サンポート高松2
JR高松駅遠望(サンポート高松)


高松は市街中心部に殆ど起伏のない「小都会」である。このため、大学から自転車で行ける距離に集客力に優れた「ゆめタウン」「イオン高松」といった4万平方メートル級の大型ショッピングセンターを複数擁して、だいたいのものは市内でまかなうことができるが、就活やショッピング、レジャー等のために、どうしても大都市圏に出かけなければならないケースも多い。そこで、高松タウンから一番近い都会である京阪神へのアクセスについて再度解説してみよう。





マリンライナー
JRのマリンライナー

(1)鉄道

瀬戸大橋の開通でJRの瀬戸大橋線が開通したことにより、岡山・京阪神と高松間のアクセスは飛躍的に改善した。海上部1時間の連絡船航行時間もさることながら、乗り換え回数が一回減少したためである。

快速「マリンライナー」+新幹線で高松駅から新大阪までの乗り換え時間を含めた所要時間は約2時間10分程度。JR四国が常時販売しているトクトク切符、「阪神往復フリー切符」を使えば大阪圏のJRを土日2日乗り放題で往復12,000円となる。(平日用は4日有効で往復12,800円となる)

これが他の交通手段と比較する場合のスタンダードといえよう。




JR四国バス
JR四国バス

(2)高速バス

すでに京阪神へのビジネスユースは、輸送力の大きい鉄道が飛行機を駆逐し、飛行機の高松←→大阪便は廃止された。ところが、明石海峡大橋と四国内の高速道路の全線開通により、高速バスが強力なライバルとして登場している。

バスのいいところは、新大阪ではなく大阪の中心街に直接乗り入れできるドア・ツー・ドアサービスであること、繁忙期・閑散期にあわせて運行ダイヤを機動的に変更できることだろう。

逆にデメリットとしては、専用軌道ではないため交通渋滞等の影響を受けやすく、到着時間に誤差が生じる危険性が高いことが挙げられる。

下に所要時間と往復料金を記す。


1)JR四国が共同運航する「高松エクスプレス」の場合

①高松←→大阪(梅田) 所要時間;約3時間40分で往復6,800円 ※ただし学生運賃2割引


http://www.jr-shikoku.co.jp/bus/businfo/takamatu_ex/osaka.asp


②高松←→神戸(三宮) 所要時間;約3時間で往復5,900円 ※ただし学生運賃2割引

http://www.jr-shikoku.co.jp/bus/businfo/takamatu_ex/kobe.asp


2)フェリー会社系の「フットバス」の場合

所要時間は殆ど同じ、往復運賃は必ずHPを参照のこと。


フットバスのHP

http://www.footbus.co.jp/


なお、高速バスは船やJRに比べると狭い空間であるが、2009年3月12日の四国新聞の記事によると、下記のような車内セクハラ対策のサービスも繁忙期を除いて開始しているバス会社もある。香川大の場合4割は女子学生であるため、うれしいサービスといえる。


> 高松―阪神間で高速バス「フットバス」を運行する高松エクスプレス(香川県高松市)は11日、運賃プラス100円で隣の席を確保できる予約サービス「隣席キープ」を、4月7日から神戸線で導入すると発表した。年末年始などを除く月曜から木曜の全便が対象。同社は「全国初のサービスで、女性客などの快適性向上を図りたい」としている。

 予約の際に隣席キープを併せて申し込むと、高松―神戸間の大人料金(片道3600円)にプラス100円で、窓側と通路側の隣接する2席を予約できる。往復割引なども利用可能。月―木曜の平日4日間が対象。混雑時(4月28日―5月8日、8月10―18日、12月25日―1月8日)は利用できない。

 同社は「相席にならないという安心感が生まれる。幼児と一緒だったり、大型の荷物を持ち込む場合に便利」としている。






ジャンボフェリー
ジャンボフェリー

(3)フェリー

現在もっとも低料金で高松と阪神圏を結んでいる交通手段がこれである。地元の人にとっては昔から馴染みの深い「生活の足」であり、香大生はお金のかからない就職活動の足として重宝しているが、初めての人にはわかりづらい点もあるので詳述しよう。


ひと口で説明するならば、学生証の提示だけでオールシーズン手軽に片道1500円以下で関西へ出られる手段である。瀬戸内海を囲む中・四国地方の県庁所在地で、唯一JRの中央駅が瀬戸内海に面する「瀬戸の都」高松ならではの特権であろう。


乗り場へのアクセスであるが、JR高松駅付近から高松東港フェリー乗り場までは無料の送迎バス がある。神戸側にも、神戸港到着後から三宮駅まで有料のフェリーバス (片道200円)があるが、こちらは比較的港までの距離が近いので無理に利用する必要はない。荷物が少なければ徒歩20分あまり一本道(フラワーロード;阪急三宮駅←市役所前←神戸税関前←新港第三突堤)をてくてく歩けば、学生は学生証を提示するだけで運賃を2割引してもらえるので、オールシーズン片道1,500円弱で高松から神戸市中心部へ出られる。これに対して、岡山駅から高松駅までの快速「マリンライナー」が片道1,470円である。鉄道で岡山へ行くのと、神戸へ船で行くのと料金的にはほぼ同等というのであるから、その格安ぶりがよくわかる。(ちなみに、岡山駅から神戸三宮までJR普通列車だけを乗り継いだ場合の片道運賃は2,520円かかる。)


なお、高松東港のフェリー乗り場には大きな駐車場があるので、直接、車やバイク、自転車でフェリー乗り場に行くこともできる。フェリーは、上記の高速バスに比べて40分ほど余分に時間はかかるが運賃は半額以下である。輸送力が大きいので、徒歩の場合はバスと違っていちいち予約を取る必要はない。おまけに海上では交通渋滞に巻き込まれるおそれはないうえ、売店で食事をしたり、広い船室内でゆっくり横になれるという利点がある。男性客限定だが、船内には展望風呂もあり一般客も自由に利用できる。(石鹸類は各自持参か売店で購入が必要)このため、神戸まではフェリーを使って、徒歩で三宮駅から阪急、JR等に乗り換えて大阪、京都へ出かける旅上手も多い。車やバイク、自転車を持ち込んでも本四架橋の通行料より安いので、香川大学の学生はもちろん、京阪神から香川への「うどん巡礼」の観光客たちの貴重な足としても支持されている。



長崎の鼻
瀬戸内海から見た屋島北端「長崎の鼻」の絶景


瀬戸内海は波が穏やかであるため海上の船旅は快適で景色もいい。とくに屋島突端の「長崎の鼻」付近、明石海峡大橋の真下を通過するコースは隠れた瀬戸内海の観光スポットとして人気が高い。

相次ぐ本四架橋の開通により多くのフェリー会社が撤退したため、阪神地方と高松とを直接結ぶ定期旅客航路は、現在「ジャンボフェリー」1社だけである。同型船2隻で運行しているため便数は少ないが、これをカバーするため高速バス(フットバス)との共通回数券 (期間限定)や片道は高速バスを使用するフェリー&バスセット券 を売り出しており、速さと安さを両立して利便性がさらに増している。



高松←→神戸(三宮)  所要時間は;約4時間、正規料金は大人1800円だが、学生はJRのように枚数制限がある学割証ではなく、大学の学生証を提示するだけで運賃を2割引してもらえるため、手軽に片道1500円以下で関西へ出られる。


ジャンボフェリーHP

http://www.ferry.co.jp/index2.htm  



ジャンボフェリー時刻表(携帯電話版HP)

http://www.ferry.co.jp/jikoku.htm  



神戸港
神戸港(新港第三突堤)から駅への道順



神戸側「新港フェリーターミナル」の施設紹介

http://www.kobe-ferry.com/terminal/tes/tes_p2_F.html  


ジャンボフェリーの乗船記(「全国フェリーレポート」より)

http://homepage2.nifty.com/capt-wan/jumbo.htm  


(2008.03.16)


(2008.12.21改訂)

(2009.01.01改訂)