埼玉ブロンコス 対 信州ブレイブウォリアーズ | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。


          

2015年10月18日、さいたま市記念総合体育館で行われた、15-16シーズンのブロンコス・ホーム開幕節に行ってきました。この日は日曜日の2試合目で、初戦は42-83と大敗した後のゲーム。プレシーズンの出来が悪かったチーム相手に大敗し、「この相手に2試合連続で完敗では……」と思い気が滅入りましたが、この試合も66-83で敗れました。今期はこれまでとにかくシュートの決定率が低く、得点力が課題と言われているようです。この試合はシュートの精度は改善されていましたが、反面守備がおぼつかない印象でした。前半から常にビハインドを背負った状態での戦いで、完敗と言っていい内容だったと思います。

何と言うか、去年やったことが完全にリセットされた印象です。昨年は、シーズン中に外国人選手が退団して苦しい状況に陥っても選手達はとにかく気持ちの面でだけはハードにやっていました。ですが、この日の試合ではそれが感じられなかった。守備時のボールに対するプレッシャーも弱く、ゴール下の攻防も劣勢。シュートを内に行く選手に対して2人以上の選手がチャージ(しかもゴール下にいなければいなけないはずの外国人選手達が飛び出すシーンも目立った)して他の選手ががら空きになったりするなど、プロとは思えないような統率のなさも気になりました。その状況では長野の選手達がのびのびとシュートを打つのも当然。今まで100点取られた試合がないのが不思議なほどです。別に自陣にリトリートしてから守るスタイルが悪いわけではないですが、相手を自陣に引き入れるのであれば1対1の局面で守り切れなければ失点は減りません。その局面で気持ちで負けないぞ、と言う気迫が感じられず、逆に変なところで気張って失点が増えるという、見事な悪循環でした。ブロンコスの方が相手よりもファウルを多くとられるようになるのも当然です。

昨季は、継続したチーム作りができる環境を作れなかったフロントに批判の目が行きましたが、今年のオフはフロントはできる限りのことはしたと思います。契約していたクリス・ウーレ選手が心臓発作で急死したという悲劇はありましたが、外国人選手も含めて8月が終わるまでにはほとんどの選手達が揃って練習できる環境を作れていた。今年は1年で10勝を狙えるかな、と言う期待も抱かせてくれた。にもかかわらず、開幕までにブロンコスは、心技体すべての面で戦う集団になれなかった。批判の矛先を選手や現場スタッフに向けざるを得ません。

この日は、浦和や与野でミニバス少年団を動員した結果、2000人以上の観客が集まりました。中学校や高校の制服を着た人達もたくさんいました。これまでブロンコスの試合で会場全体が盛り上がる感覚と言うのを経験したことがなかったのですが、やっぱり盛り上がるスポーツ開場と言うのはいいものですね。彼等の前で2試合連続で完敗したことに関して、選手達や現場スタッフは何を思ったでしょうか。シーズンを通じて少しずつ状態が良くならなければ、ブロンコスのホームアリーナは歓声の響かない寂しい会場に逆戻りです。

あと、昨年は敗戦が多い中でも何とか会場を盛り上げてくれたサポートスタッフに関しても、この試合ではちょっと不満。チアのダンスも、昨年はレーザーを使ったり会場を暗くしたりと結構視覚的な演出が多かったのに、今回はそういったことをしなくなっていました。あと、秋晴れの日で予想以上に温かかったことが計算外だったのか、会場が蒸し暑かったです。

今年はブロンコス創20周年。彼等は、様々な苦労がある中で20年間埼玉に「プロバスケのある日常」を提供し続けてくれました。その歴史を否定するわけではありません。ですが、プロのスポーツチームである以上、お金を払って試合を見に来てくれる観客に対しては結果と言う形で応えてくれなければ、残念ながらファンの足は遠ざかってしまう。このままの状態が続けば、ブロンコスが存続できなくなってしまうかもしれない。彼等が10年間必死で作ってくれた「プロバスケのある日常」がなくなってしまうかもしれない。

それは、ブロンコスにかかわる全ての人にとって一番悲しいこと。だからこそ、選手、現場スタッフ、そしてフロントはどうか一丸となって、危機感をもってこのシーズンに挑んでほしいのです。

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