正式名は「柳家権太楼日曜朝のおさらい会」といい、奇数月最終日曜日の11時半から1時まで、つまり寄席が始まる前の時間を利用しての会、でもう69回を数える。木戸銭は1500円で権太楼が2席たっぷり聴かせてくれる。


働いていた頃は時間がなく行けなかったが、今は去年からほぼ毎回行っている。といっても人気の師匠だし、池袋演芸場は補助椅子、立ち見を入れても130人くらいしか入らないので、席の確保は大変。11時開場(大体10分前くらいには入れてくれるが)に、9時半ころから並ぶ。待ちを入れて2時間程度だから立ち見覚悟ならそんなに早く行かなくてもよいのだが、いつもそうするようになってしまった。


7月の演目は「唐茄子屋政談」と「お化け長屋」。普段でもすぐ感動して涙する私ではありますが、唐茄子屋政談では嗚咽しそうになった。以前の「文七元結」もそうだったが、私が落語四天王の一人とするに値する凄さ。落語というのは只笑わせるものではなく芸術・文化であることを感じさせる。


熱演のあまり、一席終わったら12時50分。残り10分しかないので、すみませんが今日は一席で、残りは質疑応答でと、師匠。これも一興と思っていたら、池袋演芸場から1時過ぎても構わないというご好意が伝えられて、いきなり「お化け長屋」に入る。


さて、前置きが長くなったが、この会は自分のおさらい会だから好きにできるのか、お楽しみがある。(毎回ではないが。)師匠の前に弟子が一席伺うのだが、その後、高座にその弟子を呼んで、お客さんの前で稽古をつける。滅多に見られない光景なのでお客さんは拍手喝采。


この日の犠牲者(本人はたまらんでしょう)は入門10年目、若手二つ目のホープ(らしい)、右太楼。噺は「試し酒」。最初、言い間違いとか言い方を2、3注意した後、近江屋の旦那と主人の会話は変化が少なく続くので、清(キヨ)が出てくるところで変化をつけること、大きく入ってきて広さも表すこと、下男の久蔵はいつもニコニコ笑っているイメージで、具体的には円生師匠のとのころの円龍さんみたいな人(かなり太っているらしい)を想像してと笑いもとって・・・。などなどとても参考になります。


次回は9月26日。さあ、また折りたたみ椅子と本を持って並ばねば。台風でも来ないことを祈る。