1月11日に開催された杉並区の成人式で君が代を歌う場面になって起立して歌わなかった議員がいたことについて、田中ゆうたろう杉並区議が自身のブログの記事で、「ああいう破廉恥な議員は即刻つまみ出してもらいたいものです」などと、ほとんどヘイトスピーチ(憎悪表現)といってもいいような表現で非難している。

http://blog.tanakayutaro.net/article/171739505.html

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(一部引用)

毎年のことではあるのですが、今年もやはり、式典冒頭の国歌斉唱で、起立もせず、国旗に正対もせず、もちろん君が代など歌いもしない、実にみっともない議員が若干名存在していたのです。
大勢の新成人が見ている前で、いい年をしたオジサンやオバサン、それも区民の負託を受け議席を頂戴している者達が、座ったままだんまりを決め込んでいるのです。
一体何を考えているのでしょうか。
同じ議員として恥ずかしい、また新成人の皆様にはせっかくの晴れの門出を汚してしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
本当に、ああいう破廉恥な議員は即刻つまみ出してもらいたいものです。
新成人の皆様、わかっておられると思いますが、マネしないで下さいね。
そして、できれば名前や顔を覚えておき、次の選挙でさっそく今日のお返しをしてやることです。
本当に、ああいう破廉恥な議員は即刻つまみ出してもらいたいものです。 新成人の皆様、わかっておられると思いますが、マネしないで下さいね。 そして、できれば名前や顔を覚えておき、次の選挙でさっそく今日のお返しをしてやることです。

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 日の丸・君が代をどう思うかは個人の気持ちの問題であって、それぞれちがうのは当然である。そして公の場で起立なり歌うことを主催者が呼びかけたときにどのように行動するかも、それぞれの自由である。日の丸に正対せず、君が代を立って歌わない人を見た田中氏が「破廉恥だ」と感じること、みっともないと感じること、晴れの門出を汚した、出席した新成人に対して申し訳ない、「即刻つまみ出してもらいたい」と思うこと、それ自体は田中氏の内心の自由である。

 しかし個人的に思ったことをブログといった公の場で発言するとなると別である。田中氏は、破廉恥だからつまみだしてほしい、と公言している。これはすなわち、自分とちがう考えを排除しようとする行為にほかならない。他者を尊重しない傲慢な問題発言というほかない。議会制民主主義を実現するために選出された議員という立場がまったく理解できていない。

大日本帝国の侵略戦争でときの政府や軍、軍属がどれほどの破廉恥で残虐な行為をおこなったかを考えれば、またその侵略の場面につねに「日の丸」と「君が代」があったことを考えれば、起立したくない、歌いたくないと思うほうが当然だろう。それを「つまみ出してもらいたい」と議員の立場にありながら言うこと自体、歴史に目を閉じたはずかしい行為というべきである。