原発がどんなものか知ってほしい~平井憲夫 | ★STOP!放射能ガレキ全国拡散!玄海、泊~全原発!子供虐殺!不妊ワクチン&殺精子コーン&六ケ所&祝島

原発がどんなものか知ってほしい~平井憲夫

すごく胸を痛めました。以下のサイトは是非読んでみてほしいです。


原発がどんなものか知ってほしい  <http://www.iam-t.jp/HIRAI/index.html#about >


六ヶ所村再処理工場の本格稼動を止めよう さんのブログで知りました。)

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平井さんは二○年間、原子力発電所の現場で働いていた人。彼は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話を語ります。原発がみなが思っているようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることを教えてくれます。


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 北海道泊原発の隣の共和町での講演の話。父母と教職員が半々くらい、三百人くらいの人。その中に中学生や高校生も。原発は大人の問題ではない、子どもの問題だからと聞きに来ていた。 質問はありませんかというと、中学二年の女の子が泣きながら手を挙げて言いました。 


 「今夜この会場に集まっている大人たちは、大ウソつきのええかっこしばっかりだ。私はその顔を見に来たんだ。どんな顔をして来ているのかと。今の大人たち、特にここにいる大人たちは農薬問題、ゴルフ場問題、原発問題、何かと言えば子どもたちのためにと言って、運動するふりばかりしている。

私は泊原発のすぐ近くの共和町に住んで、二四時間被曝している。原子力発電所の周辺、イギリスのセラフィールドで白血病の子どもが生まれる確率が高いというのは、本を読んで知っている。私も女の子です。年頃になったら結婚もするでしょう。私、子ども生んでも大丈夫なんですか?」


と、泣きながら三百人の大人たちに聞いた。 でも、誰も答えてあげられない。


 「原発がそんなに大変なものなら、今頃でなくて、なぜ最初に造るときに一生懸命反対してくれなかったのか。まして、ここに来ている大人たちは、二号機も造らせたじゃないのか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ」


ちょうど、泊原発の二号機が試運転に入った時だった。


 「何で、今になってこういう集会しているのか分からない。私が大人で子どもがいたら、命懸けで体を張ってでも原発を止めている」

 「二基目が出来て、今までの倍私は放射能を浴びている。でも私は北海道から逃げない」


泣きながら訴えました。 私が

「そういう悩みをお母さんや先生に話したことがあるの」

と聞きましたら、

「この会場には先生やお母さんも来ている、でも、話したことはない」

女の子同志ではいつもその話をしている。結婚もできない、子どもも産めない


これは決して、原子力防災の八キロとか十キロの問題ではなく、五十キロ、一〇〇キロ圏でそういうことがいっぱい起きている。そういう悩みを今の中学生、高校生が持っていることを知ってほしい。


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びっくりした美浜原発細管破断事故!

 皆さんが知らないのか、無関心なのか、日本の原発はびっくりするような大事故を度々起こしています。スリーマイル島とかチェルノブイリに匹敵する大事故です。一九八九年に、東京電力の福島第二原発で再循環ポンプがバラバラになった大事故も、世界で初めての事故でした。

 そして、一九九一年二月に、関西電力の美浜原発で細管が破断した事故は、放射能を直接に大気中や海へ大量に放出した大事故でした。

 チェルノブイリの事故の時には、私はあまり驚かなかったんですよ。しかし、美浜の事故の時はもうびっくりして、足がガクガクふるえて椅子から立ち上がれない程でした。

 この事故はECCS(緊急炉心冷却装置)を手動で動かして原発を止めたという意味で、重大な事故だったんです。ECCSは、原発の安全を守るための最後の砦に当たります。これが効かなかったらお終りです。だから、ECCSを動かした美浜の事故というのは、一億数千万人の人を乗せたバスが高速道路を一〇〇キロのスピードで走っているのに、ブレーキもきかない、サイドブレーキもきかない、崖にぶつけてやっと止めたというような大事故だったんです。

 原子炉の中の放射能を含んだ水が海へ流れ出て、炉が空焚きになる寸前だったのです。日本が誇る多重防護の安全弁が次々と効かなくて、あと〇・七秒でチェルノブイリになるところだった

土曜日、たまたまベテランの職員が来ていて、自動停止するはずがしなくて、とっさの判断で手動で止めて、世界を巻き込む大事故に至らなかったのです。日本中、いや世界中の人が本当に運がよかったのです。

 二ミリの細い配管についている触れ止め金具、何千本もある細管が振動で触れ合わないようにしてある金具が設計通りに入っていなかったのが原因でした。施工ミスです。そのことが二十年近い何回もの定検でも見つからなかったんですから、定検のいい加減さがばれた事故でもあった。入らなければ切って捨てる、合わなければ引っ張るという、設計者がまさかと思うようなことが、現場では当たり前に行われているということが分かった事故でもあったんです。


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素人が造る原発

 原子炉の中に針金が入っていたり、配管の中に道具や工具を入れたまま配管をつないでしまったり、人が間違える事故、ヒューマンエラーがあまりにも多すぎます。現場にブロの職人が少なく、いくら設計が立派でも、設計通りには造られないから。

机上の設計議論は、最高の技量を持った職人が施工することが絶対条件。しかし、原発を造る人がどんな技量を持った人であるのか、現場がどうなっているのかという議論は1度もされない。

作業者から検査官まで総素人によって造られているのが現実ですから、原発や新幹線、高速道路がいつ大事故を起こしても不思議はないのです。

原発の設計も優秀で、二重、三重に多重防護されていて、どこかで故障が起きるとちゃんと止まるようになっています。しかし、これは設計の段階までです。施工、造る段階でおかしくなってしまう。 

家を建てる時一級建築士に設計をしてもらっても、大工の腕が悪かったら雨漏りします。

残念ながら、これが日本の原発です。

 ひとむかし前までは、現場作業には、棒心(ぼうしん)と呼ばれる職人、現場の若い監督以上の経験を積んだ職人が班長として必ずいました。職人は自分の仕事にプライドを持っていて、事故や手抜きは恥だと考えていましたし、事故の恐ろしさもよく知っていました。それが十年くらい前から、現場に職人がいなくなりました全くの素人を経験不問という形で募集しています。素人の人は事故の怖さを知らない、なにが不正工事やら手抜きかも、全く知らないで作業しています。それが今の原発の実情です。

 例えば、東京電力の福島原発では、針金を原子炉の中に落としたまま運転していて、1歩間違えば、世界中を巻き込むような大事故になっていたところでした。本人は針金を落としたことは知っていたのに、それがどれだけの大事故につながるかの認識は全然なかったのです。そういう意味では老朽化した原発も危ないのですが、新しい原発も素人が造るという意味で危ないです。

 現場に職人が少なくなってから、素人でも造れるように、工事がマニュアル化されました。マニュアル化というのは図面を見て作るのではなく、工場である程度組み立てた物を持ってきて、現場で1番と1番、2番と2番というように、ただ積木を積み重ねるようにして合わせていくんです。すると、今、自分が何をしているのか、どれほど重要なことをしているのか、全く分からないままに造っていくことになるのです。こういうことも、事故や故障がひんぱんに起こるようになった原因。 放射能の被曝の問題があって後継者を育てることが出来ない。現場は暗くて暑いし、防護マスクも付けていて、互いに話をすることも出来ない。身振り手振りでちゃんとした技術を教えることができません。腕のいい人ほど、年問許容線量を使ってしまって中に入れなくなります。だから、よけいに素人でもいいということになってしまう。 溶接職人ですと目がやられます。30歳すぎたらもうだめで、細かい仕事が出来なくなります。すると、細かい仕事が多い石油プラントなどでは使いものになりません。まあ、日当が安くても、原発の方にでも行こうかなあということになります。

 皆さんは原発というのはとても技術的に高度なものだと思い込んでいるかも知れないけれど、そんな高級なものではないのです。 素人が造る原発ということで、原発はこれから先、本当にどうしようもなくなってきます。


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普通の職場環境とは全く違う

 放射能というのは蓄積します。いくら徴量でも十年なら十年分が蓄積します。これが怖いのです。日本の放射線管理というのは、年間50ミリシーベルトを守ればいい。 例えば、定検工事ですと三ケ月くらいかかりますから、それで割ると一日分が出ます。でも、放射線量が高いところですと、一日に五分から七分間しか作業が出来ないところもあります。しかし、それでは全く仕事になりませんから、三日分とか、一週間分をいっぺんに浴びせながら作業をさせるのです。これは絶対にやってはいけない方法ですが、そうやって10分間なり20分間なりの作業ができるのです。そんなことをすると白血病とかガンになると知ってくれていると、まだいいのですが……。電力会社はこういうことを一切教えません。

 稼動中の原発で、機械のネジが一本緩んだことがありました。動いている原発は放射能の量が物凄いですから、その一本のネジを締めるのに働く人三十人を用意しました。一列に並んで、ヨーイドンで七メートルくらい先にあるネジまで走って行きます。行って、一、二、三と数えるくらいで、もうアラームメーターがビーッと鳴る。中には走って行って、ネジを締めるスパナはどこにあるんだ?といったら、もう終わりの人もいる。ネジをたった一山、二山、三山締めるだけで百六十人分、金額で四百万円くらいかかりました

 なぜ、原発を止めて修理しないのかと疑問に思われるかもしれませんが、原発を一日止めると、何億円もの損になりますから、電力会社は出来るだけ止めないのです。放射能というのは非常に危険なものですが、企業というものは、人の命よりもお金なのです。