11/12 カイジューバイミーONEMAN LIVE 「怪獣記」 | もうね。なにがなんやら

11/12 カイジューバイミーONEMAN LIVE 「怪獣記」

2023年最初のレポートは2022年11月12日に行われたカイジューバイミーONEMAN LIVE 「怪獣記」について書いていきたいと思います。



○イベント概要

カイジューバイミーは4人組ロックアイドルグループです。プレデビューは2020年12月ですが、正式デビューは2021年7月になります。作品としては2021年11月に1stアルバムをリリースされており、今回のワンマンライブは1stアルバムリリースよりほぼ1年となります。今回のライブについて特にそういった副題は付けられていませんでしたが、2022年7月の結成1周年記念ライブと同じく、今回も会場は渋谷CLUB QUATTRO。前回はソールドアウトしなかったということで今回はリベンジ戦の趣きが強く、公演直前までメンバー・運営は強い意気込みを見せられていました。ツイッターではメンバー全員が揃って土下座し、来場をお願いする動画をアップされており、そこまでされて行かないのはさすがに不義理というもので、私も早速チケットを購入し、行ってきました。調べてみると私自身、カイジューバイミーのライブを見るのは約半年ぶりとなります。

 

会場は前述の通り、渋谷CLUB QUATTRO。今回は見事ソールドアウトということで会場はほぼ満員。公演開始直前にざっと数えた限り、お客さんは約200人強といったところでした。会場はオールスタンディング、ステージ向かって右側には女性専用エリアもありました。私は一番安いチケットで番号もそれほど良くは無かったのですが、前方5列目ほぼ中央で見させて頂きました。ステージ自体高さがあったので、とても見やすかったです。カイジューバイミーはロックアイドルを自称するだけあってその楽曲はロック色が強いですが、客席でモッシュが起こったりすることは当然なく、私の周りではお客さんがライブ中ウロウロすることもなく、ゆったりと見ることが出来ました。会場全体を見ていたわけではありませんが、誰にとっても安心してライブを見ることが出来るか環境だと思います。

○ライブスタート

ライブは19:40にスタートしました。まずはいつものオーバーチュアにのってメンバー一人一人が登場します。全員揃ったところで1曲目に入っていきます。1曲目は「全力シルエット」、そこから5曲連続となります。2曲目は「絶望にもファンファーレは響く」、3曲目は「マッカ帝国」、4曲目が「抹消」、5曲目が「ブラックホール」でした。1、2、5曲目は1stアルバム収録曲、3曲目「マッカ帝国」は私も前回参加したライブで初披露されたので聞いたことがありますが、4曲目「抹消」は今回初めて聞きました。そんな久しぶりな私ですが、前回と比べて変わったなと思ったのは、ミーアちゃんの歌ですね。前回までは華希ちゃん、ミーアちゃん、菜月ちゃんと比べて歌唱力にそれほど差があるとは思いませんでしたが、3人のような強い個性は正直あまり感じませんでした。どちらかと言えば楽曲ごと、ライブごとに振舞いが変わるといった感じで、それが即ち不安定とは言えませんが、こと歌に関してはちょっと3人の中で埋没気味な印象でした。それが今回ミーアちゃんは個のスタイルを確立した感じを受けました。もっとも1回しか見ていないので、この次の回はまた変わっているかも知れませんが、とにかく私は私といった堂々とした雰囲気を感じました。1曲目からそれは感じたのですが、このブロックで最も強く感じたのは3曲目「マッカ帝国」でした。Bメロにミーアちゃんソロパートがあり、雄叫びが入っていたのですが感情がこもっていて、曲がよりぐっと活き活きした感じになりましたね。2番のAメロも含めて曲のかじ取りをしていたのはミーアちゃんだった印象が強く、この曲に限って言えば彼女が主役だったように思いました。

 

その他このブロックで印象に残ったのは5曲目「ブラックホール」。始まりはステージ全体を暗くし、照明は上からのスポットライトのみの状態で孤独感を強く印象付けられていました。曲世界のイメージをより具体化する演出は、CDを聞いていただけでは味わえないライブならではといったところですね。メンバーで目立っていたのは華希ちゃん。2番のAメロいソロパートがあるのですが、可愛い声からの変化がはっきりしており、曲の持つ面白さをより引き立てていたように思います。

○中盤

5曲目を終えたところでMC、自己紹介がありました。あまり長い時間は取られませんでしたが、主に本公演が1周年記念ライブのリベンジである旨などが語られていました。カイジューバイミーのMCはほぼほぼ毎回、重めな内容になりますね。昨日泊まったホテルでどうのこうのと言った、軽い小話は聞いた記憶がありません。それもまたカイジューバイミーらしさかなと思います。

 

MCが終わっての6曲目は「フリージア」。カイジューバイミーの楽曲の中では曲調も描かれている世界観も穏やかで、最もとっつき易い曲かなと思います。私はこの曲が一番好きですね。セットリストに含まれていて良かったです。7曲目が「永遠のメロディ」。この曲の2番のAメロに菜月ちゃんのソロパートがあるのですが、今回も菜月ちゃんはステージ向かって左端に立って歌っていました。一般的に言ってソロパートを歌う場面はセンターに立つことが多いと思いますが、菜月ちゃんはそんな場面でもあまりセンターポジションにいません。そればかりか客席に背中を向けて歌っていることもあったりで、一瞬どこで誰のパートなんだろうと分からなくなったりします。これも一つの持ち味で、見る側の人によって受け取り方は様々でしょうが、面白さの一つかなと思います。8曲目は「熱帯魚」、こちらも私は初めて聞く曲となります。特徴的なのは最初から最後までソロパートのみで構成されている点ですね。個性の強いメンバーの表現の違い等々を堪能出来る1曲かなと思います。曲の冒頭から「ネオンの樹海」「Blue」「サーカス」というワードが含まれ、そもそもタイトルが「熱帯魚」と、カイジューバイミーの楽曲としてはとてもカラフルなイメージを想像させる点も珍しいかなと思います。間違いなくカイジューバイミーの曲なのですが、カイジューバイミーの曲ではないような、どこか違った雰囲気を持つ面白い曲ですね。この後MCが入り、再び今回のライブのソールドアウトに掛ける気持ちなどが語られました。

○終盤戦~アンコール

2回目のMCの後は9曲目から14曲目まで一気の展開でした。9曲目「純白少女」10曲目「RAIGEKI」は菜月ちゃんの高い声によるシャウトがとても印象的でした。菜月ちゃんのボーカルは一見すると荒削りな感じがしますが、こういったところで声が裏返ったり、かすれたりする場面を私は見たことがありません。寸分の狂いもない完璧なパフォーマンスをされますね。12曲目「全力シルエット」は1曲目に歌われております。今回のライブでは「スローモーション」が入っていなかったのですが、あえて「全力シルエット」を2回歌った意図は、正直わかりませんでした。変化があったのは次の13曲目「スタンドバイミー」です。12曲目の後、ステージは暗転し、しばらく沈黙が続いていました。カイジューバイミーのライブではこれまでも曲のアウトロが流れている最中にメンバーが退場していき本編が終了ということもありましたし、曲数も曲数なのでこれで終わりなのかなと思いました。ライブ終盤の展開はなかなか読めないですね。一体どうなるのか、そろそろ焦れてきたところで華希ちゃんのアカペラによるソロから「スタンドバイミー」が始まりました。シンプルながら意外な展開で、今回のライブの一つの山場だったかなと思います。続いて14曲目「茜」が本編最後となります。こちらも私は聞いたことがなかったのですが、どうも初披露だったようです。とてもメロディアスな曲で、こちらもこれまでのカイジューバイミーとはちょっと違う印象を受けました。以上で本編終了、20:35まで1時間弱でした。

 

この後アンコールがあり、約10分後、20:45からライブは再開されました。Tシャツ衣装に着替えてメンバーが再登場、まずは記念の写真撮影が行われ、告知があった後、アンコール「I love you」が歌われました。アンコールはこの1曲のみでライブは全て終了。時刻はちょうど21:00でした。以降は特典会となります。

 

11/12 カイジューバイミーONEMAN LIVE 「怪獣記」

セットリスト

01.全力シルエット
02.絶望にもファンファーレは響く
03.マッカ帝国
04.抹消
05.ブラックホール
MC

06.フリージア
07.永遠のメロディ
08.熱帯魚

MC
09.純白少女
10.RAIGEKI
11.無人島カルテット
12.全力シルエット
13.スタンドバイミー
14.茜
アンコール
en1.I love you

○まとめ

今回久しぶりにカイジューバイミーのライブを見たのですが、上にも書いたとおり約半年前と比べてミーアちゃんの歌が変わったというのが、一番印象的でした。表面的な言い方をしてしまえば2021年に正式デビューし、1年半を経たアイドルグループのワンマンライブ、普通であれば成長を感じた、なんて感想になりそうですが、ことカイジューバイミーに関して言えば、そういった部分は全く感じませんでした。半年前もほぼほぼ完成されたパフォーマンスをされていたと思います。違いを感じたミーアちゃんにしても、繰り返しになりますが歌唱力が低いわけではなく、強烈な3人の中で負けない個性を確立されたと感じたのでもうほぼほぼカイジューバイミーとしては完璧な状態なのではないかなと思います。まだカイジューバイミーのライブを見たことがないと言う方、ぜひ見ていただければと思います。対バン・ワンマンライブ、いずれの形式でもカイジューバイミーはこうなんだ、ということを感じられると思います。もちろん好みがありますので、合わないなという方もいるかも知れませんが一度は見て欲しいですね。逆に言うと、パフォーマンスは非常に安定しているので一般的なパフォーマンスの成長物語は期待できないかなと思います。その点、カイジューバイミーの唯一の弱点かも知れませんね。以上です。