ユキコ・ハーウッドさんの占星術セッション | 占星術家しゅんじ「宙の色(そらのいろ)」

占星術家しゅんじ「宙の色(そらのいろ)」

「宙」という文字には「永遠の時間」という意味があります。
時は無色透明ではなく、無限の彩りに満ちた物語のような連なりです。
西洋占星術を通して、時に込められたメッセージを読み解きます。

彼女はイギリス在住の日本人の占星術家の女性です。
とても気さくで親しみやすい方で、セッション後には、今年初めてイギリス旅行をする自分のために、交通や宿泊のアドバイスをいろいろしてくれました。うー、なんて優しい人なんだろう~(T T) 親戚が一人増えたみたいです。


リーディングは堅実で、「占星術の王道」という印象を受けました。それでいて、質問すると即座に沢山の言葉が帰ってくる軽やかさがありました。一足飛びをせず、豊富な言葉で星の1つ1つにライトを当てるうちに、自然と全体が繋がっていきました。多くの経験に裏打ちされているであろう知識の厚みと自由な言葉。あー、そういうものが僕は欲しいんだなと思いました。安易な「決めつけ」をせず、今話したのは可能性のうちの1つ、というスタンスは、自分がずっと貫いてきたものに近いと感じました。


自分にとってこのセッションは、占星術の理解を深めてきた道筋をダイジェストで振り返る「節目」だと感じました。すっかり見慣れた自分のホロスコープをユキコさんの視点で再確認しながら、それが「読めるようになる」までの道筋のことを振り返っていました。7~8年前に、初めて自分のホロスコープを作った日。ほぼ意味不明な記号の並ぶその図に、僕は魅力と神秘を感じました。「未知の可能性を秘めた自分が、この中に眠っているはず。それを、どうしても知りたい」と強く願い、わくわくしました。そして今でも、同じ図を前に同じ気持ちでいる自分がいます。それってとっても幸せなことだと思いました。



以下はセッションの覚え書きです。

●元素の対比
 火(太陽が射手座、ASCが牡羊座)と土(月を含むグランドトライン)の統合がテーマ。
 上手く行かないかもしれない、誰も認めてくれなさそうなことにチャレンジしたい火と、
 着実な足跡を残していきたい土。
 火はアイデアであり、土は実現力。それらを両立させること。
 火はお父さんから受け継いだ要素、土は母親から受け継いだ要素。

●8ハウス、射手座の太陽
 射手座のメガネで世界を見ると、そこはどきどきわくわくのディズニーランドに見える(笑)。
 働き方、職業にこだわらない方がいい。射手座の火と土とのバランス。
 8ハウスは遺産、家系から受け継ぐものがテーマ。
 自分の場合は特に父方から受け取るものが多い。
 そこから発展力を受け取り、成果を還元する。

●蠍座の水星・天王星の合
 見抜く目。世の中の動きなども察知できる。大衆に向かって訴える力。
 例えばセッションで個人個人の「小さなお悩み」に応えてばかりだと、
 そのうち物足りなくなる。

●7ハウス(ディセンダントに合)の冥王星
 他者からのプレッシャー。飲み込まれそうな息苦しさ。
 小さい頃はその脅威から身を守るために、
 土のグランドトライン(物質的安定、狭い砦、母の保護)
 の中だけで生きていた。
 トランシットの冥王星が射手座の太陽の上を通過する時期に、
 射手座の火が目覚め、土→火への切り替わりが起こった。

●月とキローンの合
 アウトサイダー的。仲間の一員になれそうでなれない。
 一生消えるものではないと分かっている傷ついた気持ち。
 それがあるから他者の気持ちに寄り添える。思いやり。 

●MCに対する冥王星の合について
 子供の頃に『大人になったらこうなるんだ』と描いていた到達目標を
 ゼロから生まれ変わらせる時期。
 そこで鍵となるのは、MCのすぐ近くにある金星。
 到達目標は、9ハウスの金星(人、海外との関わりや精神的・哲学的な探求)と繋がっている。
 2008年~2011年頃にかけて金星の上を冥王星が通過し、
 大きな変化と共に未知の可能性が掘り起こされた。」

●ASCに対する天王星の合について
 飛行機の上から自分を見渡すように、壮大な俯瞰のビジョンが見えてくる。
 一気に大量の電流が流れてきたような閃き。
 些細な心配が小さく見えて『どうして気づかなかったんだろうという』と思う。
 その閃きの興奮と現実のギャップを埋め、定着させるために、
 数年かけて忍耐強く自分の『手作りの家』を築く時期。
 30代のうちはそのことがテーマになる。
 簡単にがっかりせず、やろうと思ったことをとにかく試すこと。
 人々と関わり、人生の土台を作る時。


〈補足〉
以前は「もし占星術を極めたら、未来のことが予知できて答えが分かって、賢く無駄なく楽に生きれるようになるに違いない」と思っていました。でも、占星術はそういう願いを叶えてくれる魔法の杖ではないと分かりました。占星術は、現在地を示してくれる自分だけの地図でした。表向きは単なる失敗であっても、占星術はその背後を貫いて流れる意味を教えてくれました。「これは自分にとってきっと意味のあること、欠かすことのできない物語の一部だ」と信じることができました。出来事と配置とのシンクロニシティは、自分が「正しい流れの中に生きている」という実感や自信を与えてくれました。占星術は魔法の杖ではなかったけれど、僕は結果的にいちばん欲しかったものを手に入れていました。未来の答えを知りたいという思いの裏側には、自信のなさが隠れていたのかもしれません。今は、未来は「なるようになる」という確信に満ちています(笑)