昨日、日本時間午後9時前に始まった英メイ首相のBrexitに関する演説、それを受けてポンドが大きく上昇しました。

 

事前に演説内容は伝わってはいましたが、何が飛び出すかわからないという不安からリスク・オフの様相で、日本株は売られ円は買い戻されました。

 

なんどもこのブログや情報誌でも指摘していますが、リスク・オフの行動はリスク資産を売って現金に戻すことで、海外勢、巨額ファンドは日本株買いポジションと円売りポジションを大量に仕込んでいて、これらを手仕舞うことで現金を手にするわけで、それゆえリスク・オフになると日本市場が突出して下落するようです。

 

日本円は安全資産だから買われるというよりも、ポジション調整の関係と言えます。

 

さてそのメイ首相の演説内容でしたが、短一市場からの完全撤退し、準EU加盟国にはならないということで、イギリス独自に、EU含め海外諸国と協定を結ぶ自由を手にするという話でした。

 

ただEU離脱は上下院議会に決定をゆだねることや、関税同盟からは一旦抜けるが、今後の交渉次第で関税なしの貿易ができるのなら、EU予算に多少の支払いをする準備があるとも言及していました。

 

スコットランド 北アイルランド ウェールズがこのスピーチにどういう反応を示すかも注目されます。英国連合王国解体の危機があるのでしょうか。

 

また、ロンドン在住のFXトレーダー松崎美子氏は「メイ首相と同時にハモンド財務相がスピーチしてる。なんだ!そこで、ロンドン金融街シティから銀行は営業できる という内容の発言をしている模様。」と指摘しています。

 

イギリスEU離脱決定のときに、ロンドン・シティは特区に指定する話もありました。

 

さきほど、英メイ首相演説前の円買戻しと書きましたが、ちょうどスイスで開催されているダボス会議で、トランプ次期米政権で上級顧問となる予定のアンソニー・スカラムッチ氏が、ドル高進行のリスクについて警告したとの情報があったことも円高を加速させているようでした。

 

同時にトランプ次期大統領がウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「米共和党の国境税案は複雑すぎる」と述べたことで、米議会との協議が難航し政策の実施が遅れる可能性が意識され、経済政策への期待から積み増されてきたドルの買い持ち高を縮小する動きにつながったようです。

 

トランプ氏は同じインタビューで中国の人民元を念頭にドルが「高すぎる」と指摘しています。事実、人民元は対ドルで大きく下落していました。

 

とうとう為替に対して、次期政権側から警戒感が出されたとマーケットは判断したのでしょう。ドルインデックスは下落、ユーロ/ドルは1.07ドルを付け、ドル/円は112円台に突入しました。

 

円高を嫌気して、昨日の日経平均株価は下落、今日も下落でスタート、NY市場も下落でした。

 

ちなみにイギリス株式市場は大きく下落しました...