4/10カイジューバイミー「雷進撃~光と腿と堪能編~」#2 | もうね。なにがなんやら

4/10カイジューバイミー「雷進撃~光と腿と堪能編~」#2

今回は4/10に行われたカイジューバイミー「雷進撃~光と腿と堪能編~」@渋谷チェルシーホテルのレポートの続きを書いていきたいと思います。前回は6曲目まで書きました。

 

 

○ライブ後半

前回も書きましたが今回のライブは2曲目の後にMCが入ったきりで、以降は最後まで曲が連続していました。7曲目は「無人島カルテット」。この曲でもこれまでと異なり前奏部分にギターソロが加えられていました。私は若干不気味な印象を受けました。この曲はビジュアル面でも強いインパクトがありますね。特にサビで首を上下に振る動きは印象的です。ミーアちゃんの髪の乱れがよりインパクトを強めていたように思います。今回はポイントポイントでミーアちゃんの動きや歌が目立っていました。続けての8曲目は「全力シルエット」。この曲でMCから6曲連続。この辺りまでくると、これはもう最後までMCを入れず突っ走っていくのかなと思いました。ここまで連続していると疲れが見えてくるかなと思ったのですが、パフォーマンス自体はパワフルでした。さすがに客側を煽るようなことは少なくなってきましたが、パフォーマンスへの集中が非常に高まっている、そんな印象を受けました。

 

9曲目は「RAIGEKI」。今回のライブはとにかくミーアちゃんのパフォーマンスが目に入ってきていましたが、ここでもミーアちゃんが目立っていたように思います。この曲では1番のAメロのミーアちゃんのソロ、曲調に合わせた歌い方が出来る彼女ですが、ここでは荒々しく攻撃的な感じ。このカラーが出せるのが彼女の本来の持ち味なのかなと思いました。曲の後半、間奏明けにある最後のサビのソロでは客に目を合わせず、うつむきながら歌う様子もまた雰囲気に合っていてとても良かったなと思いました。10曲目が「純白少女」、ここまでで8曲連続となりましたがパフォーマンスはとても安定していたと思います。ここまで来てもクオリティが落ちないというのが凄いですね。加えて、この曲では短い時間に白い光を点滅させる照明を非常に効果的に使われていて、演出面でもダレた感じは全くありませんでした。

 

本編最後となる11曲目は「ブラックホール」。ライブ本編にしてもアンコールにしても最後をこの「ブラックホール」にする、というのは珍しいなと思います。私もたくさんカイジューバイミーのライブを見ているわけではないのですが、それでも珍しいなと思いました。と言うのも、ライブの最後はやはり「楽しかったね」で終わりたいもので、その楽しかった余韻であったり、次も楽しみになるような明るさがありそうなものですが、光さえも吸収してしまう「ブラックホール」がタイトルということからして、この曲にはその種の明るさがありません。歌詞もそうですが絵的にも同様な演出がされており、前回の雷進撃においても暗いステージの中センターに菜月ちゃん、ステージの四方にメンバーが立ち、それぞれ違う方向を向いているというエンディングでした。解釈は様々かと思いますが、私は絶望するほどの孤独を感じました。もちろんカイジューバイミーも暗い曲ばかりではなく、「スローモーション」など楽しかった余韻を強く引く曲もあり、よくライブの最後に使われます。ではなぜ今回は「ブラックホール」を最後にしたのでしょうか。

 

この曲の最後は菜月ちゃんのソロになっています。今回は菜月ちゃんが歌っている途中でメンバーが退場していくエンディングが取られました。ここから私は、ライブ本編の締めの意図を持ってこの曲を持ってきたのではなく、「ブラックホール」のエンディングの演出として、ボーカル以外全員退場という場面を作り出すために、ライブの最後に持ってきたのではないかなと思いました。前回のレポートでも私は今回会場となったチェルシーホテルは前回のサイクロンより狭く、照明もシンプルだと書きました。ですから前回同様「ブラックホール」のエンディングとして菜月ちゃん以外をステージ四隅に立たせ照明を落としても、強い孤独感を生み出すまでには至らなかったのではないでしょうか。その代りに歌う菜月ちゃんの後ろを素通りさせることで存在感を出しつつ、ステージに一人だけ残すという演出を取られたのだと思います。もちろん次の曲があるのにメンバーが退場するのはおかしい、またすぐに出てくるというのも格好悪い、じゃあライブ本編の最後だということではなかったのかなと。勿論メンバーほか誰にも演出の意図を聞いたわけではないので勝手な話なわけですが、こういう解釈を自分なりに加えていく、これがとても楽しいですね。メンバーの強い個性が先行しがちですが、そのパフォーマンスには意図があり、歯ごたえがあるものの終わった後も楽しめる、それもまたカイジューバイミーの魅力ではないかなと思います。

○アンコール

ライブ本編は前述の通り、11曲目「ブラックホール」で菜月ちゃんの「ありがとう」のセリフをもって締めとなりました。ライブはここで終わりではなくアンコールが起こり、およそ5分ほど経ってメンバーが再登場します。アンコールではまずはMCが入り、ここでようやく新曲「マッカ帝国」について触れられていました。そしてこのタイミングで「雷進撃」は次回開催が未定であり、定期公演ではないことが語られました。これについては思うところがありますが一旦先に進みます。アンコール1曲目はこのMCでも触れられた「マッカ帝国」。そして2曲目が「スローモーション」でした。以上でライブは終了、以降は特典会となりました。

 

以上で「雷進撃~光と腿と堪能編~」が終了しました。今回は色々変わったことがありましたが、絞るとするなら本編とアンコールどちらも1曲目に新曲「マッカ帝国」が入ったことと、2曲目の後にMCを入れた後は11曲目まで連続だった、この2点が大きかったかなと思います。それ以外は曲順に違いがあるものの、歌われる曲はファーストアルバム「純白BY ME」を基本としているだけに違いはほぼありません。現環境において定期公演を行おうとするならば、一般的なアイドルグループですとカバー曲を入れる、衣装を変える等されるかと思いますが、恐らくカイジューバイミーはそうされないのではと事前に予想はしていました。結果やはりそういう構成とはされず、歌われる曲はほぼ同じなものの9曲連続とし、まったく異なるライブに仕立て上げられました。これは私の予想を超えており、純粋に凄いと思いました。そしてアンコール後のMCでは主にエレナちゃんから雷進撃が定期公演でないことが語られました。言葉を選びながらのコメントだったため、意味の捉えにくいところがありましたが、マンネリなライブはしないし、定期のために自らのスタイルを曲げるようなことはしない宣言と私は受け止めました。と同時にアーティストとして真っ当であるし、カイジューバイミーは非常に信頼のおけるグループだなと思いました。

○まとめの感想

今回はライブを通し、カイジューバイミーとしての姿勢を示されたということで、非常に大きな回となったのではないかなと思います。それは上に書いた通りです。ライブ単体としても、とても素晴らしかったです。8曲連続であってもそのクオリティは落ちることなく、総合的なパフォーマンスの力は安定していることを示されたと思います。雷進撃の開催は今のところ未定ではありますが、どのような形態となっても常に最高なパフォーマンスを提供されることでしょう。今回特にその活躍が目立ったのはミーアちゃんでした。強烈な個性を放つメンバーの中にあって、曲に合わせたパフォーマンスが出来る彼女もまたカイジューバイミーに欠かせないメンバーであると改めて思いました。MCにおいてもまとめるコメントをされており、その冷静さによって全体のバランスを見事に取られていました。あらゆる場面で強い存在感を示していました。カイジューバイミーは引き続き活発なライブ活動を行われていますが、6/4に予定されているワンマンライブ「心臓喝采」は見逃せないかなと思います。以上です。