4/29 タイトル未定 「花 / 栞」発売記念イベント@チ・カ・ホ 北3条交差点広場 | もうね。なにがなんやら

4/29 タイトル未定 「花 / 栞」発売記念イベント@チ・カ・ホ 北3条交差点広場

今回は4/29に行われた、タイトル未定 シングル「花 / 栞」 発売記念イベント ミニライブ&特典会@チ・カ・ホ 北3条交差点広場[西]についてレポートを書いていきたいと思います。



○イベント概要

タイトル未定は2020年結成のアイドルグループです。メンバーは4人となっています。北海道を拠点としているのが大きな特徴の一つとなっており、現在のメンバー4人中3人が北海道出身となっております。東京でも見る機会が比較的多いのですが、今回は札幌駅からほど近い地下街、チ・カ・ホ 北3条交差点広場で開催されたリリースイベントとなっております。よくよく考えると地下街でのリリースイベントというのは私自身初めてかも知れません。グループとしての作品はこれまでにアルバムを2021年に1枚リリースされていますが、シングルは2023年4月18日に初めてリリースしたばかり。今回はこのシングルのリリースイベントとなっておりました。イベントは13時と16時からの2回開催されましたが、私が参加したのは13時からの1回のみです。

○ミニライブスタートまで

ライブに先立ち、12:15からリハーサルが行われました。リハーサルでは「花」をフルコーラス、「踏切」を最後のアウトロを省略されていましたがほぼフルコーラス、「栞」を1コーラスのみ歌われて終了となりました。どちらかと言うと、人通りの多いところでの開催でしたから、これからイベントをする告知の意味合いが強いリハーサルだったかなと思いました。その後、CD購入者を対象に観覧エリアへの優先入場がスタートしましたが、変わっていたのは優先入場の整理券が配られなかったこと。早いもの順で入場していったのですが、こういうスタイルは初めてですね。この日は静止画の撮影が可能となっていたのですが、特に混乱もなく粛々と入場が行われておりました。北海道らしい大らかさを感じました。なおフリー観覧も可能となっており、最終的には100人超のお客さんが詰めかけてのミニライブとなりました。なおミニライブはコール・ジャンプが禁止、コールは人通りの多い密閉空間であることもあって当然かなと思いましたが、階下があるわけではないのでジャンプ禁止はどうかと思いましたが、あまりジャンプをする雰囲気の界隈ではないので念のためといった感じでしょうか。

○ミニライブの概要

当初予定通り、ミニライブは13:00よりスタートしました。ピアノソロから始まるオーバーチュアにのってメンバーは登場します。衣装は公式サイトのトップ画に掲載されているもの。白にパステルカラーを合わせ全体的にふわっとしたドレス風の衣装でした。足元も特徴的で、ヒールが低くバレエシューズのようでした。露出が少なく、いかにも清楚な印象を受けました。それではまずセットリストから。


4/29 タイトル未定 「花 / 栞」発売記念イベント

@チ・カ・ホ 北3条交差点広場 1部 セットリスト

01.主題歌
02.夏のオレンジ
03.花
MC
04.鼓動
05.溺れる
06.灯火

 

終了は13:30、約30分で6曲の構成でした。真ん中にMC自己紹介が入り、特にトークはなくパフォーマンスがメインといったミニライブでした。前述の通り、静止画が撮影可となっておりましたが、ファンの皆さんはそれほど撮影に夢中といった感じではなく、場面場面でクラップ、振りコピして楽しむといった雰囲気で、コールは禁止でしたが盛り上がっていました。



○感想

私自身、タイトル未定を見たのは2回目かなと思ったら実は3回目でした。前回は2021年でした。その当時は5人組だったようです。その時は富樫優花ちゃんを中心としたグループという印象だったようですが、今回は阿部葉菜ちゃんが歌唱面の中心といった印象を受けました。二人とも初期メンバーで2回目に見たときも二人のパフォーマンスを見ていたはずなのですが、印象はがらっと変わりました。阿部葉菜ちゃんの声は高い声が特徴的で良く通りますね。他3人はふわっとしていて当たりが優しく、声の感じが全く異なっています。ただ4人とも大きな欠点はなくとても安定しています。今回聞いた限りでは、2曲目「夏のオレンジ」の2番のBメロ、谷乃愛ちゃんが少し弱すぎるかなと思ったところ以外は声量もそこそこあり、音程を外すようなことは皆無でした。根本的に無理をしている感じはなく、各メンバーの声の良い部分だけを活かして上澄みだけを抽出したといった感じ。曲の雰囲気にも合っており、全体的に上質な印象です。

 

その上質さが特に際立って感じたのは6曲目「灯火」です。この曲のAメロはラップパートとなっており、いわゆる昨今流行しているミクスチャの形式を取られているのですが、このラップパートも乱暴な感じも無く、それほど投げやりな雰囲気もなく、やはり上品さを感じる仕上がりになっています。この辺りはタイトル未定ならではのパフォーマンスになっているかなと思います。昨今の流行を上手く取り込みつつ、それを自らの流儀に仕立て上げていく、一つはそういった流行を上手くつかむアンテナを持っているということの現れですし、もう一つは自らの強みを正確に理解しているという現れかなと思います。こういう姿勢を見ていると、セールスのことは全く分かりませんが、長らく活躍していく素養を持つグループなのかなと思いますね。

 

ただ少し物足りないなと思ったのは阿部葉菜ちゃん以外の3人の声がぱっと聴いた限りではあまり違いは感じられず、もう一つ違う声質があれば面白かったかなと思う部分、またふわっとした優しい声質なのでユニゾンになっても厚みや迫力が増すように感じず、あまりユニゾンである必要性を感じなかった点です。一方で5曲目「溺れる」の最後の方のサビにはハモリが入るのですが、こちらは魅力的な仕上がりになっており、こちらの方をもう少し聞きたいかなと思いました。興味深いのは一人よく声が通る阿部葉菜ちゃんもユニゾンに加わると、その特徴が抑え気味となり、それほど目立たなくなる点です。グループとして調和を重視しているのかなと思いました。それはとても美しいのではありますが、私としてはどちらかと言うと個性がぶつかり合って喧嘩しているくらいの方が好みなので、この点も物足りなさを正直感じました。

 

歌唱面は上記の通り、全体的に無理な力みを感じず、流麗で上品なパフォーマンスですが、ダンスはちょっと異なります。通して見ると、大らかであまり汗をかき必死という感じではなく、やはり上品な仕上がりではあるのですが、見せる曲と振りコピをして一緒に楽しみましょうという曲の二つに分かれるかなと思います。2曲目「夏のオレンジ」は後者ですね。サビにある振りは分かりやすく、一度見れば誰でも出来ますし、真似したくなるような振りです。また4曲目「鼓動」もやはりシンプルで真似したくなる振りが含まれています。一方で3曲目「花」は大きく実に優雅で、振りコピも出来なくはないですが、見惚れてしまうようなダンスとなっています。煽りとしては自らクラップする程度で「みんな踊って」とは言わない奥ゆかしいスタイルですが、楽しみ方の誘導は巧みで、ここは見ててね、ここは一緒に踊りましょうというのが一目瞭然。初めて見るよという方もすんなり楽しめるのではないかなと思います。とにかくmixを入れて叫んで踊ってというのがお好みな方には合わないかもしれませんが、基本かわいいアイドルたちのパフォーマンスを見守りつつ、ちょっとは振りコピしたりして軽く汗をかくくらいの楽しみ方をしたいという穏当な現場をお求めの方にはぴったりなアイドルかなと思います。



○まとめ

私にはちょっと物足りなさを感じる部分はあったのですが、全体的に言うととても上質で、タイトル未定を嫌いという人はほとんどいないかなと思います。パフォーマンスはクセが無く、変な力みもなく、良い部分を前面に押し立て明るく朗らか。これはやはり北海道発アイドルという特色があるため、他グループとの差別化を図るために奇をてらう必要がないというのも一つあるかなと思います。そういった部分も強みとして、正攻法で真っ当に進んでいく、そんなイメージですね。今回ファーストシングルをリリースされましたが、今後も長らく活躍を続けられていくのではないかなと思います。

 

北海道を活動拠点としていますが、上にも書いた通り東京でも度々イベントは行われていますし、見る機会は比較的多いかなと思います。また今回は無銭観覧も可能となっていましたし、ミニライブ中は撮影も可に、そしてミニライブ終了後には無料ハイタッチ会も設けられていました。毎回がそのようなレギュレーションとなっている保証はありませんが、現場の空気感としても金銭的にも一般的なアイドル現場よりもイベントに参加するハードルはかなり低いかなと思います。ご近所でイベント開催の際にはぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか。お勧めです。