【キム・コリンズ選手】2003年の男子100m世界王者が惜しまれる『現役引退』を発表! | 陸上競技「部」 短距離/ハードル「課」 係長の日記

【キム・コリンズ選手】2003年の男子100m世界王者が惜しまれる『現役引退』を発表!

2009年9月29日。

2009年は、
ウサイン・ボルト選手、アサファ・パウエル選手、タイソン・ゲイ選手が盛り上げた男子100m。

その舞台からまた1人、世界を盛り上げた王者が降りることを決めました。

彼の名は、キム・コリンズ(Kim Collins)

彼の出身国であるセントクリストファー・ネイビスという国をご存じでしょうか?

面積と人口は共に南北中アメリカにおいて一番小さく、
独立年も一番新しいというミニ国家なのです。


小さな国から誕生した男子100mの世界チャンピオン。


世界の舞台でメダルを獲ること、5回(2回は冬季の室内大会)。


彼のレースを振り返ると、
いつもこの一言で表現することができる「大接戦」


2001年の世界陸上エドモントン大会で、
自身初のメダルとなる男子200mでのメダルを獲得。


■世界陸上2001・エドモントン大会 男子200m決勝 (コリンズ選手は1レーン)



このレースでは何と2位から7位までの選手が、
0.06秒の中に入るという大激戦!

最終的に3位、銅メダル獲得となったのはコリンズ選手ともう1人、
アメリカのショーン・クロフォード選手(Shawn Crawford/アメリカ)


写真判定という技術が取り入れられて、
1000分の1秒まで計測して順位を決める現代の陸上競技において、
2人が選手が同着順位でメダル獲得となるのは珍しいこと。


それだけでも激戦であったことを物語っています。


その2年後となる2003年の世界陸上パリ大会では、悲願のメダルを獲得。

このレースもまた、
世界陸上とオリンピックでの男子100m競技において、
歴史に残る大大大接戦のレースとなったのです。



世界陸上2003パリ大会。

準決勝で優勝候補のモーリス・グリーン(Morice Green/アメリカ)選手が、
敗退してしまう大波乱が起こります。


そして迎えた決勝。


コリンズ選手はゴールラインに向かって一番左端の1レーン。

スタートの号砲とともに加速し1レーンからゆっくり先頭に立つ。
50m付近から徐々に今度は他の選手が迫ってくる。

スピードの落ち込みを抑えようと疾走するコリンズ選手、
それを飲み込むような勢いの各選手!!!

なんと最後は、
5選手がほぼ一直線でなだれ込むようにゴールラインを通過。


「一体、誰が最初にゴールラインを通過したんだ???」


場内はどよめいたまま。


通常のレースよりも順位確定に長い時間が流れ・・・

そして場内のどよめきが一気に歓声へと変わる!


結果は、
1位~4位までの選手が0.02秒の中に入り、
2位~4位の選手はなんと同タイム(写真判定で順位が確定)という、
稀にみる混戦となったレース。


そして電光掲示板に結果が表示される!


“1位 kim Collins 10秒07”


そしてアナウンサーが一言。

「Unbelivable(信じられない!)」


歓声は最高潮に!


コリンズ選手も「信じられない」とばかりに何度か首を振り、
そして顔を上げて天を仰ぎ場内を見渡し、ウィニングランに!


彼の子供のように飛び跳ねて喜ぶその笑顔は今でも忘れられません。


■世界陸上2003・パリ 男子100m決勝




その彼が2009年のシーズン終了した今、100mの第一線から退きます。


金メダルを獲得した2003年以降、
彼は毎回のように世界の舞台に顔を見せ、
2004年のアテネオリンピックは6位入賞、
2005年の世界陸上ヘルシンキ大会ではメダル、
2007年の世界陸上大阪大会では準決勝敗退、
2008年の北京オリンピックでは100mが準決勝敗退、
200mでは6位に入賞。

自己最高記録は、

100mは生涯3度マークした、10秒台を切る記録9秒98
そして200mは銅メダルを獲得したときにマークした20秒20


彼はいつも世界の第一線にいました!


そして引退を発表した場で彼は、

“It’s very tough to be training so many hours for so many days of the week”

「1週間のうちで多くの時間をトレーニングに費やすのは今の自分にはあまりにもタフなんだ」

                             by IAAF NEWS


と口にしたそうです。


彼の目にはうっすら涙が浮かんでいたといいます。


彼の17年間にも及ぶ陸上競技選手としての生活がここで一つのピリオドを迎えます。


多くの夢と勇気を与えた彼の活躍がもう見れないとなるととても寂しい。

それでもこれからは後身の指導や陸上競技普及に、
また彼の献身的な姿を見ることを楽しみにしたいですね!

そして彼の国からまた新しいスターが誕生する姿を見てみたい!


素晴らしいレースを本当に『ありがとう』!!!



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