獅子座流星群 | アンチ・ノンフィクション

獅子座流星群

GOだす。

このまえ、駅の売店で雑誌を2時間くらい立ち読みしている欧米人が
いました。
売店のおばちゃんは怒りながら言い続けてました。「欧米かっ!」
とても見てられない私はおばちゃんに代わり、言ってやりました。
「ヘイ ユー!!」と・・・。
そしたら相手も「ヘイ!!」と返してきました。
20分くらいでしょうか。そのままお互い第1声を交わしたまま見つめ合って
いたのは・・・。
心配だったのだと思います。おばちゃんはおろおろしながらも私の背中から言い続け、なぜか私にツッコミを入れ続けました。「欧米かっ!」

おばちゃんは心配してましたが、二人の間にもはや言葉はいりませんでした。
気がつけばお互い肩を組み、笑顔で売店を後にしていました。
聞けば彼は住むところが無く困っているとの事。
不動産屋である私は、もちろんお部屋を斡旋するべく力を尽くしお部屋を紹介
しました。
残念ながら彼は審査で引っ掛かり、契約することが出来ませんでした。
当然私は猛抗議。「彼が外人だからダメなのか!人種差別だ!!」
すると、部屋の管理会社の人はこっそりと理由を教えてくれました。
本来、審査結果の根拠は教えてもらえないものなのですが、管理会社の人も
また、良い人だったのでしょう。
理由は、職業が「獅子座流星群のバイト」だったからとの事。
あのバイトは確かに命に関わる仕事です。燃え尽きてしまう人もいるらしい。
そのかわり、1回あたりのバイト代はどっかの国の国家予算に匹敵するそうです。
彼は泣く泣く母国へ帰りました。「次回の獅子座流星群で会おう!!」という
言葉だけ残して・・・。
前回のバイト中に彼の母親が撮ったという、彼の仕事っぷりを収めた写真を
記念に頂きましたので掲載します。
この証拠写真を見せれば、あるいは審査もOKだったのかもしれないと悔やまない日は無いです。
彼はきっと今も、素敵な仲間たちと夜空をものすごいスピードで切り裂いて
いる事でしょう。

ちょっとお涙誘う、良い話でした。





謎の外国人



ではっ!