甘い口づけは
遠くに行ってしまったのだろうか
夢の中の出来事のように
ただ思い浮べるだけの
刹那・・・・・・・
・・・・・・そんなはずはない!
メールは確かに
あなたからのものだった
逢えることを喜んでいたのに
待っていてくれていると
思っていたのに
そんなこと微塵も思わせなかった
広大な敷地の中で
ポツンと立っている庵の前で
それがまるで自分のように
思えていた
一人取り残される不安
先の見えない焦り
信じきれない心
力なく・・・近寄って中を覗くと
テーブルの上に置かれた
小さな箱が目に入った
扉の鍵が開く
そっと手に取り箱のふたを開けると
小さなメッセージカードと
二連のリング
同じ日付のものがいくつも
入っていた
毎年・・・・・用意してくれていたのが
余計胸を締め付ける
それなのに
今日の日付のものだけが
入っていない・・・・・・
一番欲しかったその一つが
「まじで、クソッたれだな・・・・・(苦笑) 」
頬を伝う熱いものは
止まらない・・・・・
止め方を忘れてしまうくらい
溢れてくる
「・・・・・・・・どうして・・くれるんだよ・・・止まんない」
誇り臭い庵の中が一瞬だけ
甘く香る・・・・・
視覚も、聴覚も、触覚も、嗅覚も…そして味覚も
あなたを覚えている
決して忘れられない感覚
今、俺は五感すべてで
あなたの気配をを強く感じていた
メッセージカードの文字が
滲んでいく・・・・・
「sho is forever mine・・・」


