「エドガー・ソーテル物語」ディヴィッド・ロブレスキー著(金原瑞人訳)NHK出版を読みました。


エドガー・ソーテル物語/NHK出版

¥3,990
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生まれつき声を持たず、手話だけで話す少年エドガー・ソーテル。彼は、ウィスコンシン州北部の人里離れた農場で両親といっしょに暮らしていました。数世代にわたってソーテル家は、ある犬種の育種と訓練を行ってきました。思慮深く人に寄り添うその気質は、エドガーのかけがえのない犬アーモンディンに典型的にみられます。

しかし、叔父のクロードの予期せぬ帰郷により、ソーテル家の平穏な暮らしが乱されていきます。


スティーヴン・キングの「信じられないほど面白い」の言葉に思わず手にとったこの本、厚さ5cm734Pの超大作!


韓国・釜山のあやしげな商売の場面から物語は始まります。

犬の繁殖と調教の歴史と知識、ソーテル家の兄弟の確執、エドガーの先天的な障害、犬たちとの手話での意思の疎通、超自然的な出来事・・・読み応えたっぷりの物語です。ラブラブ!


エドガーの父ガーの突然死。エドガーは叔父クロードがそこに関わっているのではないかと感じ、事実をつきとめようとします。母トゥルーディとクロードの仲が急接近し、エドガーが過ごす、孤独で怒りに満ちた日々。ある不慮の事故からエドガーは広大な森の中へ逃げることを余儀なくされ、彼は3匹の犬とともに逃亡生活を送ります。


「まっすぐ立ち向かうことが大切だ。なにごとであれ、うまく出し抜いてやろうなどと思ってはいけない。世界はそういうものなのだ。

まっすぐにらみつければ相手が逃げ出すこともあるし、そうでないこともある。」


父ガーの死の真相を追うミステリーの要素もさながら、この森での犬との暮らし、またその後エドガーが出会うある人物とのエピソードもとても興味深く、面白いです。



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物語のラスト・・・読了した方はどうお感じになりましたか?

私の気持ちは「ここまで読んでこんなラストは嫌だ!」でした。

でも罪を立証できるか?といわれると・・・難しいですね。

ハリウッド映画になったら最後にエドガーが作業場から出てきそうですが、そうなったらなったで、この物語の独特の「せつなさ」は失われてしまいますよね・・・。やはりこのラストしかないのでしょうか。しょぼん エドガー・・・。