acer「Aspire Timeline AS1410」でWindows ReadyBoost。 | さよならカフカ

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 今日は、このブログの常連の読者さんからは人気がサッパリなものの、なぜかGoogleなどからの新規の読者さんがたくさん来てくれるPCネタです。前回は、新しく購入したacerのネットブック「Aspire Timeline AS1410」にWindows XP Modeを導入してみたという記事を書きました。


acer「Aspire Timeline AS1410」でWindows XP Mode。


 今回は、同じく「AS1401」で、Windows7の注目の機能の一つ、「Windows ReadyBoost」を試してみました。

 Windows ReadyBoostは、WindowsVistaから搭載されている機能の一つで、Windows SuperFetchのキャッシュをUSBメモリやSDカードなど、HDDよりもアクセス速度の速い外部メモリに記録することで、PCのパフォーマンスを向上させる機能です。


 WindowsVistaでは、ReadyBoostを設定できるドライブは一つだけ、しかも容量が上限4GBまでと制限がありましたが、Windows7では、複数のドライブを同時に利用できるようになった上、特定の条件下では4GBを超える容量を指定できるよう機能が向上したと言われています。特にこの「4GBの壁」問題は、フラッシュメモリの容量単価が大きく下がってきている今、大変意味を持ってくるかもしれないものだと思うのですが、Wikipediaなどを見てもWindows7β版での検証結果が掲載されているのみで、製品版Windows7のReadyBoostに関する情報はまだあまり見受けられません。


 特にAS1410のような非力なネットブックなどには、ローコストでパフォーマンスの向上を図ることのできるオプションとして、Windows ReadyBoostは期待できる機能なのではないか、と考えておりました。ReadyBoost導入が効果的である条件としては、

1 HDDへのアクセスが遅い

2 搭載されている物理メモリの容量が少ない

3 物理メモリの拡張にかかるコストが高い

などが挙げられると思いますが、まさに現在市販されているネットブックなどはこれに該当するかなと思います。


 今回は、Windows ReadyBoost専用のフラッシュメモリということで、下記のUSBメモリを用意しました。

 

ELECOM 超ミニUSBメモリ / 8GB / PASS付 / ブラック MF-SU208GBK/エレコム

 

 

 ネットブックなので持ち運びが大前提なのですが、このUSBメモリなら装着しても5ミリほどの突起しかないため、じゃまになりません。ReadyBoost専用ドライブとしては最適ではないかと思います。容量は8GB。

 AS1410に装着するとこんな感じになります。


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 さて、Windows7でコンピューターを開くと、USBメモリは「リムーバブルディスク」として認識されています。それを右クリックし、プロパティの「ReadyBoost」タブで設定を行います。


 さて、実際にやってみると以下のようになります。


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 8GBの容量のあるドライブなのに、ReadyBoostの容量は4,094MB(約4GB)が上限になってしまいます。これは、メッセージにもあるとおり、FAT32というファイルシステムに依拠する制限です。市販のUSBメモリはデフォルトでFAT32でフォーマットされている場合がほとんどなので、そのまま使おうとするとこのようになるのですね。もちろん、WindowsVistaの「4GBの壁」もこれが原因です。


 さて、Windows7では、ReadyBoostが新たにexFATというファイルシステムに対応したようです。上に書いた「特定の条件下」というのは、つまり「exFATでフォーマットされたフラッシュメモリで」、ということになります。

 試しに、ドライブをexFATでフォーマットしてみます。


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 exFATでフォーマットしたドライブで改めてReadyBoostタブを開いてみると、今度はこのUSBメモリの上限である7,565MB(約8GB)まで領域の割り当てができるようになりました。

 
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 Windows7の場合、このようなReadyBoostを設定したドライブを複数認識するとのことなので、上限がいくらなのかは知りませんが、どんどん拡張して増やしていくことも可能でしょう。まあ、これ以上拡張してもほとんど効果はないと想像されますが・・・・・。

 ただ、理論的には、ReadyBoostを利用すればHDDへのアクセス回数は確実に減ることになりますので、HDDの寿命は多少なりとも延びる可能性があります。一方で、ReadyBoost用のフラッシュメモリは、専用で常時使用した場合、半年程度で故障した等の情報もあるようですので、安価なメモリを使い捨てする覚悟で導入するべきかもしれません。実際、今回テストしているUSBメモリのアクセスランプも、データ処理時はほぼ常時点滅しています。


 肝心のパフォーマンスの向上については、体感的には「若干早くなったかも・・・・・」という程度でしょうか。元々ReadyBoostはメインメモリの不足を補う機能という言い方もできると思いますが、今回使用しているAS1410はメインメモリがすでに3GBありますので、目に見える効果というと難しいかもしれません。もう少し重い作業をすればその差が実感できるのかもしれませんが・・・・・。

 ちなみに、「HDBENCH」を走らせてみるとReadyBoostありでもなしでもほとんど値は変わりませんでした。「Windowsエクスペリエンスインデックス」の評価も全く変わらず。もしかして、全然効果ないのかも。


 まあ、ReadyBoostはWindows7でせっかく便利に改善された機能ですし、USBメモリも4~8GB程度のものでも値段が下がってきていますので、純粋にシステムに興味のある方、あるいはマシンのパフォーマンスに不満がありメインメモリの増設も難しく藁にもすがりたいという方は、ぜひ試してみてください。効果は保証しませんけど。


 では。


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