久しぶりに落語の話。数か月ぶりに寄席に行き、また落胆して帰ってきた。当分は定席の寄席は行かない。


毎年1月二之席(11~20日)と8月中席(11~20日)は、小三治さんがトリをとるので、これまでも何度か聴きに行っている。前にも書いたが小三治が出演する日は12時開場なのに10時前から並ばなければ座れない。今日も9:10から池袋演芸場に並んだ。



小三治が昼トリだから聴きに行くのが第一の目的であることは勿論だが、もう一つの目的は、これからの落語会を背負う、注目すべき噺家さんを探し求めてである。今日はこの二人が二重丸。


三遊亭白鳥「初天神」。いつもは新作が中心で二度ほど聞いたことがあり、面白いなとは思っていたが、本人も言っていたように珍しく古典落語。本格的にじっくり古典を聴かせるタイプではない、春風亭昇太と同じ爆笑落語路線。こんなにメチャメチャ面白い「初天神」は聴いたことがなかった。


桃月庵白酒「替り目」。この噺はとてもポピュラーで数十回聴いているので、

聴き飽きているが、今日のは飽きさせない演出だった。去年初めて白鳥を聴いて、「うん、いいかも。」と思っていたし、華もあるので、これからちょっと注目かな。



ほかは退屈して、随分ウトウトした。正月初席(1~10日)は新春顔見世興行であり、5~10分(人によっては5分以内)で入れ替わり立ち代わり登場するので、落語なんかほとんどやってくれない。それは承知の上のこと。


しかし、二之席(噺家は落語界は20日まではお正月というが)はもう、ちゃんと噺を聴かせてもらいたい。出る人出る人が漫談的お話でお茶を濁すばかり。今日は、圧倒的にそっちの方が多く、一緒に行った友人と、「いい加減にして欲しいね。ちゃんとした噺してもらいたいね。」と嘆いた。


寄席に出たくても出られない噺家さんもたくさんいるのです。寄席に出られることに胡坐をかくことなく、きちんとした高座を務めて頂きたいと思います。



「寄席に見に来もしないで落語を語るな、先ず寄席に来い。」という噺家さんは多い。しかし、こんな面白くない内容でやっている噺家さん、席亭さんは、魅力ある寄席にするよう、真剣に改革努力をして頂きたい。でないと寄席はさびれます。


首題とは関係ない話題ですが、今日一日だけで「伊達直人」が10回くらい、「成田屋、海老蔵」が5回くらい登場した。やはり旬なんでしょうね。