以前、株価の値動きについて、

非ランダムウォークと主張してしまった。(下記↓)



しかし「ランダムではない」 は厳密には誤りで
「バイアスのあるランダムウォークに従う」 が

正しい言い方でした。

お詫びして訂正いたします・・・


-------------------以前の記事-----------------------------------------------




おれが、昔の同級生や後輩と飲んでいたときのハナシ。


となりに座っているやつ(経済学部卒業)に、

株価の動きについての自説(といってもマンデブロ先生の受け売り・フラクタル仮説)をぶちあげていた。



この会話が耳に入ったのか、

音も無く俺の隣に座った男がいた。



彼(Bとする)は、高校時代の後輩で、

その後、某旧七帝大の数学科にすすみ、大学院を修了した(=おそらく数学の博士号を持っている)

男である。


彼は俺のいすに座るなりこう言った。


「株価の動きはランダムですよ」




おれは、Bクンほど数学に真剣に取り組んだことはなかったので

彼の話を聞くことにした。


いろいろ話していると、

彼もバカではないから、

フィッシャー・ブラックや ショールズの構築した

金融工学の重大な欠陥には気づいているようであった。


彼は「金融工学なんて科学じゃないっすよ」とまで言いのけた。


しかし、ここでBクンの考え・主張に

重大な矛盾が生じるのだ!



株価はランダムに動き、正規分布に従うという命題が正しければ


ブラックや ショールズの構築した理論は、

それ以降の展開に誤りは(おそらく)無いのだ。


「株価はランダムウォークする」という命題を真とするのならば、

金融工学にケチをつけることはカナリ無理がある。


Bクンは株価が正規分布に従わず、裾野が広いこと、

「めったに起こるはずの無いこと」が比較的頻繁(=100年に2度くらいは大暴落が起こる)

に生じていることは分かっていた!


にも関わらず、「株価はランダムウォークしている」と主張するのだ!



このような現象は、まあ個人的にはありがたい。

皆が皆、市場の「非ランダム性」を発見して利用してしまうと、

本当に市場がランダムウォークしてしまうようになり得るからだ。

ランダムウォーク信者が多いにこしたことは無い。