久し振りにDVDで映画を観た。
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』という映画だ。
これは、60年程前のチベットが舞台になっているが、チベットには様々なしきたりがある(あった)ということも、映画の中では、描かれている。
その一つに、「愛する者が旅立つ時には、お茶(バター茶)のおかわりを淹れて、その物が再び戻ってくるまでそのままにしておく」というようなしきたりが出てくる。
なんとなく、ロマンチックだと感じた。
友達や、仲の良い身近な人等との別れは寂しいものだけど、こうしておくことで、また会えるという感じがする。
むしろ、また会えることを楽しみにするというニュアンスも感じられる。
道中の無事を直接祈るということではないけど、こうやって送り出されたら、送り出された方も、また会えることを楽しみにできるから、それは結局道中のお守りにもなるような気もする。
バター茶ってよく知らないけど、放置しておいたら、カチコチに固まるんじゃないか?
1年振りに帰ってきたりしたら、その様子を話のタネにして楽しむこともできるだろう。
映画の中では、バターや砂で神様の像や、宗教的な文様を描いて、それが溶けたり崩れていく様を無常観と掛けているようにも見えたけど、単純に「旅立ちと杯」の関係がおもしろいと感じた。
蛇足だけど、映画自体は、ちょっとブラピのイメージビデオという感じがして(他に良いキャラクターがいるのに描けてない感じ)、あまり好きじゃない。
だけど、戦時中という過酷な時代、状況を生き抜いてチベットに逃げ込んだ登山家が、孤独を抱えながら幼き日のダライラマと打ち解けるというストーリーは凄く魅力的だ。
それに加えて、バター茶のシーンを観られたのは、僕にとっては収穫だった。
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