カントリー・ミュージックよ永遠なれ! | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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先日のエントリ「音楽史上、最もレコードを売った歌手は?」に対していつも以上のコメントをお寄せいただいたのですが、その中で特に印象的だったのがガース・ブルックスやジョージ・ストレイト、シャナイア・トゥエインといった日本ではほとんど話題にもならないカントリー歌手がランク・インしていることが意外であるというコメントが見受けられたことです。

80年代くらいまでは日本で聴かれる洋楽はビルボードのチャートと連動しているというか、ビルボードの上位に入るような曲であれば、たとえそれがカントリーであれ日本盤として紹介されていたような気がします。その後「渋谷系」を経てJPOPという言葉が定着する90年代半ばころから日本で聴かれる洋楽とビルボードのチャートが連動しなくなっていったような気がします。

80年代くらいまでのバンドや歌手はけっこう洋楽の影響を受けていてファンはその歌手やバンドを通じて洋楽を聴きだしたりみたいなことがあったように思われるのですが、JPOPというジャンルが定着後に現れた歌手やバンドは洋楽ではなく先輩にあたる日本の歌手やバンドの影響を受けて歌い始めるみたいなパターンが増えてきて、その音楽に直截的な洋楽の影響が見えにくくなったこともあって、日本での洋楽のシェアは徐々に下がっていくことになります。

そんな洋楽離れの中で真っ先に切り捨てられてしまったのが「カントリー・ミュージック」だったという気もします。洋楽のシェアがシュリンクしていく中でレコード会社がいかに洋楽を売るかという方法論としては、ひとつはビッグ・アーチストのような世界で愛されているという「箔」で売るか、「渋谷系」以降の聴き方として顕著な「洋楽=おしゃれ」として売るというのがあったように思います。この「洋楽=おしゃれ」というところから最も遠い音楽と判断されてしまったのが「カントリー・ミュージック」じゃなかったのかと想像されます。結果、90年代以降日本ではほとんど紹介されなくなってしまった。

とまぁ、そんな事情でアメリカにおけるカントリー・ミュージックの人気がまったく日本では分からないなんてことになってしまった。

なんてことを考えている時に、今アメリカでこんな歌がヒットしていることを知りました。




アーチスツ・オブ・ゼン、ナウ・アンド・フォエバーという名義で曲名は「フォエバー・カントリー」。アメリカのカントリーミュージック協会(Country Music Association)略してCMAが主宰するCMAアワードが50週年を迎えるのを記念してCMAアワードの受賞歌手30人を集めてカントリー・ミュージックは不滅だと訴えるものとなっています。日本で言えばレコード大賞を受賞した歌手が勢ぞろいして歌ってるみたいなものと言えばその豪華さが分かるかも(とは言えある種の人々にとってはどうでもいい歌でもあるような気もしますが・・・)。

カントリー・チャートではもちろんNO.1、HOT100でも21位のヒットとなっていて5700万回ストリーミングされているんだそうです。

楽曲自体はジョン・デンバーの「故郷に帰りたい」に、ウィリー・ネルソンの「オン・ザ・ロード・アゲイン」そして今やホイットニーの曲と言う印象ですが元はドリー・パートンのカントリー・ヒットである「オールウェイズ・ラヴ・ユー」がマッシュ・アップされ、最後は全員での「オールウェイズ・ラヴ・ユー」の合唱があり最後をドリー・パートンが締めるというものです。

といったこと位はカントリー門外漢の僕でも分かるのですが出てくる歌手やバンド、誰が誰やら全然分かりません。かろうじてフェイス・ヒル、トリーシャ・イヤウッド、ウィリー・ネルソン(流石にこの人はねぇ)そして最後のドリー・パートンくらいしか分かりませんでした。

ネットで調べたら以下のような面々のようです。あなたは何人分かりましたか?

Verse 1: Brad Paisley, Keith Urban, Tim McGraw & Faith Hill

Chorus 1: Little Big Town, Luke Bryan, Miranda Lambert,Blake Shelton & George Strait

Verse 2: Kacey Musgraves, Eric Church, Ronnie Milsap, Charley Pride, Dierks Bentley & Trisha Yearwood

Chorus 1: Lady Antebellum, Blake Shelton, George Strait, Darius Rucker & Martina McBride

Bridge: Jason Aldean, Rascal Flatts & Willie Nelson

Chorus 1: Brooks and Dunn, Alabama, Darius Rucker, Little Big Town, Brett Eldredge & Keith Urban

Verse 3: Reba McEntire, Alan Jackson & Vince Gill

Chorus 2: Carrie Underwood, Brad Paisley, Martina McBride, Little Big Town, Dierks Bentley, Kacey Musgraves, Trisha Yearwood, Tim McGraw, Alan Jackson, Luke Bryan, Keith Urban, Faith Hill, Eric Church, Brett Eldredge, Ronnie Milsap, Reba McEntire, Miranda Lambert & Dolly Parton

それにしてもドリー・パートンって日本で言えば美空ひばり並みの大物なんでしょうね、これを見る限り。


ジョン・デンバー/故郷に帰りたい



ウィリー・ネルソン/オン・ザ・ロード・アゲイン


ドリー・パートン/オールウェイズ・ラヴ・ユー