自民党杉並区議会議員が政務活動費で"宣伝ビラ"大量印刷
2016/1/8
「杉並区議会自由民主党/私たちは杉並区の専門家です」
そんな大見出しのついたA3版両面カラー刷りのチラシが杉並区内14万戸に新聞折り込みで配布されたのは2015年はじめのことだ。チラシには自民党杉並区議12人の写真とプロフィールが掲載されている。自民党の宣伝ビラにしかみえないシロモノだが、この印刷費の大半にあたる80万円が区民の税金から出されていることがわかった。
2014年度政務活動費収支報告書と添付された領収書類によれば、15年1月28日付で、上記チラシ15万2250枚の印刷代120万円のうち80万円が自民党区議8人の政務活動費から払われていた。支出先は株式会社佐野(杉並区堀ノ内)。請求書の宛名は杉並区議会自由民主党で、品名は「討議資料」となっている。また「新聞折り込み分14万6250枚」「個人使用分6000枚」とある。
自民党区議会議員は12人おり、それぞれが10万円ずつ出したとみられるが、政務活動費でまかなったのはこのうち8人。領収書の宛名は各議員名で、ただし書きは「討議資料」となっている。
政務活動費を支出した自民党区議はつぎの8人。
・大熊昌巳
・今井ひろし
・大和田伸
・小泉やすお
・富本卓
・はなし俊郎
・脇坂たつや
・吉田あい
残りの4人は議員報酬や期末手当などの収入から出したか、政治資金でまかなったとみられる。
政務活動費は政治活動や選挙活動、政党活動には使えない。切り分けが難しい場合は按分して分ける努力をするのが原則だ。
ところが、問題のチラシの印刷費を政務活動費で支出した自民党議員らは、8人全員がまったく按分をせず、負担分の10万円をすべて公費で支出している。チラシの内容はあきらかに政治活動の趣旨が濃厚で、税金をつかって党や自身の宣伝をしているに等しい。
チラシをみると、面積の約半分が議員らの写真や名前、「自由民主党」の大文字で占められている。名前や写真を広く区民に知らせることが「政務活動」というのは苦しいだろう。あきらかに政治活動というべきである。つぎに記事部分をみても、自民党議員の実績を自画自賛する内容ばかりで、やはり宣伝色が強い。そもそも議員が有権者に向けて報告をする際、政治活動の意味をもたないというのはあり得ない。
つまり、写真やタイトル部分は100%政治的な活動、記事は甘くみても50%が政治的活動とみるべきだろう。結論として、按分25%が妥当ではないか。議員ひとりの支出上限は2万5000円である。
政務活動費の前身は政務調査費だった。不明瞭な補助金が出されていることに対する批判から、透明化と使途の明確化をめざして立法化されたのがはじまりだ。「政治活動には使えない」という部分がとくに重要なのだが、自民党杉並区議会議員にそれが理解できているのかは疑わしい。
「杉並区の専門家」を名乗るのであれば、即刻返金すべきである。それをしないのであれば、「杉並区の”税金をかすめとる”専門家」と改めたほうがより正確だろう。
2016/1/8
「杉並区議会自由民主党/私たちは杉並区の専門家です」
そんな大見出しのついたA3版両面カラー刷りのチラシが杉並区内14万戸に新聞折り込みで配布されたのは2015年はじめのことだ。チラシには自民党杉並区議12人の写真とプロフィールが掲載されている。自民党の宣伝ビラにしかみえないシロモノだが、この印刷費の大半にあたる80万円が区民の税金から出されていることがわかった。
2014年度政務活動費収支報告書と添付された領収書類によれば、15年1月28日付で、上記チラシ15万2250枚の印刷代120万円のうち80万円が自民党区議8人の政務活動費から払われていた。支出先は株式会社佐野(杉並区堀ノ内)。請求書の宛名は杉並区議会自由民主党で、品名は「討議資料」となっている。また「新聞折り込み分14万6250枚」「個人使用分6000枚」とある。
自民党区議会議員は12人おり、それぞれが10万円ずつ出したとみられるが、政務活動費でまかなったのはこのうち8人。領収書の宛名は各議員名で、ただし書きは「討議資料」となっている。
政務活動費を支出した自民党区議はつぎの8人。
・大熊昌巳
・今井ひろし
・大和田伸
・小泉やすお
・富本卓
・はなし俊郎
・脇坂たつや
・吉田あい
残りの4人は議員報酬や期末手当などの収入から出したか、政治資金でまかなったとみられる。
政務活動費は政治活動や選挙活動、政党活動には使えない。切り分けが難しい場合は按分して分ける努力をするのが原則だ。
ところが、問題のチラシの印刷費を政務活動費で支出した自民党議員らは、8人全員がまったく按分をせず、負担分の10万円をすべて公費で支出している。チラシの内容はあきらかに政治活動の趣旨が濃厚で、税金をつかって党や自身の宣伝をしているに等しい。
チラシをみると、面積の約半分が議員らの写真や名前、「自由民主党」の大文字で占められている。名前や写真を広く区民に知らせることが「政務活動」というのは苦しいだろう。あきらかに政治活動というべきである。つぎに記事部分をみても、自民党議員の実績を自画自賛する内容ばかりで、やはり宣伝色が強い。そもそも議員が有権者に向けて報告をする際、政治活動の意味をもたないというのはあり得ない。
つまり、写真やタイトル部分は100%政治的な活動、記事は甘くみても50%が政治的活動とみるべきだろう。結論として、按分25%が妥当ではないか。議員ひとりの支出上限は2万5000円である。
政務活動費の前身は政務調査費だった。不明瞭な補助金が出されていることに対する批判から、透明化と使途の明確化をめざして立法化されたのがはじまりだ。「政治活動には使えない」という部分がとくに重要なのだが、自民党杉並区議会議員にそれが理解できているのかは疑わしい。
「杉並区の専門家」を名乗るのであれば、即刻返金すべきである。それをしないのであれば、「杉並区の”税金をかすめとる”専門家」と改めたほうがより正確だろう。