熊本で地震が始まってから1か月が経ちました。
毎年夏休みに里帰りしていた玉名市でもこれほど大きな地震が起きたということは、
個人的には東北での地震に匹敵するか、もしくはそれを上回る衝撃がありました。
常にアンテナを立てている防災関連の行政施策ではありますが、
もう一度見直してみようと思うのには十分な衝撃でした。
川崎市には防災関連の調査資料・計画がいくつかあります。
500ページを超える分厚い「地震被害想定」「地域防災計画」や「備蓄計画」、、
防災計画は、震災編、風水害編、都市災害編の3つにわかれていたりもします。
これらの計画は行政がどのような災害を想定しておくのか、
どのように対応するのかなどがメインで書かれているわけですが、
他の行政の施策と同様、市民の認知度はそれほど高くないと思います。
そこで防災に目が向きやすい今だからこそ、よいきっかけになるやもと思い、
少しだけですが紹介させて頂きたいと思います。
まず、川崎市の被害想定ですが、冬18時、M7.3の直下型地震が発生した場合、
市内の28.9%の建物に半壊以上の被害が出るとしています。
ちなみにH24の調査は上記の結果でしたが、
震源を少し浅めに見積もっているH21の調査ではもう少し数は多いです。
発災直後の水問題ですが、上水(蛇口から出てくる水)は全世帯の52%が断水。
下水(家で使った水や雨水)に関しては、全世帯の40%で機能に支障が出るとしています。
直後は問題がおきても数日でなんとか直してくれるだろうと思いたいのですが、
上下水は復旧までに相応の時間がかかり、1週間経過した段階でも復旧されるのは、
問題が発生した世帯のうち20%程度という想定がされています。
さらに、避難所くらいは、、、と思いたいのですが、
下水管の耐震化はなかなか進んおらず、昨日話を聞いたところによれば、
現在時点で避難所と水処理センター(下水をキレイにするところ)をつなぐラインで、耐震化が完全に完了している小中学校はないそうです。
耐震化されていないから地震で確実に全滅するとはいえないそうですが、
避難所の下水、つまりトイレについても課題が多い状況です。
一方、避難所の上水については、
地域防災拠点となっている市内中学校52校と配水池をつなぐラインの耐震化は完了しているそうです。
現在は、小学校や高校と配水池をつなぐラインの耐震化を進めています。
これは平成35年度の完了を目標にしています。
次に備蓄についてです。
まず、この備蓄について示されている備蓄計画の冒頭にこのように書いてあります。
「自らの身の安全は自ら守るのが防災の基本であり、平常時から災害に備え、各家庭において3日分以上の飲料水や食料、生活必需品等の備蓄を行う必要がある。しかし、震災時には、家屋の倒壊、焼失等により~」
ここから読み取れるのは、基本は自分で備えて下さいねということです。
そして、家に備蓄していたものがどうしても取り出せない状況の方は、
3日分は行政が用意しておきますね。と続いています。
というわけでなので、備蓄物資は家屋の「全壊」「全焼」の方の分を備蓄している状況にあります。
ここからは私見ですが、
備蓄物資の配給時にひとりひとりの家屋の状況を確認することは不可能ですから、
もし仮に行政の備蓄計画が正確だとすると、全壊・全焼でない方が物資を受け取った場合、
受け取るべき人が受け取れないことになるかもしれません。
ちなみに、中原区では34511人を備蓄物資の交付対象者と想定して備蓄をしてます。
次に備蓄計画ではトイレについても触れられています。
このトイレについては、「全壊」「全焼」「半壊」の方を対象者とすると共に、
家屋被害がないけど、エレベーターや断水、余震の不安などで避難所に来ている方のうち3割を対象者としています。
なかなか考えるだけでエネルギーをつかう話題ではありますが、
イメージしておくことはとても大切だと思います。
以上、ただつらつらとお伝えするのみで恐縮ですが、
少しでも「そんな感じか」と思っていただければ幸いです。
7月には、災害への対応をテーマとした「市民と市議をつなぐ会」を予定してますので、
もっと詳しく知りたいという方や、もっとこういう備えをしたほうがいいというアイディアをお持ちの方は是非お越しください。
私もそれまでにもっと勉強していたいと思います。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。