくらいでした。パフォーマンスもしっかりしており、先輩となる茉夏ちゃん、小麦ちゃんと何ら遜色ない活躍をされていたと思います。ただ逆を言えば、もちろん那流ちゃんが相当な努力をされていたとは思いますが、グループでの活動歴の長さがパフォーマンスの見栄えにあまり影響しないのかなという気もします。さらに踏み込んで言えば、素人目にはあまりグループごとの特色が分からないのかなと思います。例えばこれが一般的なアイドルグループであれば、やはり歌の上手い下手、ダンスの上手い下手はもう少し素人目にもはっきり分かると思います。その上でああこのグループは歌唱力を売りにするんだなとか、ダンスに特化しているんだなということが伝わってきます。これが仮にもう一組ヒップホップアイドル、それもTHE ORGANICSのような本格的なグループとの対バンだった場合、それほど違いは分からなかったと思います。そうなると、あぁやっぱりTHE ORGANICSだなと、THE ORGANICSがもう一度みたいという風になったか疑問です。パフォーマンスとは別の部分で決まっていくかもなと思いました。もう一点、那流ちゃんがここまでのパフォーマンスを見せられるということは、一般的なアイドルグループでは魅力の一つとして演出される、成長物語もなかなか描けないのかなと思いました。

○まとめ

今回はヒップホップアイドルという私自身あまり見たことがないジャンルのグループのライブを見させていただいたのですが、とても考えさせられることが色々ありました。やはり気になるのはアイドル性ですね。ヒップホップシンガーのグループではなく、あくまでもアイドルだとする部分を今回は見い出せなかったのですが、世の中そんなに分かりやすいものばかりではないわけで、また機会があれば見に行きたいなと思いました。パフォーマンスそれ自体も部分部分でとても良いなと思う曲がありました。ただ正直中だるみを感じていた時間帯もあったので、初めてならば5~6曲くらいがちょうど良かったかなと思いました。しかし、アイドルも非常に多様化してきたなと思います。カイジューバイミー、棘-おどろ-、situasion、THE ORGANICSと、花盛りですね。アイドル戦国時代はもう過去。色々なジャンルへ進出を続ける、アイドル大航海時代って感じですね。以上です。